ソニーがPS5値上げやPS5 Proの高価格につき説明。「スイッチ2(仮)」は約6万円~のウワサも
ソニーがPlayStation 5シリーズの新たな価格設定を発表したことにつき全世界、特に日本で批判が渦巻いています。
まずドライブ搭載版のPS5が7万9980円(税込、以下同)となり、直近の6万6980円から1万3千円もの値上げ。そしてPS5 Proは11万9980円で、ドライブがないのに通常モデルより4万円も高いという具合です。
なぜ、特に日本で反発が燃えさかっているかといえば、米国ではPS5が一度として値上げされたことがないからです。一貫してドライブ搭載版は500米ドルのまま、なのに国内価格は上がるばかり。
最新の価格では1ドル=145円のレートであり(以後、税抜で換算)、9月中旬の実勢である140円前後よりも円安に設定されています。そしてPS5 Proは1ドル=155円! さらに今後、米FRBが利下げすることは確実で、ますます円高が進んでいくはずです。
これに対して、メディアがソニーにツッコミを入れるのは当然の展開でしょう。さっそく日経新聞はソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)でPS事業を担当する西野秀明CEOに話を聞いています。
PS5の値上げにつき、西野氏いわく「値上げというより価格変更と捉えている」とのこと。そんな言い換えをした直後に「ただ値上げで売り上げを確保することで販売施策やプロモーションにお金を回していくことを積極的に考えていきたい。値上げして得た収益は再投資に充てる」と再び「値上げ」に戻しています。
今回の発言で注目すべきは、値上げした真の意図をチラッと語っていることでしょう。
「PSは全世界共通のハードを出している。転売対策の狙いもあるが、グローバルで均一なバリューを提供するのが大事だと考えた」とのこと。グローバルで均一なバリューとは「実際の為替レートと各国の価格との差が極端に開かない」ということであり、転売屋が儲けられないようにするのと同じ意味でしょう。
実際、値上げ前の6万6980円では1ドル120円レートであり、転売屋は円安のもとで「日本で買って海外に持っていく」だけで利益が出ていました。それを封じるための国内価格アップというのは、一応は筋が通っています。
もっとも、少し前からPS5はどの小売店でも余裕で手に入り、品薄とはほど遠かったので、これを前面に出すわけにはいかないのでしょう。
PS5 Proは最新のレイトレ技術搭載、数千ドルのゲーミングPCよりもお買い得との説明
次にPS5 Proの価格については、米国でも約700ドルで、通常モデルと比べて200ドルのアップです。日本よりも生やさしい状況ですが、それでも「高すぎる」との声が轟々とあがっているようです。
PS4とPS5のリードアーキテクトであるマーク・サーニー氏(『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』開発にも参加)は、この価格が割高どころか実に安く、お買い得だと技術的に説明しています。
米CNETの取材に対して、サーニー氏は「他のAMD GPUではまだ使われていない」レイトレーシング技術を搭載すると主張。AMDとは、PS5/PS5 Proのプロセッサーを供給している半導体企業のことです。
このレイトレ技術は「AMDがロードマップアーキテクチャの次のステップとして作成した、新しく高度な」ものであり、他のAMD製GPUにも使われていないとのこと。要はAMDの全面協力のもとで開発されており、最新のRadeon RX 7900 XTXチップ搭載グラボ(市場価格16万円~18万円)の先を行っているということです。
ネットでよく見かける声は「PS5 Proを買うぐらいならゲーミングPCを買った方がオトクなのでは」というものです。最近では『Ghost of Tsushima』などPlayStationタイトルも続々とPCに移植されており、そうした意見が出るのも無理のないことでしょう。
が、サーニー氏はPS5とPCで遊べるタイトルが被っていることは「ボーナス」だと主張。「PS5 Proでは、ゲームがハイエンドPCで提供されているため、数千ドルのPCで何ができるかをみて、PS5 Proに遊びたいゲームを選べます」とのこと。
ザックリ言えば、超高価なPCと同レベルの表現力でゲームを楽しめるから、700ドルでもお買い得だと分かると示唆しているようです。
裏返せば、PS5 Proのターゲットは「ゲーミングPCを欲しいと思っているユーザー」なんでしょうね。日本では思い描かれやすい「子供も気軽に遊べるゲーム機」とはイメージがかけ離れているかもしれません。
そんなソニーの強気価格が相次いだなか、Nintendo Switch後継機がおそらく400ドルになるとの噂話が飛び出しています。
P5 Proの発表が9月10日だと的中させたリーカーが、「任天堂が10月上旬にSwitch2を発表し、おそらく400ドルになる」と予想している次第です。
同リーカーは2つのSKU、つまり2種類のモデルが出るとも主張。これに先立ち、ダウンロード専用モデルが399ドル、カートリッジ対応モデルが449ドルという噂話もありました。
このうち安い方でも約400ドル=5万6000円、税込なら6万円以上となります。たとえ6万円スタートとしても、ソニーの発表の後なら、ユーザーが見る目も優しくなっているかもしれませんね。