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Bluetooth 6.0登場。気になる新機能とは?

 Bluetooth SIGは9月3日、新しいコア仕様となるバージョン6.0を発表した。Bluetooth 6.0では、正確性が高い距離測定を行なうBluetoothチャネルサウンディングのほかに、スキャン効率を向上させる決定ベースのアドバタイジングフィルタリングなどが含まれる。

Bluetoothチャネルサウンディング

 Bluetoothチャネルサウンディングは、位相ベース測距(phase-based ranging:PBR)を利用し、Bluetooth接続デバイス間で正確性が高い距離測定を可能にする技術で、Bluetoothにより自動車や家、金庫のドアの鍵の施錠/解錠が行なえるようになるほか、紛失タグとの距離測定精度が向上することで利便性が高まる。

決定ベースのアドバタイジングフィルタリング

 Bluetooth LEの拡張アドバタイジングにおいて、決定ベースのアドバタイジングフィルタリングを利用することで、スキャンを行なうデバイスはプライマリのアドバタイジングチャネルで受信したパケットの内容を使用して、セカンダリチャネルで関連パケットをスキャンするかどうかを決定できるようになる。

 これにより、アプリケーションに関連しないPDUが含まれていない可能性のあるセカンダリチャネルのパケットスキャン時間を短縮し、スキャンの効率を向上させる。

アドバタイザーの監視

 ホストコントローラインターフェイス(HCI)イベントを利用し、対象デバイスが範囲内に入ったり、範囲外になったりするたびにホストに通知するアドバタイザーの監視機能を実装。これによりオブザーバーは、以前検出されたものの、既に範囲内にないデバイスを短期間でスキャンするためにエネルギーを浪費する可能性を回避。

ISOALの強化

 アイソクロナスアダプテーションレイヤー(ISOAL)により、より大きなデータフレームをより小さなリンクレイヤーパケットで送信できるようになり、受信側でデータを正しく処理するために必要な関連タイミング情報を再構成可能になるが、フレーム化PDUが生成される場合に遅延が増加する可能性があった。Bluetooth 6.0では、遅延を削減する新しいフレーミングモードを定義することでISOALが改良され、信頼性が向上する。

LL拡張機能セット

 Bluetooth LEの高度化/多用途化でニーズが高まるより多くの機能をサポートするため、デバイスがサポートするリンク層機能に関する情報が交換できるようになった。

フレームスペースの更新

 接続イベントまたは、接続されたアイソクロナスストリーム(CIS)サブイベントで、隣接するパケットの送信を分離する時間として、これまではT_IFSとして「150µs」の固定値が指定されていたが、6.0ではこれより短くすることも長くすることも可能になった。