子どもが拾ってきたドングリを放置すると、虫が出てきて大惨事になることも
秋はドングリの季節。でも「子どもが拾ってきたドングリを部屋に放置していたら、ウジムシみたいなのがたくさん出てきて大変なことになった」という話をよく聞く。ドングリの中には、かなりの確率で虫の幼虫がいる。拾ってきてしばらくすると、その幼虫たちがはい出してくる。土にもぐって蛹になろうとするからだ。
ドングリコロコロ、ドングリコ、虫が出てきてさあ大変♫。
「ドングリは好き。でも虫は嫌い」というのが、今時の普通の子どもたちの感覚だ。しかし虫好きの反応は違う。そもそも、虫好きがドングリを拾う理由は、どんな虫が出てくるか楽しみだからだ。
しかし、ドングリ拾いの際の注意点は、虫嫌いでも、虫好きでも同じだ。まず、枝ごと落ちているコナラのドングリには、たいていハイイロチョッキリというゾウムシの仲間の幼虫が入っている。このチョッキリはなぜか、産卵した後のドングリを枝ごと切り落とす。
単独で落ちているドングリの場合は、小さな穴が開いていれば、中に幼虫がいる。大きな穴が開いていれば、幼虫が脱出した跡だ。幼虫の種類はシギゾウムシの仲間が多いが、蛾のこともある。
虫嫌いの人は、そういうドングリを捨てるが、虫好きはそういうドングリばかりを集める。よくゾウムシの幼虫が出てくるドングリは、コナラ・ドングリとクヌギ・ドングリ。特にクヌギは要注意だ。
コナラ・ドングリからは、コナラシギゾウムシが出てくることも。長い口(口吻)が、シギゾウムシの仲間の特徴。
虫嫌いの人は、虫が出てこないように、ドングリを冷凍したり、熱湯に漬けたりする。中には電子レンジで加熱する人もいる。その場合、虫は死ぬが、ドングリが爆発してさらなる大惨事を招くことが多いので、お勧めはしない。
虫好きは、ドングリの下に土を敷いたりして、出てきた幼虫を大切に育てる。しかし、土の中の蛹が成虫になるのは、翌年の夏。あまりにも気の長い話なので、普通の人々は、こんな面倒な趣味に手を出さない方がいい。