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素人さんの自作VRに嬉々として飛び込んでいくやつなんて狂ったやつしかいないんだ………
バグ満載のシステム、尖ったコンセプトの仕様、実装されていないログアウトボタン、ウッ頭が………
新しいゲームが投稿されると、掲示板の住人たちは喜んで飛びつくんですがゲームを少しプレイするともう阿鼻叫喚の地獄絵図になっててほんとに笑います。システムの穴をついてPvPを始めたり、みんなが魔法連発してゲーム内世界が崩壊したり、ダメージフィードバック中毒者がワラワラ湧いてたり狂った世界観ですが、予測がつかない展開でテンポよく進むのでとても読みやすく楽しむことが出来ます。

そうはならんやろ、とツッコミつつも、なんかVRとか自作できるようになったらありそうなバグもあって、とても面白かったです。
本編のストーリー(オチ？)もしっかりついてるので、ぜひ読んで欲しいです

ＶＲゲーム自作板には、今日も素人制作者の自作ＶＲゲームが投稿され、板の住人たちは意気揚々とその不具合満載、斜め上の発想だらけのＶＲゲームに突貫する。

謎仕様で即死してクソゲー認定し、頻繁にログアウトを封じられてデスゲームに取り残されつつも、スローライフを謳うゲームでＰＫの方法を模索し、仕様の穴をついた戦術でゲーム内ランキングの覇を競い合う。
そしてそのすべてを掲示板で共有して盛り上がる。

投稿されるゲームも、大胆で大味で謎の発想で、素人制作の魅力たっぷりで、掲示板の住人たちも無駄にチャレンジ精神旺盛で、素人制作のゲームの遊び方をよくわかってて、今日もクローズドサークル内は阿鼻叫喚で楽し気だ。

読むとゲームの楽しみ方を思い出す、そんな小説でした。

誰かの自作ＶＲゲームを遊ぶ、「Untitled-774（名無しさん）」たちの交流の記録。
コンセプトの絶妙な尖り方、自作故出てくるシステムの穴、ゲームが進むと明らかになるおかしな仕様。それらに挑む名無しさんたちのマウントの取り合いからの大事故や予想外の仕様に蹂躙されての阿鼻叫喚。
ＶＲだから痛覚や味覚や嗅覚まで総動員して大惨事になったり、逆に雑に相手や自分を傷つけて効率プレイしたり対人戦での有利を取りに行ったり。
テンポ良くゲームが始まり、テンポ良く大惨事になる。それを全員で共有して盛り上がる。近未来の娯楽を古き良き匿名掲示板文化で楽しむ、「なんかありそう」な笑える奇ゲープレイ実況と懐かしいわちゃわちゃ感を楽しめる素敵な作品です。

個人的に、この題材で「これで完結だ」と納得できる綺麗なオチを設けたのが見事でした。発想・伏線ともに脱帽です。
匿名掲示板ネタが好きな人にはオススメの作品です。