身長は人生にどのような影響を及ぼすのか
皆さんは3高という言葉をご存じでしょうか。3高は「高学歴」「高収入」「高身長」を意味しており、バブルの頃に望ましい結婚相手の条件として流行ったものです。
この3高は現代でも影響力があるのかという点について、前回の記事で取り上げましたが、意外にも「高身長」のインパクトが大きいことがわかっています。
そこで、今回の記事では「身長」の影響について、より深堀りしてみたいと思います。
実はこの身長ですが、結婚だけでなく、仕事や幸せといった人生のさまざまな側面に影響することがわかっています。そして、多くの学術研究の結果によれば、高身長の人ほど得をしているのです。
以下で身長が人生に及ぼす意外な影響について、詳しく説明していきたいと思います。
アメリカよりアジアのほうが身長と所得の関係が強い
身長と仕事の成功に関して、数多くの学術研究の蓄積があります。
まず、所得との関係を見ると、身長が高い人ほど所得が高いことがわかっています。この傾向は国によって異なっており、欧米と比較してアジア地域ほど上昇幅が大きくなっています(*1)。具体的には、アメリカでは身長が10cm高くなると、所得が約4%伸びますが、アジア地域では所得が約9%伸びることがわかっています。
世界的に見て相対的に身長がやや低いアジア地域では、高身長の価値が高いと言えるでしょう。ちなみにこのような身長と賃金の比例関係は、「身長プレミアム」と呼ばれています。
この身長プレミアムですが、絶対的な身長の高さだけでなく、他の人と比べた際の相対的な身長の高さからも影響を受けることがわかっています。私たち人間はどうしても他の人と自分を比較してしまうため、周りの人よりも自分の身長が高いのか、それとも低いのかという点が影響してくるわけです。
ドイツの研究によれば、平均身長と比較して自分の身長が高い場合、男性の所得が約4%増加することがわかっています(*2)。また、平均身長と比較して自分の身長が低い場合、男性の所得が約3~6%低下していました。これらの結果が示すように、身長でも「他の人と比較して自分が上か下か」という点が影響してきます。