侵掠するは彼にあり
宇宙人が侵掠の意思を示して一〇年以上が経つ。
亜光速で迫る彼らは未だ地球に到着しない。
技術で劣る地球陣営は軍事力をつけようとするもの、あくまで和平を望むものと別れたものの彼らの歩みを止めることはできない。なら議論は一度取りやめ休もうか。そこに満開の桜がある。どうだ一献。オツじゃないか。
光を求めて進む星の船。
死ねば戻ろうあの陽へ。
かつて目蕩んだ陽の光がそこにある。
地球の民よ。我らは陽を望む。
さあ、その場を明け渡しておくれ。
少しの間微睡みたい。宇宙の風は冷たくて。
敵対する者たちの世代を超えた奇妙な友情。ぜひご覧ください。