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韓国経済:望まない失職者が123万人、求職もせず休んでいるだけの30〜40代が244万人、そして最低賃金を受け取れない労働者が300万人……うん、まあ不況だね

カテゴリ:経済 コメント:(39)
韓国で「望まない失職」123万7千人…最も増えたのは40~50代(ハンギョレ)
 韓国で職場の廃業や解雇といった理由で職を失った非自発的失職者の増加幅が、5カ月連続で拡大している。2年あまり続いてきた良好な雇用環境が崩れつつあるようだ。

 18日に野党「共に民主党」のファン・ジョンア議員室と立法調査処が統計庁の雇用動向ミクロデータを分析した結果を確認すると、先月の非自発的失職者は前年同月と比べて16.9%増の123万7千人を記録した。

 非自発的失職者は対前年同月比で5カ月連続で増加している。今年1月には2.3%減少していた非自発的失職者は2月(4.3%)に増加に転じ、3月5.9%、4月6.9%、5月14.7%、6月16.9%と集計されている。

 意に反して職を失った人々が増え続けているのだ。非自発的失職者とは、通っていた職場が廃業した、仕事が減った、解雇されたなどの他意によって職を失った人を意味する。家事、子育て、給与に対する不満などを理由に自発的に仕事を辞めた人は含まれない。

 年齢層ごとに見ると、50代の非自発的失職者の増加幅が27.1%で最も大きく、40代(20.7%)がそれに次いだ。青年層(15~29歳)の非自発的失職者も前年同月に比べ17.8%増の22万7千人にのぼる。3月(1.1%)、4月(8.2%)、5月(16.5%)と増加幅も拡大している。

 産業別に見ると、製造業(43.4%)、建設業(34.1%)、情報通信業(42.3%)などで非自発的失職者が大きく増えている。卸売・小売業でも33.7%増、宿泊・飲食店業でも24.4%増だった。内需の低迷が雇用の減少につながったとみられる。専門科学・技術サービス業でも非自発的失職は21.7%増だった。
(引用ここまで)


 韓国で「望まない失業者が増えている」とのニュース。
 去年から韓国は「21世紀以来、最悪の不況」を迎えていますが、それが雇用関連の数字にも出てきたな……といったところ。

 企業としては正社員を削ることはそうそうしたくないのですよ。
 雇用の調整弁としては非正規でなんとかして、正社員を削るのは最低限にしたい。
 あるていど技術やノウハウを持っている社員を辞めさせたら、景気のよくなった時に再雇用できるかどうか分からないからです。
 でも、もはや「そんなこた言っちゃらんねえんだよ」ってレベルに突入しつつある。


 その証左といえるのが「製造業、建設業、情報通信業」といった韓国において「質のいい雇用」とされている部分で解雇が増えている部分。
 いや、建設業は不動産不況が続いているから当然か。
 製造業で雇用が減っているのはもう相当にきつい状況が続いているからと判断すべきなのでしょう。

 求職することもなく、「ただ休んでいる」だけの30、40代が240万人を突破し、望まない失職を迎えたのが123万人。
 ついでに最低賃金をもらえていない労働者が300万人

 まあ、普通に考えれば「景気がいい」わけがないですよね。
 失業率そのものは低くても、韓国の場合であればいくらでも補正が効くのですし。

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韓国で廃業する自営業者が100万人近くに……前年から13.7%増の背景には「もはや韓国の内需は自営業者を支えられないまでにやせ細っている」事実が

カテゴリ:経済 コメント:(56)
「もう限界」…韓国で廃業する自営業者が100万人に迫る(ハンギョレ)
 韓国で昨年1年間に廃業を届け出た事業者の数が100万人近くにのぼったことが分かった。前年からの増加数は過去最大の約12万人に達した。高金利の長期化や内需の低迷などがその背景としてあげられる。廃業した自営業者の労働市場への再参入を誘導する対策が急がれると指摘される。

 15日に国税統計年報を確認したところ、昨年1年間に廃業を届け出た事業者は98万6487人。年間廃業者数は2019年の92万2159人から2020年には89万5379人に減り、その後は2022年まで80万人台を保っていた。しかし昨年は100万人近くにまで急増。総事業者数に占める廃業事業者の割合も、2019年の11.5%から2020年10.3%、2021年9.6%、2022年9.0%へと徐々に低下していたが、昨年は9.9%へと上昇した。

 廃業届けが多かったのは内需と直接関係する業種。昨年の小売業の廃業者数は27万6564人で、前年に比べて29.0%増。廃業自営業者数全体の増加率(13.7%)の2倍を上回る。続いてサービス業の廃業事業者数(21万8002人)の増加率も17.7%と大きく、飲食店業(15万8328人)と建設業(4万8631人)もそれぞれ16.3%と15.9%で、増加率が平均より高かった。韓国労働研究院のイ・ビョンヒ先任研究委員は、「廃業事業者数が増加したのは、内需の低迷と高金利に持ちこたえられなくなった自営業者が増えたためとみられる」と語った。

 廃業事業者数は今年も増える可能性が高い。統計庁の経済活動の人口調査マイクロデータを分析したところ、今年上半期の失業者のうち過去1年間に自営業者として働いていた人の数は、月平均で2万6千人だった。昨年上半期(2万1千人)に比べて23.1%もの大幅増だ。今年上半期の非経済活動人口のうち直近の1年間に自営業者として働いていた人の数も月平均で26万8千人で、昨年同期に比べて6.0%増加していた。非経済活動人口とは、満15歳以上の生産年齢人口の中の、求職活動もしていない未就業者を指す。元自営業者の非経済活動人口の増加は、自営業の廃業後に再就職しない人が増えていることを意味する。 (中略)

 明知大学のウ・ソクチン教授(経済学)は、「韓国は就業者全体に占める自営業者の割合が高く(2022年で23.5%)、特に労働市場から押し出された生計型自営業者が多いことが問題」だとし、「彼らが労働市場に再参入できるようにするため、労働市場において良質の雇用を増やす対策が必要だ」と述べた。
(引用ここまで)


 韓国の自営業者の廃業数が100万人に達していたことが判明した、とのニュース。
 その理由として有識者は高金利と不景気を挙げています。
 去年の自営業廃業届が出された数で、正確には98万6487人。
 2022年は86万7292人だったので、13.7%の増加。

 楽韓Webでは「韓国の経済状況は21世紀に入って以来で最悪のものとなっている」と何度か指摘してきましたが、それを裏付ける数字がまたひとつ……といったところですかね。
 自営業者が多いのは「賃金労働から弾き出された労働者が多い」からです。
 これがイタリアとかギリシャだと「観光客が多いから自営業で食っていける。へーきへーき」ってなるんですが。
 韓国の場合はそれ以外に収入のつてがないので背水の陣を敷いてやるものとなっています。


 「チキン屋orダイ」は決して冗談ではないのですよ。多少、大げさではありますが。



 チキン屋はあくまでも「自営業者の象徴」であって、実際にはカフェだのネカフェだのノレバン(カラオケ)屋、コンビニ経営なんかも含まれます。

 まあ……「時給仕事で仕事を命じられるのがいやだ」っていう根本的な問題もあるんですけどね。
 韓国で自営業者が多いのは儒教的な側面での「肉体労働を軽んじる」「年長者が年少者からなにかを命じられるのは苦々しい」って部分も大きいのです。
 なので、コンビニの店長は「コンビニで店長するよりも店をたたんでアルバイトしたほうが稼げる」とかいいながらもやめないでしょうけどね。

 それでも韓国で「自営業者100万人廃業時代」はかなりのインパクトがある数字です。
 もはや韓国の内需は自営業者を支えることができなくなっている。
 相当に厳しい経済状況が続いている、と理解していただけるのではないでしょうか。

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韓国不動産地獄:「住居としても使えますよ」として販売された宿泊業用不動産オーナー、「住居としては使えない! だまされた!」として不動産ディベロッパーとの訴訟沙汰に……裁判所は「違法とまではいえない」と棄却するものの……

「実居住可能だと言っていたのに今更」…。家主ら「超非常事態」(韓国経済新聞・朝鮮語)
全国の主要生活宿泊施設(レジデンス)で分譲契約者と建設会社間の法的紛争が相次いでいる。 政府がオフィステルなどに用途変更せずに住居目的で使用するレジデンスを不法と見なすと刀を抜いたことが発端となった。 実居住が可能だという言葉だけを信じて分譲を受けたので、施行・施工会社が責任を負わなければならないというのがレジデンス契約者の主張だ。

最近、建設会社に軍配を上げた裁判所の判決が出て関心を集めている。 だが、集団訴訟が拡散する兆しを見せ「未入居大乱」憂慮も大きくなっている。

15日業界によれば仁川地方裁判所は先月仁川のあるレジデンス分譲契約者が施行会社などを相手に提起した「契約金返還請求訴訟」で原告敗訴判決した。 住居施設目的でレジデンスを分譲された所有者が起こした訴訟だ。 オフィステルに用途を変えずにレジデンスを住居施設として使えば、来年から毎年履行強制金を払わなければならない。 しかし、駐車場や廊下の幅などの規制で用途変更が現実的に容易ではない。

原告は「分譲担当職員がレジデンスに実居住が可能だと言った」として「故意に契約者をだました」と主張した。 しかし裁判所は分譲契約書にレジデンスが非住宅商品である点を明示し、一般住居用建築物との違いを摘示したという点に注目した。 何より裁判所は「居住または住居用途に賃貸することが可能だと広報したとしても、多少の誇張を越えて虚偽事実告知に該当すると断定することは難しい」と判断した。 2021年建築法施行令改正前までレジデンスが事実上規制死角地帯に置かれ住宅用途に使用した事例が多かったためだ。 裁判所は「(建築法)施行令が改正されたとしてもレジデンスを長期に賃貸することが可能であり、相当期間居住する者は転入申告も可能だと見られる」とも話した。

ある施行会社関係者はこれについて「宿泊業登録をした後、長期宿泊する形で本人が住んだり賃貸を置くことが可能だという意味」とし「一種の『セルフ長期宿泊契約』形態で家主が本人のレジデンスに留まることができるという意味」と話した。 レジデンス30室以上を集めて法人を作ったり委託管理業者に任せた後、該当業者に使用料を払って宿泊サービスを受けることができるという話だ。
(引用ここまで)


 韓国でワンルーム、オフィステル、レジデンスといった形態の不動産があるのですが。
 どれもキッチン、シャワールームがあり、ほぼ同じような広さです。

 まあ、レジデンスにはスイートレジデンスとされる4〜5人向けの(日本でいうところの)マンションっぽいものもあるのですが、1人向けのアパートのようなところもあります(というかこっちがメイン)。
 で、この3つの似たような部屋ですが、法的には完全に異なる区分となっていまして。

 ワンルームは住居。
 オフィステルは事務所(住めないこともない)。
 レジデンスは宿泊業用。
 で、そのレジデンスを「住居用として販売しただろう!」として、購入者が不動産ディベロッパーを訴えたものの、裁判所は「違法とまではいえない」として請求を棄却したとのこと。


 「住居用としても使える」(ただし、宿泊業用として登録して、自分で自分の不動産に宿泊する形)として売りつけたのは違法ではない……か。
 韓国の不動産開発がめちゃくちゃなのはプロジェクトファイナンス(PF、不動産開発プロジェクトそのものを担保とする融資形態。実質的には無担保)だけを見ても理解できると思いますが。
 実際の販売現場でもだいぶめちゃくちゃだったのだろうな、とは感じられます。

 これに類する訴訟が他に14件。
 しかも中には原告が100人を超える集団訴訟もあるという。
 入居予定者がローン支払いを停止しているために、不動産企業、金融機関にまで余波があるかもしれないって最後にはあるんですが……どんだけ脆弱だ。

 記事の最後は「レジデンスも住居用として政府が認めちゃったら?」みたいなテキトーなまとめがされていますが。
 そしたら近所で賃貸に出しているマンションオーナーとかが「いや、あそこがレジデンスだっていうから買ったんだが?」みたいな話になりそうだよなぁ。

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韓国、最低賃金の1.7%上昇を決定。3%近いインフレを記録していてもそこに賃金を合わせることができない事情とは?

カテゴリ:経済 コメント:(44)
韓国の最低賃金ついに1万ウォン超え…11年で倍増、中小企業は悲鳴(朝鮮日報)
韓国の来年度の最低賃金が1万30ウォン(約1149円)になることが12日に決まった。これは今年の9860ウォン(約1130円)よりも170ウォン(約19円)高く、1988年に最低賃金の制度が導入されて以来、37年間ではじめて1万ウォン(約1150円)を突破し、また最低賃金が5000ウォン(約573円)となった2014年から11年で2倍になった。 (中略)

 時給1万30ウォンは週40時間勤務での月給に換算すると209万6270ウォン(約24万243円)となり、今年よりも3万5530ウォン(約4071円)高くなる。来年度の上昇率1.7%は2021年の1.5%に続いて過去2番目に低い。最低賃金は文在寅(ムン・ジェイン)前政権発足直後の2018年に16.4%、2019年に10.9%と2年連続で10%以上も上昇するなど、ここ5年で41.5%も高くなった。しかし尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足後の2023年は5%、今年は2.5%の上昇にとどまっている。

 今回の決定後、民主労総は「最低賃金の上昇率は3年連続で物価上昇率に満たず、実質賃金はさらに減少した」と指摘し、韓国労働組合総連盟(韓国労総)も「低賃金労働者の叫びが鮮やかに目に浮かぶ」と反発した。これに対して小商工人連合会は「小商工人の経済的、心理的マジノ線(最終防衛ライン)である最低賃金1万ウォンの壁が崩壊した」「もはや耐えられないレベルの人件費上昇は最終的に事業主に1人だけの経営を強要する形となり、雇用の減少につながるのは避けられない」と批判した。中小企業中央会も「営業利益で利子さえ返済できない中小企業が今や過半数を占めており、今後破産や廃業が予想される今の経済状況を考えると、中小企業経営者が強く求めてきた最低賃金の凍結が実現しなかったことは非常に残念だ」とコメントした。
(引用ここまで)


 韓国における来年の最低賃金が1万0030ウォンに決定。
 今日のレートで1151円くらいですかね。
 170ウォン(約19円)の上積み。伸び率としてはコロナ禍であった2021年の1.5%以来、史上2番目の低さとなる1.7%。
 ユン政権的にも苦肉の策として「名目上、1万ウォンを超えよう」とした……って感じです。

 というのもインフレ具合はここ数ヶ月は収まりつつあるものの、いまだに高い状況が続いています。
 1~6月の消費者物価指数はこんなところ(前年同月比)。

1月 2.8%
2月 3.1%
3月 3.1%
4月 2.9%
5月 2.7%
6月 2.4%

 ちょっと目を離すと3%台に再突入してしまう感じ。
 なのでスタグフレーションを起こさないためにも賃金を追随させたいのは山々なのですが。
 韓国の内需そのものがついてきていない。


 「韓国は外需頼りの国」との話を幾度となくしてきています。
 原料や部品、製造機械を輸入して半導体、船舶、自動車などを輸出する。いわゆる加工貿易国。
 特に半導体、というかメモリは韓国経済そのものの行方を左右するほどの存在となっています。

 その一方で内需はまったく育っていない。
 外需関連の企業に就いていれば(実質定年となる45歳くらいまでは)それなりの賃金を得ることができるのですが、そうでなければ……まあ暮らすのも厳しいくらいの賃金しか得られない。

 そんな中、ムン・ジェイン政権は「内需関連で働く人たちの情勢が厳しいのなら、賃金を上げればいいじゃない」とばかりに2年で最低賃金を30%も上げてしまったわけです。
 あれでそれでなくても脆弱だった内需はだいぶやられた感じです。
 パイの奪い合いが起きて、その結果が「なにもせずに休んでいる」244万人の30・40代の働き盛り、ですね。

「ただ休んでいる」人口が244万人で歴代最大…「経済の腰」 30代・40代で急増=韓国(中央日報)

 これは6月時点での数字。5月は233万人だったので、1ヶ月で11万人ほど増えました。
 なので、インフレ気味であっても最低賃金を増やそうにも、わずかしか増やせない。
 かといって現状から減らすこともできない。
 二律背反の状況に追いこまれているわけです。

 ムン・ジェイン政権の経済政策、即効性もあった上で遅効性でも次政権にまで効いてくるっていうね。
 希代の政治家でしたわ……。

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韓国自営業者「もう店たたんでバイトしたほうが稼げるよ」……300万人が最低賃金を受け取れていない中、さらに今年も上積みか

カテゴリ:経済 コメント:(56)
来年の最低賃金1万ウォン認定へ……「社長の代わりにアルバイトする」(フィナンシャルニュース・朝鮮語)
来年度の最低賃金交渉が本格化し、中小·小商工人のため息が大きくなっている。 何より来年度の最低賃金が1万ウォン時代になるという予想と共に「社長の代わりにアルバイトを選ぶ」という意見も出てきている。 (中略)

汝矣島でコンビニを運営する事業者は「アルバイト生は引き上げ要求のための集団行動ができるが、事業主はアルバイト代を稼ぐために集会に出ることもできない状況」とし、「継続してこのようにしていては自営業者が皆滅び小商工人もほとんど消えるだろう」と不満を提起した。

また別の自営業者は「配達プラットフォーム手数料引き上げの話に最低賃金上昇まで割れたかめに水を注ぐように体だけが濡れている」とし、「景気が難しく販売価格引き上げも難しく、むしろアルバイトをした方が良いと考える」と伝えた。

このような中、労働界の引き上げ案が適用される場合、小企業9万6000社が廃業する可能性があるという研究結果が出て関心を集めている。

財団法人のパイタチ研究院は、来年度の最低賃金を13.6%引き上げる場合、4人以下の小企業9万6000社が廃業することになると発表した。
(引用ここまで)


 韓国の最低賃金について、雇用側の求めていた業種別最低賃金制度は導入が見送りとなりました。
 以前も書いたように、地方のコンビニでは最低賃金も払わず、かつ週に15時間以上働くともらえると法的に規定されている週休手当も出さないことを納得ずくで働いてもらっている状況が続いています。

韓国経済:地方のコンビニから「最低賃金なんて守ってられない!」と悲鳴、人を雇えずに店主は1日16時間労働も(楽韓Web過去エントリ)

 かつ、最低賃金をもらっていない労働者は300万人超。7.3人にひとりは最低賃金を受け取ることができていない。

韓国メディア「……韓国の最低賃金制度おかしくない? 300万人が最低賃金を受け取れず、中央所得の60%なんてどの国もやってな……」→労組「うぉぉぉぉおおお、最低賃金大幅引き上げ、全業種拡大適用じゃああ!」(楽韓Web過去エントリ)

 もはや「最低賃金とはなにか?」くらいのところまで行き着いているのが韓国の現状です。


 ムン・ジェイン政権が経済成長もしていないのに、最低賃金を2年で30%も引き上げてしまってからこっち、こうした状況が続いています。
 労組側はふわふわとした理想を追い続けて、今回も「時給1万2600ウォンを求める!(その後、1万1200ウォンに要求を減額)」ってやってますが。
 300万人が最低賃金を受け取れていない中で、さらに最低賃金を上積みしようってのがもう意味不明すぎる。

 誰のための、なんのための最低賃金なのかって話が置き去りにされていて、「とにかく最低賃金を上げればそれが我々の業績になる」ってだけで突っ走っているのですね。
 自営業のおっちゃんたちもガチで「もう店辞めてバイトしたほうが儲かる」って言い出している。
 ま、雇ってくれる店がそもそもなくなるのではって話ですが(笑)。

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韓国の地方銀行で「延滞率上昇」がじわり……と進行中。不動産景気が上向かないまま、地方景気は壊死するのか

カテゴリ:経済 コメント:(35)
全国各地で「お金がなくて返せない」…地方銀行の経営悪化、「恐怖」(韓国経済新聞・朝鮮語)
地域経済の支えの役割をしてきた地方銀行が「延滞の沼」に陥った。 高金利長期化の中で地方景気が凍りつき、相次ぐ廃業に追い込まれた地方自営業者と建設·製造·流通企業が返せなかった借金が増えたためだ。 不動産プロジェクト·ファイナンシング(PF)の不良による後遺症も、そのまま不良につながったという分析だ。 融資返済猶予のような一回限りの対症療法ではなく、干上がった地方経済を生かすための支援対策を出さなければならないという指摘が出ている。

8日、金融監督院によると、釜山、大邱、慶尚南道、光州、全羅北道、済州の地方銀行6行の今年第1四半期の延滞貸出額は1兆3771億ウォンと集計された。 金融監督院が関連統計を公開した2008年以後、最大値だ。 COVID-19事態で景気が萎縮した2020年第1四半期(9855億ウォン)より深刻な状況だ。

景気低迷が目立った地域の地方銀行の延滞率が急騰する傾向を見せている。 全北銀行と済州銀行の今年第1四半期の延滞率はそれぞれ1.57%、1.21%に達することが分かった。 新型コロナウイルス感染症事態直後の2020年第1四半期(それぞれ0.74%、0.40%)と比べて2倍以上高い。 自営業者は借金の泥沼に陥った。 地方銀行6行の個人事業者向け融資の平均延滞率は0.86%で、金融危機時の08年第4四半期(0.84%)を上回った。 家計向け融資の延滞率も歴代最高水準(1.01%)だ。 (中略)

江原道原州で食堂を経営しているA氏は最近、店をたたむことにした。 売上がますます減って稼いだお金で利子も返済しにくい状況に置かれたためだ。 済州島で宿泊施設を運営していたB氏は今年初めに廃業した。 彼は「コロナより恐ろしい高金利という言葉を実感した」と吐露した。 (中略)

不動産プロジェクトファイナンシング(PF)の不良化の影響で破産した中小建設会社も数え切れないほど多い。 建設協会によると、今年に入って先月まで全国で不渡り処理された建設会社は16社だ。 (中略)

金融界では、地方銀行の延滞率上昇傾向が今年下半期にも続くだろうという警告の声が高まっている。 韓国銀行は最近、金融安定報告書で「当分の間、自営業者を中心に延滞率上昇圧力が持続すると見られるだけに、金融当局は債務償還能力が大きく落ちたり再生可能性がない自営業者に対して新しい出発基金などを通じて債務再調整を積極的に推進する必要がある」と指摘した。
(引用ここまで)


 韓国の地方における不動産景気は、もはや見る影もないひどさ。
 先日、大邱のマンションでは「時機ではないので分譲をしない」なんて判断をしていましたね。
 「分譲しない」ではなく、「できない」のではないかって気もするのですが。

 いま強気の分譲価格で売り出しても、すぐに大幅割引にしなければならなくなるのは目に見えています。
 それをやると住民間での軋轢を生むのですよね。

韓国の新築マンションで「新規入居者はエレベーター使用料50万円!」との貼り紙が……なぜこんなことが起こったのか、それは……(楽韓Web過去エントリ)

 だったら分譲せずに静かにしておこうとの判断も当然なのかもしれません。


 韓国において不動産は経済の要です。
 まあ、いろんな国で要とはなっていますが、韓国の場合は重要性があまりにも違います。
 国民の持つ資産の約9割が不動産ともされる中、不動産の売買自体がなくなるのはマネーサプライそのものの低下を招くのですね。
 経済の動脈硬化となりうるのです。

 地方銀行への返済延滞が過去最悪との数字は、末梢血管である地方から経済の血流が詰まってきていることに他なりません。
 記事では「返済猶予のような1回かぎりの対応ではなく、支援対策が求められている」ってしています。

 要するに内需を廻せって話ですよね。
 ……資産が不動産に偏りすぎてて無理ゲーです。
 少なくとも利下げがあるまでは無理。
 9月のFRBで利下げを期待している人もいるんですが、まだアメリカの失業率悪化だけではなぁ。いわゆる「確信」には至らないのでは。
 しばらくは韓国の景気も悪いまま、というわけですよ。

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韓国メディア「サムスン電子は危機に瀕している。10年の成長率は2%ちょっと、AI用HBMの開発にも失敗している」……それでも「あの楽韓Web管理人」がサムスン電子株を買った理由とは?

カテゴリ:経済 コメント:(43)
サムスン電子がHBMの好況に備えられない理由(ハンギョレ)
ユジン投資証券によると、サムスン電子の売上額は、2012年に200兆ウォン(約23兆3000億円)を突破した後、2023年までの11年間の年平均成長率は2.3%だった。ドルベースで換算すると1%に過ぎない惨憺たる成績表だ。

 もっと細かく見れば、問題はさらに深刻だ。サムスン電子のモバイル部門の売上額は、2013年のアップルの売上額の73%の水準だった。ところが2023年には22%の水準まで落ちた。アップルが100点ならサムスンは73点の水準だったが、22点の水準に落ちたというわけだ。

 非メモリー部門の売上額は、2011年は台湾のTSMCの88%の水準だったが、2023年には26%にまで落ちた。 (中略)

 さらに深刻な問題は、サムスン電子の「本陣」と言えるメモリー半導体だ。サムスン電子はDRAM、NANDフラッシュなどのメモリー分野では不動の1位だ。1993年に初めて世界のDRAM市場で1位になって以来、一寸の疑いもなく1位だった。しかし、サムスン電子は人工知能(AI)半導体に用いられる高帯域幅メモリー(HBM)の生産で苦戦している。HBMは、DRAMを8~12枚を積み、中間に4000個ほどの移動通路(TSV=シリコン貫通電極)をあけて作った高性能メモリーだ。 (中略)

 しかし、サムスン電子は準備ができていない。サムスン電子は2019年にHBMの開発組織を縮小した。HBMは性能が優れているが高価だ。そのため、特にHBM市場が大きくなるとは考えなかった。後発走者であるSKハイニックスは、それでもHBMは頑張って売ろうと生産していたが、1位のサムスン電子は小さい市場に関心を持たなかった。ところが、AI半導体市場が突然拡大してHBMの需要が急増すると、SKハイニックスは文字通り大当たりとなった。HBM開発に投資しなかったサムスン電子は当惑するしかなかった。

 問題は時代の変化を読めなかった5年前の判断ではない。市場が確認されてから1年以上たっても、他でもないサムスン電子が一番得意とするDRAM分野で品質を完成させられなかったことが最大の問題だ。
(引用ここまで)


 「売り家と唐様で書く三代目」を地で行くようなサムスン電子のイ・ジェヨン会長。
 記事によると2013年からサムスン電子の売上高は年2.3%、ドル換算では1%しか成長できていないとのこと。
 ちなみに前会長であったイ・ゴンヒが心筋梗塞で倒れたのが2014年。
 実質的にイ・ジェヨンが陣頭指揮を執ってきたこの10年間、そのように過ごしてきたわけですね。

 つまり、新しい稼ぎ場を見つけることができずに現状維持が精一杯である、と。
 その象徴となるのがAIチップに必要とされるHBM、高帯域メモリの開発が遅れていることだとハンギョレはしています。
 ……まあ、ハンギョレは心の底からサムスン電子が嫌いであるっていうのを前提にしても、それなりには筋の通ったことを言っているかな。


 ところでわたくしこと楽韓さん、はじめて韓国株に手を出してサムスン電子を40株ほど買っています。
 81500ウォンの指し値買い、手数料を含めると82307ウォンで約定。
 理由はふたつほどありまして。

 ひとつはサムスン電子の6ヶ月チャートが明白にダブルボトムをつけていたこと。

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(チャートの大元画像はSBI証券から引用)

 ちょっと前にサムスン電子の株価がどうこうって話をしていた時に「これ、どうみてもダブルボトムつけてんなぁ」となって気になっていたのですよ。

 もうひとつの理由は四半期決算が目前で、かつNANDフラッシュ、DRAM価格が大幅改善していることもあって、圧倒的な決算になるであろうことが容易に想像できたからですね。
 HBMの開発遅れについてはどちらでもよいというか。
 サムスン電子以外の2社がHBMに注力することによって、通常のDRAMが不足するのではないかとの危惧があります。
 通常のDRAMの欠品が続けばDRAM価格も上昇する。その場合、最大の受益者はDRAMのシェアが大きいサムスン電子となるわけです。
 HBMの開発に成功すればそれはそれで材料となるのでOK。

 といったわけで「テクニカルに株価上昇が見込めたのでちょっとだけ仕込んでみた」わけです。
 ただし、最大でも半年の保持(年内まで)で売り払おうと思ってもいます。

 三代目のイ・ジェヨン指揮下のサムスン電子には明るい未来がありません。いいとこ現状維持まで。
 2027年の大統領選挙では大企業を嫌う左派政権になることがほぼ確実視されています。
 サムスングループは政治的にもまた窮地に追いこまれることはほぼ間違いありません。

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韓国でコーヒー専門店が10万店を突破、あの「世界中のマックの店舗数よりも多い」チキン屋の8万点をはるかに越える自営業者の砦になってしまう

カテゴリ:経済 コメント:(98)
「大韓民国はコーヒー共和国」…10万店を超えコンビニの2倍(ハンギョレ)
 韓国のコーヒー専門店が10万店を超えたことが分かった。比較的に小規模な資本で創業が可能で、特別な技術を必要としないため、参入障壁が低いからとみられる。

 30日、統計庁の「サービス業調査報告書」によると、韓国のコーヒー専門店数は2022年末基準で10万729店で、直前年度の9万6437店に比べ4292店(4.5%)増えた。コーヒー専門店の数が10万店を超えたのは調査以来初めて。

 コーヒー専門店は2016年の5万1551店からわずか6年間で2倍近い水準に増えた。コンビニ4社(CU・GS25・セブンイレブン・イーマート24)の全店舗数が昨年末基準で5万5千店余りである点を考えると、コーヒー専門店がコンビニの約2倍にもなるわけだ。

 コーヒー専門店全体の売上は2022年基準で15兆5千億ウォン(約1.8兆円)であり、関連従事者は27万人だった。従事者1~4人以内の店舗が8万4千店で、多くが小規模形態だ。 (中略)

 廃業率も増えている。行政安全部によると、昨年基準で最近10年間に新規カフェ数は45%増えたが、廃業したカフェ数は181%も急増した。また、ソウル市商圏分析システムを通じて調べてみると、昨年第1四半期に新たに創業したコーヒー・飲料販売店は計5293店だったが、同じ期間に廃業したところも4090店に上った。昨年第4四半期基準でソウル地域のコーヒー・飲料業種の3年平均生存率は51.9%、5年生存率は34.9%に過ぎなかった
(引用ここまで)


 韓国のコーヒー専門店が10万件を超えた、とのニュース。
 21世紀初頭くらいまでは完全にコーヒー不毛の地だったのですが。
 韓国赴任するコーヒー好きは生豆を密輸するくらいの勢いだったのですよね。
 一流ホテルの喫茶スペースでもインスタントコーヒーを堂々と出してきたくらい。
 もちろん、当時の紅茶はティーバッグ。

 豆を挽いてコーヒーを飲むってなったのは日韓ワールドカップを経たあとくらいですかね。
 当時、コーヒーメーカーが急激に高性能化してほぼフルオートでコーヒーを淹れられるようになったこともあって、一気に普及したってイメージ。
 当時のコリアニメさんなんかも「日本は大目にドリップしたのを保温ジャーに入れてるのを売っているけど、韓国はほとんど全部挽きたて淹れたてになった」って話をしていましたっけね。

 そんなこんなでコーヒー消費大国になったのです。


 で、コーヒー専門店が10万店突破。
 チキン店が2022年時点で約8万点だったので、はるかに上回っている。
 以前まではチキン屋orダイだったのですが、最近では選択肢にカフェも入ってきたってところなのか。



 これも自営業があまりにも多い(全労働者の20%以上が自営業者)がためです。
 とにかくなんか創業して、ダメだったらすぐ撤退。フットワークが軽いともいえますが、新年がないともいえますかね。
 一瞬だけ流行ったフルーツ飴とか、台湾カステラとかとにかく飛びつくんですよ。

 個人的には韓国の飲食店の中で、スタバだけは信頼できてたなぁ……。とにかく店内がきれいだった。
 ただ、その後に世界中で韓国のスタバだけが韓国企業運営になったのでなんとも(一応、豆等はスタバ本家から入荷の義務あり)。
 ちなみに独自運営になったせいもあるのか、日本と同じくらいの店舗数があります。

スタバ店舗数 韓国が世界4位=人口2.5倍の日本に迫る(聯合ニュース)

 別に日本を追い抜いてくれてもまったくもって構わないのですけどね。

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