このタイトルが、世界観を表現しきっていて素晴らしい。
「おっさん」は「おっさん」だろうが「オッサン」だろうがまあ、「おっさん」でしかないのだが、
「美女」が「びじょ」になると、ふわっとした感じに綺麗に収まってしまう。
さらに、接続詞の「が」これがなんというか、素晴らしい。
「おっさんと美女」や「おっさんが美女」だといまひとつグッと来ないものが、「おっさんがびじょ。」
もう題名だけでぐっとくる。凄い!素敵。
内容はVRMMO物にありがちな強引なカタルシスの発揮も、鬱屈した呪詛のようなルサンチマンもないが、正直安心して、楽しく読んでいられる。
ほのぼのとした世界観、主人公とヒロインの絶妙な距離感、かみ合ってるのだけれど、どこかずれてる軽妙な会話。
「おっさんがびじょ。」
この「ひらがな」で描かれたふわりとした題名は、そのままこの作品の世界観になっている。脱帽するしかない。
疲れた時に、にこにこしながら読んでいられる、素敵なお話だと思う。