だけど私は現金だけでまだ良かった。
私の友人は財布ごとやられた。
友人は病気持ちで、盗まれた日が通院日だったのが最悪だった。
保険証、キャッシュカード、学生証、運転免許証、勿論現金も全滅。

彼女の怒りは凄まじいものだった。
というのも、ロッカーは各自で鍵を付けているのだけど、
友人は4桁のナンバーロック。短い時間では解除不可。
同じロッカーを使ってる同級生以外に犯人はいない。

恥ずかしいことに、学内は隠蔽体質でこれまで多くの
生徒が警察に行かないよう指示されていた。
しかし友人は個人の権利だと警察へ。
幸いにも友人の鞄は指紋が取れるタイプで
バッチリ指紋が取れたらしい。

そしてクラス内で自作プリント配って指紋提供求めた。
すると明らかに顔色悪くした同級生が1人。皆思った。
あ、あいつかと。
「指紋取れたそうです。盗まれたもの、取り返しましょう。」
←これ見りゃ終わり悟りますよね。

その後こっそり犯人は友人の所へ許しを請いに行ったそうですが、
友人はそれを録音して警察へ直行。
あとは彼女が警察に呼ばれ、指紋取って、犯人と確定。
親御さんが全てを弁償し、慰謝料も払う代わりに
被害届を出さないでと友人に懇願。
それもそうだ。前科付いたら、資格が取れないのだから。

しかし彼女は突っぱねた。
保険証を取られ、当座のお金も取られ、
お金を下ろせない状況に追い込まれた結果、
病院に行けず病気が悪化し短期とはいえ
入院に追い込まれたのだ。

「散財もしてないのに、
　自分のバイト代すら引き出せないなんて。
　あんな惨めなことない。
　絶対許さない。やったことの責任は取れ」

結局、あまりに件数多過ぎたのか
前科付いた犯人は資格取れなかった。
親御さんは土下座に通ったそうだが、
「たった一回の過ちを…」
なんて言ったもんだから火に油。

友人は怒り過ぎて呼吸困難になってまた病院へ。
友人の修羅場が可哀相すぎる…