先日時間を取れたので日本食材の買い出しがてら九州に行ってきたのですが、趣向を変えて釜山・博多間に就航している高速船ビートルを利用してみました。
高速船ビートルは "ボーイング929"
航空機メーカであるボーイングが元々は軍用に開発した高速船で、船の下に装備されている翼によって航行時は船体が浮上して水の抵抗を減らして高速航行を可能にする、所謂「水中翼船」。下の写真は門司の九州鉄道記念館を訪れた際に上映していた画像を写真に撮ったもので、船体が浮上している様子が分かります。
エンジンは普通の船では一般的なディーゼルではなくガスタービンエンジンで荒っぽく言えばジェットエンジンの一種。船体がアルミ製というのも航空機との近似性を感じます。
旅客機の777や787など、ボーイング製飛行機と同じように"929"という三桁の機種名が付けられています。つまり、ボーイング929。尚、日本で運行されているのはボーイングとのライセンス契約に基づいて川崎重工が生産したものです。小生、飛行機マニアですので、今回はこの「ボーイング929」に乗ってみたくて船のルートを選びました。
先ずは釜山へ
先ずはKTXでソウルから釜山に移動。ビートルの釜山発は14:00、余裕を持って12:00頃には釜山に着く列車を利用しました。ソウル駅にて。
特室(グリーン車に相当)を利用しました。ネットで早目に購入すれば一般車との差額は2万ウォン(≒2千円)程度。
KTXの良いところは手荷物置き場があることで、日本の新幹線も見習って欲しいものです。今回は日本で色々買い出しをしたいこともあって大型のスーツケースを持って行ったので助かりました。尚、KTXは特室ではない普通車にも荷物置き場が有ります。
ソウル駅のコンビニで買ったおにぎりと、お~いお茶で朝食。既に気分は日本であります。
釜山に到着
2時間ちょっとで釜山に到着。
釜山駅にて。
釜山フェリーターミナルへ
釜山駅からフェリーターミナルへはシャトルバスも出ているようですが徒歩でも行けます。10分程度の距離なので私は歩いて行きました。
フェリー旅客ターミナルビル。何か煙ってますがオッサンが何やらゴミらしきものを燃やしている煙(恐らく違法)。
ターミナルビル3階の出発エリア。各社のチェックインカウンターが並んでいます。
チェックイン開始は12:30。先ずはターミナル内の食堂で腹ごしらえします。
食べたのはシジミ汁(재첩국・ジェチョプグク)定食。
以前、釜山市内で一度食べたことがあってそれは旨かったのですが、ここはシジミの量も少なく、やや物足りませんでした。
食後、展望デッキに出てみると既にビートル号が停泊していました。
こちらは釜山・対馬を結ぶオーシャンフラワー。
2014年に開通した釜山港大橋。
釜山で出国~搭乗
そろそろ出国します。
出国前には空港と同様のセキュリティーチェックと出国カウンターがあります。写真撮影は禁止なのでここは文章のみです。流れは飛行機と同じですが、スーツケースはチェックインするのではなく自分で船内に持ち込みます。 制限エリア内の雰囲気も空港とよく似ています。
免税店もあり品揃えもまずまずでした。
制限エリアの片隅に喫煙室があります。
搭乗ゲート。
スーツケースをゴロゴロ引っ張って船に向かいます。
関釜フェリーのはまゆう。夜出航して朝到着するスケジュールで運行しています。
でかい荷物を持って乗り込む人もいます。因みに手荷物の重量制限は20kg。私は大型のスーツケースを持っていたのですがチェックインの際にしっかり重さを量られました。
出航~博多
船尾の棚に荷物を置いて着席すると、シートベルトを締めるように指示されます。過去に流木や鯨と衝突し、その衝撃で負傷者が出たことがあったようです。
エンジン始動の際には"キュイ~ン"とジェットエンジンっぽい音がして気分が盛り上がります。離岸の際には係員が手を振って見送ってくれます。
釜山港大橋の下をくぐります。
この辺りで既に速度を徐々に上げていたようですがいつ船体が浮上したのかは気付きませんでした。アジア有数の貿易港である釜山、ガンドリークレーンが並んでいます。
大型クルーズ客船が接岸していました。
外洋に出る頃には既にほぼ巡航速度に達していたようですがエンジン音はずっと静かで揺れも少なく淡々とした感じでした。
普通席の様子。船内ではワゴンで乗務員のお姉さんが巡回して飲み物や食べ物、免税品を販売します。水一本は100円、350ccのビール1本は150円。国際航路の船内なのでビールも免税です。
韓国語の単語集でちょっと勉強したり居眠りしたりするうちに福岡に到着。
この日は天候が良い方だったのか乗り心地はとても良かったです。70km/hちょっとの速度で航行していたようですが舗装の良い高速道路を走るバスに乗っているような感じ。たまに波のうねりを超える際にふわっと上下する感覚もありますが不快感を覚えるほどではありません。面白いのは航行中に旋回する際で、飛行機やバイクのように船体が旋回方向に傾きます。
帰路の博多→釜山編に続きます。