ペスカドールの釣りブログ
by pescador634
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スイスフィッシング 1997年
オランダ在住時代にヨーロッパ各地を旅行した。
その中でも特に気に入ったのがスイスだ。
目前に広がる山と谷はスケールが違う。
当時私が愛用していたのはペンタックスの一眼レフ。
デジタルなんかまだ登場していなかったので、完全マニュアルのフィルムのカメラ。
レンズは５０ｍｍ標準、２８ｍｍ広角、あとは中望遠。
２８ｍｍ広角レンズでも入りきらないほど山が迫ってきて、
それはそれは困ったものだった、写真が撮れないので。
食事も美味しくて、観光地も沢山あって本当に飽きない国。
そしてなんと言っても豊かな水。
どこへ行っても美しい川や湖があり、魚影が濃い。
当時から、いや、子供の頃から釣りキチだったので、どこへ行くのにも竿は
持って行くのだが、スイスでも持って行った。
ただ、スイスにも釣りの様々なルールがあり、ライセンスも必要。
ネットもない時代なので、郵便局や釣り具屋で情報を聞いて、言われるがままに
ライセンスを買う。
釣り禁止の川も多いので注意が必要だ。
魚がいそうなポイントにスピナーをキャストするとすぐに反応がある。
ある程度の規模の川であれば、ワンキャストワンフィッシュだ。
魚種はマス系がほとんど。
一度友人に借りた自転車で誰も行かないような深い谷にある川へ忍び込んだことがある。
その時はカメラがなかったので写真もないが、原始の渓流のようだった。
スプーンをキャストすると、それはそれは美しいマスがすぐに釣れた。
ただ、やはり釣りキチはどこにでもいるようで、いきなり岩陰から人が現れた。
定年を過ぎた位の品の良いおじ様で、容姿はまるで貴族。
フライロッドを片手に、ネクタイ、ハンチング帽、ジャケットまで着て、
ザ・トラディショナルフィッシャーマン的な感じだった。
私の方にまっすぐ向かってくる。そして私のスプーンを指さし、何か伝えようとしている。
英語でもなく、ドイツ語でもなく、フランス語でもなく、イタリア語でもない。
聞いたこともない言語だ。スイスには大まかに5つの言語がある。
ただ、地方の少数派の言語もあるようで、きっとそれだろう。
英語、スペイン語で対話を試みたが、だめだった。
ただ、身振り手振りで察するにスプーンのトリプルフック、もしくは
針のカエシがいけないようだ。
なんとなく理解したと身振りで伝え、釣りは止める事にした。
川によって、厳しいルールがあるようで、スイス国内での釣りは気軽にはいかない。
そうスイスは物価が高いのが有名だが、確かに高い。
だからホテルを決めるのも、荷物を持ちながらあちこち歩き回って、
立地や値段などを考慮しながら探す。
もともと高級ホテルには興味がないし、お金もないしで、小さなホテルを
チェックするのだが、どこも小奇麗でお洒落で「素敵」なホテルが多い。
そんな素敵なプチホテルでのこと。
ある朝山登りをする事になり、朝食が始まる前にホテルを出発しなければならなかった。
だから、ホテルのおばちゃんに明日は早いから朝食はいらないよ、と伝えた。
小さなホテルではお客さん1人1人に朝食を用意してくれるのだ。
ところが、翌朝の早朝出発時間におばちゃんがわざわざテイクアウト用のサンドウィッチを
持たせてくれたのである。
これには心から感動し、感謝を述べ、そして山の上で美味しくいただいた。
なんて優しいおばちゃんなんだ。スイスっていいな～。
この事が心に残り、旅の話やスイスの話題になる時、決まってこのエピソードを
語るのだが、スイス人に話したところ、ホテル代は朝食込みの値段なので、
朝食をとらないと割引をしないといけなくなる。それが面倒だし、利益も下がるので
どこのホテルでもそうする所が多いよとのこと。
確かにスイス内の他のホテルでも何度かあった気がする。
う～ん、聞かなければよかった。
俺の感動を返してくれ。
あと、スイスの思い出と言えば、大きな買い物。
場所はインターラーケンという有名な観光地。もちろん観光客で賑わっているので、
お土産屋さんや様々なお店が並んでいる。
ふと高級時計店が目に入り、なんとなく入ってみた。
ロレックス・オメガ・カルティエなど人気の時計がならんでいる。
時計はまあまあ好きという程度でそんなに興味もなかったのだが、見ていると
だんだん欲しくなる。
お店のお姉さんはとてもお上品な方で、丁寧に時計の特徴などを教えてくれる。
ショーケースの中にカッコイイ時計を発見。
試しに手にしてみると大きさも、重さもデザインもぴったり！
いいな、これ。いいな、いいな。あ～いいな。
欲しい、欲しい、欲しい。
スイスで時計を買ったら、カッコイイ。
仕事の制服にも似合いそうだ。
ここで買わないと、もう会えないかもしれない。
などと自分に言い聞かせ、買う方向へと気が進んでいく。
すいません、このカード使えますか？
ええ、もちろん！
じゃ買います！
有難うございます。スイス製生チョコをプレゼント致しますね。
やったー！
と言う事で買ってしまった。
初めてのスイス旅行で一目惚れして買ったオメガの時計は、今でも私の左手で
時を刻んでいる。
もう17年にもなる。
by pescador634
| 2001-01-28 08:58
| スイスフィッシング
|
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