モーツァルト自身が「大協奏曲」と呼んだ 3曲のピアノ協奏曲(第15番〜第17番)の一つ。規模も大きく難易度も高い。ウィーンでの人気絶頂の 1784年に書かれた。
当時モーツァルト夫妻が住んでいた館、トラットナーホーフのカジノにおける「予約演奏会」で自身が初演している。ステージ上の得意満面のモーツァルトが見えるようだ ♪
この作品も複数の演奏を聴いてみたが、9年ぶりに聴いた演奏や意外なピアニストの演奏など、いつもと違う顔ぶれの演奏を楽しむことができた ♪
第15番もそうだったが、オーケストラの規模が大きくなり、そのシンフォニックな響きの存在感も増しているので、オーケストラや指揮者の違いでも印象がかなり変わるようだ。
最初に聴いて「おっ!♪」と思ったのは、ラルス・フォークト(Lars Vogt、独、1970 - 2022)の演奏。お気に入りピアニストの一人だったが、惜しまれながら 2022年に亡くなった。
オーケストラは、ガーボル・タカーチ・ナジーが指揮する Verbier Festival Chamber Orchestra。2011年のヴェルビエ音楽祭での演奏のようだ。
柔らかく深い音で実に素晴らしい演奏なのだが、実は最初にラルス・フォークトの名前を知ったとき(最初に演奏を聴いたとき)に一番気に入った演奏そのものだったのだ ♪
そのとき書いた感想が下記。この印象は今回もほとんど変わらない。
「モーツァルトの協奏曲20番は、やさしく丁寧な演奏で好感が持てるが、やや物足りない。しかし、16番の方は素晴らしい。規模の大きな室内楽を聴いているかのように、ピアノとオーケストラの息がぴったり合っている。それでいてピアノ(の音色)の存在感はしっかりして美しい」
《ラルス・フォークト:B+(Pianist Check)》 2015年4月6日
《ラルス・フォークトさん、早すぎる死を悼む…》 2022年9月7日
で、少し意外?だったのは、リーズ・ドゥ・ラ・サール(Lise de la Salle、仏、1988 - )の演奏。ジャナンドレア・ノセダが指揮する Royal Stockholm Philharmonic Orchestra との共演。2021年の録音。なかなかキレがあり気持ちの良い演奏だ ♪
このピアニストの演奏を最初に聴いたのは 6年ほど前。そのときの感想は「よく分からない」だった…(^^;)。悪くはないが、とくにお気に入りポイントはない…といった感じ?
《リーズ・ドゥ・ラ・サール Lise de la Salle 手がかわいい…?》 2018年7月2日
なので、今回も聴くのはパスしようかと思ったのだが、念のために?聴いてみたら、これがなかなか良かったのだ…(^^;)♪
来年のヴァン・クライバーンでは審査員も務めるようなので、けっこう一目置かれる?ピアニストになってきた…ということなのかな?
そして、第15番で見つけたクレア・フアンチ(Claire Huangci、米、1990 - )の演奏も聴いてみた。これも、軽快で活きがよくていい感じだ。オーケストラは、ハワード・グリフィス指揮の Mozarteumorchester Salzburg。
元の CD は「次世代ソリストによるモーツァルト」シリーズの 1枚(Vol.5)。
参考:
✏️ピアノ協奏曲第16番 (モーツァルト)(Wikipedia)
✏️ピアノ協奏曲 第16番 ニ長調 K.451(Mozart con grazia)
✏️モーツァルト時代の演奏会(musiquest)
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