韓国南東部の深海にあるとされる石油・天然ガスを巡り、オーストラリアの資源大手ウッドサイド・エナジーが「将来性がない」として共同探査事業から撤退していたことが、6日分かった。これについて、韓国政府は報道資料を出して釈明した。
ウッドサイドがホームページで公開した2023年の半期報告書によると、同社は「探査ポートフォリオを最適化する過程で将来性のない鉱区を排除した」とし、その対象の一つとして「韓国」を挙げた。
同社は07年から16年まで、先ごろ韓国政府が大規模な石油・ガス埋蔵の可能性が高いと発表した鉱区で韓国石油公社と共同探査を行った。
この過程で石油が産出される可能性のある「有望構造」が発見されると、19年に石油公社と共同で韓国政府から鉱物を掘採し、取得する権利を確保して深海探査に乗り出したが、昨年1月に事業から撤退した。
これに対し韓国産業通商資源部は、ウッドサイドが22年6月にオーストラリアの資源大手BHPと合併し、既存の事業を整理する中で事業撤退に至ったと説明。ボーリング調査の前段階である有望構造化段階まで至らずに撤退したとして、「ウッドサイドが有望構造に対する深層評価によって将来性がないと結論を下したという解釈は事実関係に合致しない」と強調した。
(引用ここまで)
オーストラリアの石油大手ウッドサイドエナジーはうちでも知っている大手グループです。
石油、天然ガスの開発・生産・販売を行っています。
ニューヨーク株式市場にもADRで上場していますね(ティッカーWDS)。
そのウッドサイドエナジーが、例のユン・ソンニョル大統領が大々的に発表した、海洋ガス田について「採算が取れない」として撤退していたことが判明。
しかも、採掘権を50%確保したにも関わらず、撤退を選択していたと。
こういった形で「とりあえず唾つけておこう」ってやりかたは油田・ガス田開発ではよくあること。
大化けしたら儲けもんくらいの扱いですね。
それなのにあっさりと撤退したと。
韓国ではこの迎日湾ガス田、とんでもなく大きなものであるとの話になっていまして。
「世界最大級のものである」とか産業通商資源部長官が記者会見で述べているほどになっています。
韓国産業通商資源部長官「迎日湾ガス田、南米よりも規模大きく世界最大の可能性」(中央日報)
もう、お母さんガエルくらいに期待を膨らませている状況です。
一応、韓国政府側もウッドサイドエナジーが撤退していることについては把握しているようで、「ウッドサイドエナジーがボーリング調査前に撤退している。今回の発表は物理探査を行った上でのもの」としていますが。
さて、その一方で「有望だ」との調査結果を伝えてきたアメリカのアクトジオと名乗る企業がペーパーカンパニーなのではないかとの疑惑があります。
米アクトジオがペーパーカンパニー? オーナーがきょう訪韓「浦項油田はチャンス」(中央日報)
家庭が本社、年間売上3,700万ウォン?「アクトジオ」論議の中で訪韓(MBC・朝鮮語)
登記されている場所は住宅街だったとか、登記内容は従業員ひとりでかつ業種が「職業訓練」であったりと怪しいことこの上ないと。
ただ、そのひとりの従業員(オーナー)は業界の有名人とのことで。
なんかこう末期ガン患者が「それでもなんとかして……」って標準治療以外の治療方法を探しているかのような感触があります。
イ・ミョンバク政権時代に大々的にやっていた資源外交の二の舞になりそうな感じなんだよなぁ。これまでのパターンからして。
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