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「弾丸はトランプ氏の耳の上部を切り取った。ひどい出血だったのでいじると...」医師が語った耳の状態

飯塚真紀子在米ジャーナリスト
共和党全国大会に姿を現したトランプ氏。白いガーゼの下はどうなっているのか?(写真:REX/アフロ)

 ペンシルベニア州の選挙集会で起きた暗殺未遂事件から2日、7月15日、トランプ氏が、ミルウォーキーで開幕した共和党全国大会で正式に共和党大統領候補の指名を受けた。姿を現したトランプ氏は威勢の良さを見せていた銃撃前までの姿とは打って変わり、穏やかで落ち着いた様子。トランプ氏の中で何か大きな変化が起きたのだろうか? 耳を撃たれたことが、トランプ氏に変化をもたらしたのか? その耳には白いガーゼがつけられていた。

 気になるのは、その白いガーゼの下が今どうなっているのかということ。撃たれた耳は今、どんな状態なのか?

耳の上部が切り取られ、ひどく出血

 そんな疑問に答えているのは、トランプ政権下、ホワイトハウスでトランプ氏の専属医を務めていたロニー・ジャクソン氏(現在は、テキサス州選出の米下院議員)で、今もトランプ氏の医師を務めている。事件のあった選挙集会にはジャクソン氏の甥も参加、トランプ氏の近くに座っていたことから、銃弾の破片か何かが首に当たり軽傷を負ったという。事件後、すぐに現地に飛んだジャクソン氏が、ポッドキャスト「ベニー・ショー」に出演して、トランプ氏の耳の状態についてこう語った。

「トランプ氏はラッキーだ。弾丸は頭から十分離れていたので、弾丸による衝撃は受けていませんでした。弾丸は耳の上部を少しだけ切り取りました。弾丸が通り抜ける時に、耳の上部が少し欠けたのです。耳は血管が密集しているため、ひどく出血していました」

 弾丸がトランプ氏の耳の上部を貫通したため、耳から大量な出血が起きたというのだ。また、出血しやすい状態であるとも話している。

「今朝はしっかり包帯を巻きましたが、ナイフや刃物で切ったようなきれいな裂傷ではないから、また出血しやすいのです。いじるとまた出血し始める状態なので、包帯を巻きました」

 ジャクソン医師は、トランプ氏の耳は特別なケアや治療をせずとも自然に治癒するが、しばらくは包帯を巻いたままになるだろうとの見方を示している。

「神のご加護」との声

 ジャクソン医師の見方に対して、Xでは神に感謝する声が上がっている。

「神のご加護だ。1インチの違いで助かった」

「神が介入して助けてくれたんだ」

「私は信仰心はないが、トランプが撃たれたと初めて聞いた後、祈りを捧げた。本当に神が介入してくれたんだと思う」

「な​​んという奇跡!  神様はなんて素晴らしいの」

 一方、耳の負傷を疑うような陰謀論的な見方をする声もあがっている。

「ガラスの破片だったんだよ。耳を見せてほしい。負傷した耳の写真を見せてほしい。彼は見せないよ。負傷していないからだ。AR-15で撃たれていたのなら、耳の一部がもぎ取られていただろう」

 奇跡的に助かったトランプ氏が神格化されることを懸念する声や、奇跡を陰謀と捉える皮肉な声も上がっている。

 トランプ氏は大会最終日の18日に指名受諾演説を行うが、おとなしくなったようにも見えるトランプ氏がどのようなことを話すのか注目される。

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在米ジャーナリスト

大分県生まれ。早稲田大学卒業。出版社にて編集記者を務めた後、渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会、トレンドなどをテーマに、様々なメディアに寄稿している。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲル、ジム・ロジャーズなど多数の知識人にインタビュー。著書に『9・11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社刊)、『そしてぼくは銃口を向けた」』、『銃弾の向こう側』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社刊)、訳書に『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社 )がある。

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