パリ五輪を控えるU-23日本代表は、3日に大会メンバー18名とバックアップメンバー4名を発表した。

18名は全員が予選で招集された経験のある選手でそれ自体に驚きはなかったが、一方でこの世代のスター選手だった松木玖生(FC東京)が外れるというサプライズもあった。

松木の選外は「海外移籍の可能性があるため」とされる。真相はさておき、海外移籍の敷居が低くなった現代ならではの事情といえるだろう。

そこで今回は、もともと世代屈指の才能とされながらパリ五輪18名のメンバーに含まれなかったヨーロッパ組の日本人選手をその理由も交えてご紹介しよう。

久保建英

生年月日:2001年6月4日(23歳)
所属クラブ:レアル・ソシエダ(スペイン)
招集回数:0/17

東京五輪でメダルを逃し人目を憚らず号泣した久保建英は、年齢的にはこのパリ五輪世代だ。

ただすでにヨーロッパで実績を重ね、A代表にも定着している彼はこのパリ世代の代表には発足から一度も招集されず。本番のみメンバー入りすることも考えられたが、所属クラブからOKが出なかった。

久保も5月の時点で「クラブが大前提として、難しいよっていうので僕も納得してるって感じですね」と話している。

鈴木唯人

生年月日:2001年10月25日(22歳)
所属クラブ:ブレンビー(デンマーク)
招集回数:11/17

鈴木唯人は間違いなくこのU-23代表のエースであり、本来であれば「10番」としてパリ五輪に参戦するはずだった。

ただ昨夏デンマークのブレンビーに移籍して以降は状況が激変している。特に今年に入って爆発的にゴールとアシストを量産したため、シーズン佳境の時期に行われたU23アジアカップへの招集はかなわず。

今やヨーロッパの強豪クラブが注目する“人気銘柄”となっており、今夏の移籍報道も出る中でメンバー入りさせることができなかった。

鈴木彩艶

生年月日:2002年8月21日(21歳)
所属クラブ:シント=トロイデン(ベルギー)
招集回数:10/17

前回東京五輪のメンバーに飛び級で選ばれていた鈴木彩艶は、このパリ世代の守護神を務める予定だった。

ただ今年はA代表のアジアカップで所属チームを長期離脱した事情もあり、U23アジアカップは選外に。直前のアメリカ遠征で復帰したため、パリ五輪には出場するものと思われたが18名から外れサッカーファンを驚かせた。

発表直前にパルマへの移籍が報じられており、それが選外の理由だと考えられている。一方、U23アジアカップで小久保玲央ブライアンが大活躍したことで控えになる可能性もあったため、無理に招集する必要がなくなったという側面もあるだろう。

チェイス・アンリ

生年月日:2004年3月24日(20歳)
所属クラブ:シュトゥットガルト(ドイツ)
招集回数:5/17

このパリ世代のU-23代表が発足した最初のメンバーの一人だったチェイス・アンリ。発表前最後のアメリカ遠征にも呼ばれていたが、メンバー入りとはならなかった。

高卒後に加入したシュトゥットガルトではセカンドチーム(4部)で経験を重ね、今年に入ってブンデスリーガでのベンチ入りが増えている。ただトップデビューとはならず、4~5番手だった代表での序列をひっくり返せなかった形だ。

先月には今夏までとなっていたシュトゥットガルトとの契約を延長した上でローンに出されると報道されていたが、新シーズンはどこでプレーすることになるだろうか。