連日続く猛暑は地域に愛されているラーメン店にも影響をもたらしています。
82歳の店主は年齢と暑さを理由にこの夏の休業を決めました。
山梨県の南に位置する南部町大和で約35年続くラーメン店「峠のラーメン」です。
午前11時の開店時間にあわせて行列ができ、子どもから大人まで多くの人が詰めかけます。
お客さん:
「静岡県の富士宮から、友達にここのラーメンおいしいと聞いて」
「明日から1か月お休みされるということで食べ納めに」
人気店のラーメン店、なぜ食べ納めなのでしょうか?
店主:暑いもん。これじゃあ休みたくなる。
連日続く猛烈な暑さに本音をもらす、店主の藤原悛一さん(82)です。
藤原さんは7月31日から約1か月、休業することを決めました。
その要因の一つが「暑さ」です。
羽田明莉記者:
厨房の中を見てみると、作業をしている鍋の付近は白色の40℃近くまで温度が上がっています。
休業前最後の営業日となった7月30日の南部町の最高気温は35.2℃。南部町の7月の猛暑日は、過去10年間の平均が1.3日だったのに対し、今年は7日目です。
さらに熱気のこもる厨房の作業は82歳の藤原さんにとって身体にこたえます。
こまめな水分補給やスイカを食べるなどあらゆる対策をしていますが
藤原さん:(最初は)何日から休むって言ってたっけ、24日からか。
藤原さんの娘:なんか1回2人で熱中症みたいになったって言ってたじゃん。
時には体調不良になりながらも家族に手伝ってもらいながら営業を続けてきた藤原さん。
きのう30日は絶え間なく訪れる約80人のラーメンを作り営業を終えました。
藤原さん:疲れたなぁ (ノンストップですもんね)そう。休みなくだもんね。
1か月の休業には、健康に気を付けて長く店を続けてほしいという常連客の言葉もありました。
藤原さん:お客さんが来てくれるから、夢中でやってる、夢中で。
「ありがとう、またね」
猛烈な暑さが峠を越えるまで地域に親しまれる味とはしばしのお別れです。