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カテゴリ:イ・ジェミョンの記事一覧

イ・ジェミョン関連でまたも「極端な選択」で亡くなる人物が……今回で6人目、今度は元メディア関係者だった

「李在明関連者6人目の死亡、特検が必要」…與主張(韓国経済新聞・朝鮮語)
国民の力党の有力候補であるユン・サンヒョン議員は、大長洞開発事業民間業者のキム・マンベ氏と金の取り引きをした疑惑を受けている元報道関係者が亡くなったまま発見された件で「共に民主党のイ・ジェミョン前代表の周囲疑問死真相調査のための特検に乗り出さなければならない」と30日明らかにした。

ユン議員はこの日、フェイスブックで「6人目の死だ。 ユ・ハンギ前城南都市開発公社開発事業本部長、キム・ムンギ前城南道開公開発事業1処長、イ前代表の弁護士費代納疑惑を提起したイ某氏、キム・ヘギョン法人カード流用疑惑に関与したペ某氏の知人、イ前代表の前秘書室長だったチョン某氏に続き、キム・マンベ氏と金銭取引をした前報道機関幹部まで死亡した」と話した。

ユン議員は「今回死亡した元報道機関幹部はキム氏との金の取り引きを通じて大長洞の一味に友好的な記事を作成したり、不利な記事を防いでほしいという請託を受けたという疑惑を受けて捜査中だった」とし、「1、2回なら偶然の事故かもしれないが、6回もイ前代表と関連した有力な証人が検察捜査中に亡くなる状況は一般的な水準を越えるミステリーなこと」と話した。 (中略)

警察によると、同日、元韓国日報幹部のA氏は前日午後8時ごろ、忠清北道丹陽郡のある野山で死亡した状態で発見された。 警察は前日、A氏の弟から失踪届を受け付けた後、携帯電話の位置追跡を通じてA氏を発見した。 詳しい死亡経緯は調査中だ。

A氏は2020年5月、住宅購入資金を調達するためにキム氏から1億ウォンを借りた事実が確認され、検察の捜査を受けてきた。 検察は、A氏がキム氏との金取引の見返りに、大長洞の一味に友好的な記事を作成したり、不利な記事を阻止してほしいという請託を受けたと疑ってきた。 これに対し4月18日、A氏を押収捜索することもした。
(引用ここまで)


 えーっと。
 イ・ジェミョン周辺の不審死、6人目になりました。
 ひとりは病死が確定していますが、他の5人はいわゆる「極端な選択」ってあれ。
 今回はテジャンドン関連で、中心人物のキム・マンベからお金を受け取った韓国日報の幹部が「極端な選択」をしたとのこと。

 キム・マンベなる人物についてはこちらのエントリを参照してください。

韓国左派紙ハンギョレ、編集局長補が不動産投資疑惑の中心人物から1億円近いお金を借り受けていた……なるほど、これがズブズブってヤツか(楽韓Web過去エントリ)

 この過去エントリでもメディア対策に金をばらまいていたことが書かれていますが、今回亡くなった人物もメディア関係者。
 どちらも幹部クラス。


 テジャンドンの不動産開発について好意的な記事を書かせていたとのこと。
 ハンギョレの編集局長補は9億ウォンものお金を借りており、今回の人物は1億ウォンを借り入れていたと。
 当時からメディア対策もしっかりできていたってことですね。

 このテジャンドン不動産開発疑惑ではすでに2名が「極端な選択」で亡くなっています。
 3人目は病気でしたが、こちらはイ・ジェミョンが実兄を強制入院させた件の裁判で、多額の弁護士費用について告発した人物。
 4人目は地方自治体の法人クレジットカードを私的流用していた疑惑のあるイ・ジェミョン夫人の私設秘書
 5人目は京畿道知事時代のイ・ジェミョンの秘書室長
 そして6人目の今回はまたもやテジャンドン不動産開発疑惑関連。

 いやぁ……すごいですね。感想も陳腐になるでしょ、そりゃ。

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イ・ジェミョン、野党議員から「党の父はイ・ジェミョン」「イ代表様が一歩を踏み出してくださって感謝します」とまるで北の将軍様のような扱いを受けてしまう……もはや私党といっても過言じゃないんだよね

「共に民主党の父は李在明」…党最高委員の発言に党内の一部から「まるで北の労働党」(朝鮮日報)
 韓国の進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の姜敏求(カン・ミング)最高委員が19日、「民主党の父は李在明(イ・ジェミョン)」と語った。党内の一部からは「まるで北朝鮮の労働党を見ているかのようだ」という声が上がった。

 民主党大邱市党委員長の姜最高委員は今月12日、指名職最高委員に任命され、19日に初めて最高委員会議に出席した。指名職最高委員は党代表が、主に地域の状況を考慮して指名する。姜最高委員は、最高委で「共に民主党の父は李在明代表様でいらっしゃいます」「一家の大人として李在明代表様は総選挙直後から嶺南民主党の発展と前進に関心を持ち続けてくださった」と発言した。姜最高委員は李代表と同じ1964年生まれだ。

 さらに「(保守系与党の)国民の力が嶺南党になった今、むしろ民主党の東進戦略は続けなければならないという考えが強くなった」「その第一歩を李代表様が踏み出してくださったことに、大邱民主党の同志たちに代わって深く感謝を申し上げる」と述べた。
(引用ここまで)


 イ・ジェミョンは4月の総選挙を通じて、党内を「イ・ジェミョン派」でまとめ上げることに成功しています。
 自分に従うものだけに公認を出し、その結果として勝利した。
 もはや共に民主党はイ・ジェミョンの私党といっても過言ではありません。

 党規を自分の都合のいいように変更し、たとえ有罪判決を受けたとしても党籍を失わないようになりました。
 有罪判決を受けた場合、国会議員としては失職するのですが。
 ま、大統領選に出馬するためには国会議員である必要はありませんしね。

 で、そうした結果、共に民主党の議員から「党の父はイ・ジェミョン」「イ代表様が踏み出してくださった」みたいな物言いが出てくるようになったと。
 北の将軍様的な地位にたどり着いたわけです。
 というか、朝鮮半島的にそうしたアイコン、偶像を求める気分っていうのがあるんだろうな。


 先日も狙いは大統領になって不訴追特権を受けることだ、との話をしました。
 大統領になったら公判中の裁判も停止されるかどうかは分からないけども……と書きましたが。
 たまねぎ男ことチョ・グクから援護射撃がありました。

チョ・グク、ハン・ドンフン狙撃「大統領の裁判は進行できない」……でたらめな憲法解釈(MBC・朝鮮語)

 「当然、大統領になればすべての公判が停止する」としているそうで。
 ただ、チョ・グクのさまざまな疑惑について捜査を主導した検事長であったハン・ドンフン元法務部長官(法相に相当)が「たとえイ・ジェミョンが大統領になっても公判は維持される」と発言したことに対抗してのものと考えると、別にそれが通説というわけでもなさそう。

 「刑事訴追から逃げるために大統領になる」って前代未聞ではあるのですが。
 現状のままならイ・ジェミョンが大統領になり得る目は充分にあるからなぁ……。

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韓国の次期大統領最有力候補であるイ・ジェミョン、狙っているのは「大統領の不訴追特権」……韓国メディア「まさか『憲法の父』たちもこんな風に不訴追特権が使われるとは思っていなかっただろう」

「憲法の父」たちが想像もできなかったイ·ジェミョン(朝鮮日報・朝鮮語)
論議中の「憲法第84条問題」は大統領の不訴追特権に既存裁判も含まれるかどうかのイシューだ。 憲法84条は内乱・外患罪を除いては在任中に大統領を刑事訴追できないよう規定している。 大統領に当選した瞬間、犯罪容疑があっても起訴できないということには異見がないが、すでに進行中の裁判も中断されるかどうかをめぐっては解釈が交錯する。 最も明確でなければならない憲法条文が不確実性に包まれたのだ。

この条項が今になって問題になったのは、これまでになかった全く新しいタイプの政治家が登場したためだ。 7件、11件の容疑で、4件の裁判を受けているか、受ける予定の刑事被告人が、巨大野党を踏み台にして大統領選を叩く初の状況が繰り広げられた。 2017年の大統領選挙の時、洪準杓候補出馬事例があるが、彼は2審無罪判決を受けた状況であり、当選の可能性も低く、別に論難にならなかった。 一方、イ・ジェミョン代表は選挙法違反、偽証、背任、第3者賄賂などの重犯罪の容疑で起訴されたうえ、支持率1位を走る有力候補だ。 大統領選挙が近づくにつれ、「84条問題」は国を二分する核爆弾で爆発する恐れがある。

大統領の不訴追特権の歴史は長い。 1948年の制憲憲法も、第67条で助詞ひとつですらほとんど違わないように規定しているため、建国以来76年間、大統領のための安全装置として機能してきたわけだ。 (中略)

大統領に不訴追特権を与えたのも、処罰の心配なく所信を持って国家運営をせよという意味だった。 しかし、それは大統領職務の安定性のためであり、犯罪容疑者に司法リスクの免罪符を握らせようとする趣旨だったはずがない。 裁判を受ける刑事被告人が大統領に出馬し、そのような人が当選する可能性もあるということは想定外のことだった。 そのような状況が起こるとは、憲法の設計者たちは想像すらできなかっただろう。

「制憲憲法の父」たちが大韓民国を設計して悩んだ想像力の限界をイ・ジェミョン代表ははるかに越えた。 明文条項はないが、法的・道徳的問題のある人は公職を受け持ってはならないというのが民主共同体を指向する韓国憲法の趣旨だ。 李代表は、このような憲法精神はもとより、ジャングルのような政界で通用していた最小限のタブーまですべて破った。大統領選挙で敗北した人が直ちに国会議員選挙に出て、党代表にまでなって防弾特権を身につけた。 反対派を除去して伝統のある野党を己が為の祠堂にし、168人の所属議員を防弾部隊として先頭に立たせた。 憲政秩序の根幹である議会制度を個人犯罪の防御に悪用しているのだ。 (中略)

過去の独裁政権は、憲政を覆すために軍事クーデターを起こしたり、憲法そのものを見直したりした。 李代表と民主党は形式的な合法を装ったが、実際には法治と司法府の独立、三権分立、議会制度の憲政秩序を揺るがす途方もないことをしている。 こんな日が来るとは「憲法の父」たちが夢にも思わなかっただろう。
(引用ここまで)


 イ・ジェミョンがなんとしてでも大統領選挙に出て、かつ大統領になろうとしている最大の理由。
 それは韓国の大統領には憲法で定められた不訴追特権があるから。

第84条 大統領は、内乱又は外患の罪を犯した場合を除いては、在職中刑事上の訴追を受けない。

 以前から「おそらくこの特権を狙っているのだろうなぁ」とは思っていたのです。

 そうはいっても「現在行われている裁判を中止させることはできるのか?」っていうのはだいぶ疑問だったのですね。
 なので「大統領にさえなればなんとでもなる」くらいの表現に押し留めていたのですが。
 韓国国内でも同様に憲法論議になっているとのこと。
 ……そりゃ、「複数の裁判を受けているような政治家が大統領の最有力候補」にはならんやろ、普通は。


 現在、イ・ジェミョンは7つの事件で、11の罪に問われています。

テジャンドン開発不正 背任 / 利害衝突防止法違反
ウィレ新都市開発不正 旧腐敗防止法違反
ベッキョンドン開発不正 背任
城南FC違法後援金 第三者供賄 / 犯罪収益隠匿
偽証教唆 (2020年の公職選挙法違反裁判での)偽証教唆
公職選挙法違反 虚偽事実公表(2020年のものとは別)
北朝鮮違法送金 第三者供賄 / 外為取引法違反 / 南北交流協力法違反

 すべてで無罪を勝ち取るのは正直、無理ゲーです。
 特に偽証教唆はきつい。あと公職選挙法違反(テジャンドン開発疑惑で担当市職員を知らないと述べた)も無理。城南FC事件もかなり厳しい。
 というか、2020年に無罪になった公職選挙法違反もなんで無罪になったのかよく分からないレベルでしたからね。当時、ムン・ジェイン政権下であったからかな。

 上記の裁判すべてを停止させることができる、大どんでん返しが「イ・ジェミョン、大統領になる」っていう最終手段なわけです。
 ただ、すべての裁判の判決確定をあと3年延ばすこともかなり無理のある所業。

 といった背景があるので「ユン・ソンニョル大統領を今すぐにでも弾劾すべし!」って声が野党、それも親ミョン派(親イ・ジェミョン派)からは上がっているのですね。
 いますぐ大統領選挙になれば、おそらくイ・ジェミョンが当選しますから。

 有罪判決が早いか、ユン大統領弾劾が早いか、それとも次の大統領選挙まで判決をなんとか遅らせることができるか。
 個人的には大統領になってしまって、法曹界が憲法84条をどう解釈すべきか頭を抱えるなんて姿が見てみたいところですね。

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イ・ジェミョン、「裁判で有罪になっても大統領選挙に出馬可能」にするためだけに、所属政党の党規を改正「有罪になっても党籍は剥奪されない」「公認に文句を言ったら予備選挙の投票数25%減」……自分が有罪になる可能性が高いことを認識しているってことね

「イ・ジェミョン、絶対に守る」…犬娘たち「親ミョン」にも「スイカ」のレッテルを貼っていく(韓国経済新聞・朝鮮語)
共に民主党のイ・ジェミョン代表の強硬ファンダムを称するいわゆる「犬娘」たちの盲目性が時間が経つほど強化している。 党が強硬ファンダムに左右されるという批判の声が大きくなっているにもかかわらず、権利党員の権限もまた強くなる傾向だ。

14日、政界によると、最近になって犬娘にスイカ(表面は民主党、内面は国民の力という意味で「非ミョン界」を卑下する言葉)と書かれた議員は、ほかならぬ「元祖親ミョン」と呼ばれる金泳鎮(キム·ヨンジン)民主党議員だ。キム議員が「党代表辞退期限」に例外を置く党憲改正に反対意見を出したためだ。

キム議員はこの日SBSラジオに出演し「イ・ジェミョンオーダーメード型」と批判される党憲・党規改正に対して「あまりにも早くて急いで改正すると見る。 イ・ジェミョン代表の再任と党憲·党規改正をマッチングしようとするために問題が生じた」と話した。

彼は民主党が党憲・党規改正作業を始めた後、ずっと反対の声を出してきた。 「イ・ジェミョン代表が砂糖だけ食べていれば歯が全部腐る恐れがある」、「イ・ジェミョン代表だけのために民主党が存在するわけではない」などの発言は特に犬娘の反発を招いた。

キム議員は「元祖親ミョン」に分類される。このため、彼の苦言が党内の「レッドチーム」の役割を自任したという分析も出ている。キム議員が動いて外部の批判を事前に遮断しようとしているという解釈だ。

にもかかわらず、犬娘の怒りは金議員に向けられた。「李在明(イ・ジェミョン)代表を守る」ことに邪魔になるなら、親ミョンの色彩を持った議員でさえ攻撃の対象になりうることを確認したわけだ。 強硬支持層が集まった多数のコミュニティには「スイカがまた現れた」、「誰のために民主党国会議員になったのか勘違いしないでほしい。 イ・ジェミョン代表がいたからだということを知ってほしい」、「何も言わずにひたすら党員と支持者の願いをよく傾聴し、そのまま実践しなさい」などの文が上がってきた。 (中略)

12日、民主党の党務委員会を通過した党憲・党規改正案は権利党員の権限を強化する内容で一斉に満たされた。 国会議長団候補者および院内代表選挙に在籍議員投票80%に権利党員投票20%を合算するようにし、権利党員が力を行使できるようにした。 これまで暗黙的に行われてきた強硬党員の実力行使が公式的な「ルール」の中に入ってくることになったわけだ。

野党の元老である柳寅泰(ユ·インテ)元事務総長は、このような民主党の党規改正について、「奇怪な話だ」と一喝した。 ユ前事務総長は13日、CBSラジオに出演して「党員権を強化することは良いが、それも限界があり、ラインがある」と指摘した。
(引用ここまで)


 韓国の最大野党である共に民主党が党規改正をしています。
 これがもう、噴飯物でして。

「有罪の時は党員権剥奪」条項削除 「懲戒は党倫理審判員が判断」 帰責事由の補欠・無公認も廃止 祖国革新党、反射利益を遮断する布石(毎日経済)

 たとえ有罪判決が出ても党籍剥奪されたりしない、公認についても不服を述べたら予備選挙の投票数から25%が自動的に減らされる等々といったところ。
 イ・ジェミョンは現在、7つほど裁判を抱えている(罪状は11)状況。

起訴事実が7件から11件に増えた共に民主・李在明代表、多い週は週4で出廷(朝鮮日報)

 これらの裁判のどれかで有罪判決が確定しても、共に民主党党員であることに変わりはないという規定になったのですね。

 有罪判決が出たら国会議員の地位は剥奪されますが、党籍さえあれば大統領選挙には出られるわけです。
 イ・ジェミョンの司法リスクに備えた党規変更といえるでしょう。


 さすがにこの党規変更については共に民主党内部からも「やりすぎなのでは」との声も出ているのですが。
 親イ・ジェミョンを謳っている「犬娘」(改革の娘)らはそうした声にもすべて「こいつはスイカだ!」として糾弾している状況。
 あ、スイカっていうのは共に民主党の党員でありながら中が赤い(赤は国民の力のイメージカラー。共に民主党のそれは青)、つまり裏切り者の暗喩です。
 チョ・グクの祖国革新党が比例区で躍進したのは、こうした行動を取るイ・ジェミョンに対して、左派であっても「イ・ジェミョンだけはどうしてもいやだ」とする層が相当数いることの現れだったりします。

 逆説的にいうとイ・ジェミョン本人もおそらく有罪になるだろうとは認識しているってことでしょうね。
 そうした認識がないとさすがにこんな破廉恥な党規改正はできません。
 恥も外聞もなく「大統領になることさえできればすべて解決」と考えているからこそ、こうした行動に出られるわけです。

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韓国野党、イ・ジェミョン党代表の司法リスクに対して「捜査のやり直しを要求する。捜査担当は我々が決定する」と言い出す……もう当時の側近に有罪判決出てるのに?

民主「対北朝鮮送金特別検事法を拒否すれば検事弾劾を推進」(ニューシス・朝鮮語)
共に民主党が、サンバンウルグループのキム・ソンテ前会長の対北朝鮮送金事件全般を再捜査する特別検事法を発議した中、ユン・ソンニョル大統領が拒否権を行使すれば、関連検事の弾劾訴追を推進する案を検討中であることが分かった。

民主党のチョン・ジンウク議員は同日、ラジオ「キム・テヒョンの政治ショー」に出演し、「ユン・ソンニョル大統領が特検法に拒否権を行使するなら、該当事件の捜査検事と検事長の弾劾訴追を検討するか」という質問に、「確定したわけではないが、そのような計画を持っている」と述べた。

李代表政務特補出身で、パク・チャンデ院内代表秘書室長のチョン議員は、「検事が事件を意図を持って特定フレームによって結果を作ろうとしているというのが、我々の問題意識だ」とし、「そのようなやり方の捜査は、必ず責任を問わなければならない。 検事に責任を問う最も良い方法は弾劾すること」と強調した。

続いて「検察の力は非常に強い。 検察が起訴したフレームの中で裁判は行われるので、思いがけない被害が出る恐れがある」として「根本的には起訴権の乱用ないしは事件を作り出すこのような慣行に対して鉄槌を加えなければならない。 必要なら弾劾まですべきだと考えている」と説明した。

サンバンウルの対北朝鮮送金事件は、サンバンウルが当時京畿道知事だったイ・ジェミョン代表の訪朝費用などを代納したという疑惑だが、民主党は検察が李代表を標的にして捜査を行い、事件を操作したと見ている。
(引用ここまで)


 サンバンウル北朝鮮送金事件、と呼ばれている事件があります。
 京畿道知事であったイ・ジェミョンが前回の大統領選挙に出馬する際に、なんとかして北朝鮮を訪問できないかと画策していたのですね。
 2019年頃の話であったとされています。
 で、それに対して北朝鮮は「500万ドル用意すれば訪朝できるように取り計らおう」と持ちかけたとされています。

 で、「500万ドルは高すぎる」として300万ドルまでに値切り、かつイ・ジェミョンが知事として推進していた「北朝鮮スマートファーム改善事業」の代金である500万ドルを肩代わりして総計で800万ドルを支払ったのがサンバンウルの会長であったキム・ソンテ。
 この人物が「イ・ジェミョンのために北朝鮮300万ドル支払った」と供述しています。

「日本は敵性国家」発言のイ・ジェミョン、数々の疑惑が解明されつつあり窮地に追い詰められる……「弁護士費用を肩代わりした企業会長? そんなヤツ知らない」とまたまたしらばっくれる(楽韓Web過去エントリ)

 「サンバンウル」は韓国の下着メーカー。
 そして、元会長であるキム・ソンテは「まともな財界人ではない」人物です。

 イ・ジェミョンが大統領に当選した際に、北朝鮮利権を一手に入手しようとこうして事業の地ならしをしていた、とされています。
 さらにキム・ソンテはイ・ジェミョンが公職選挙法違反に問われていた裁判において、韓国でも指折りのやり手弁護士をつけるための弁護士費用についても肩代わりしたとされています。
   実兄を強制入院させたことを否定していた件が問われていた裁判ですね。
 2審でも有罪になったのですが、大法院(最高裁に相当)では無罪判決前提の差し戻し判決が出ています。


 なお、この大法院判決を主導した判事は、その退任後にイ・ジェミョンが主導して民間企業を大儲けさせたテジャンドン不動産開発疑惑において、その民間企業の顧問として就任。
 顧問料1億5000万ウォンをがっぽりといただくことになったのでした。

 あ、ちなみにキム・ソンテについてもイ・ジェミョンは「知らぬ存ぜぬ」を続けています。
 そのあたりの前後の事情についてはこちらのエントリに詳しく書いていますので、ご参照ください。

「日本は敵性国家」発言のイ・ジェミョン、数々の疑惑が解明されつつあり窮地に追い詰められる……「弁護士費用を肩代わりした企業会長? そんなヤツ知らない」とまたまたしらばっくれる(楽韓Web過去エントリ)

 それとこのキム・ソンテとのパイプを持っており、かつFC城南を通じた贈収賄事件の担当者であったイ・ジェミョンの秘書室長は「極端な選択」で亡くなっています

 さらに(まだあるんですよ)、イ・ジェミョンが京畿道知事であった際の副知事がこの北朝鮮不法送金問題で有罪判決を受けています。
 北朝鮮への不法送金も事実であると認定されています。

韓国裁判所、元京畿道副知事に懲役9年6カ月…「送金は知事の訪朝の謝礼金」(ハンギョレ)

 こうした不利な状況をすべて「ご破算で願いましては~」とするために、共に民主党は特別検事法(国会が指定した人物を検事として、ゼロから捜査させる法律)を提出しています。
 そして、この法案に対してユン・ソンニョル大統領が拒否権を発動したら担当検事の弾劾を推進すると脅している……といったニュースなのでした。

 現在生じている、不利な状況をすべてを否定しようと躍起になっているわけです。
 逆説的にイ・ジェミョンが陥っている司法リスクの闇深さがよく分かるのではないでしょうか。

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イ・ジェミョン夫人の「法人クレカ私的流用事件」、証人がいきなり証言を翻して「買い物のお金はもらってました」と言い出す……まあ、「例のイ・ジェミョン関係者の列」には入りたくないよね、わかる

法廷で供述を覆した秘書B氏「京畿道公務用カードで決済後、金恵京夫人から現金をもらった」(朝鮮日報)
 京畿道の公務用クレジットカードで「共に民主党」関係者に食事を提供し接待した疑いが持たれている、同党の李在明(イ・ジェミョン)代表の配偶者・金恵京(キム・ヘギョン)夫人。22日に行われた金夫人の裁判で、秘書B氏が「公務用カードで食事の決済をしたら夫人が現金をくれた」と証言した。捜査機関で「金夫人が飲食代金をくれたことはない」と言っていたB氏が、法廷で供述を覆したのだ。

 B氏は22日、水原地裁で開かれた金夫人の裁判に証人として現れた。検察の「(金夫人の自宅に食事を配達してきたら)被告人が食事の代金をどのように処理するか、尋ねなかったのか」という質問に対し、B氏は「ただお金をもらった。現金をもらった」と述べた。検察が「公務用カードの決済後、(お金をもらったのであれば)被告人をだまして私的な利益を得たということか」と再度尋ねると、B氏は「はい」と答えた。

 しかし、裁判で公開されたB氏の検察供述調書には「金夫人が飲食代金を補てんしてくれたことはない」とある。

 この日、B氏は検察での取り調べ時と異なる証言をしたり「よく思い出せない」「捜査中なので言えない」という発言を繰り返したりした。これを受けて裁判部は、証人に対し4回にわたって「偽証の問題が生じることもあり得る」と指摘した。
(引用ここまで)


 イ・ジェミョン夫人による「自治体の法人カード使いたい放題」事件について、これまで「買い物をさせられてきた」と証言してきた当時の秘書が、証言を覆しました。
 「買い物をした後に夫人から現金をもらった」としています。
 取り調べでは背任について語っていたものが、法廷での証言になっていきなり証言を覆したわけです。

 まあ、その気分は分からないでもない。
 これまでイ・ジェミョン関連事件で5人が亡くなっています
 ひとりは病気であったことが判明していますが、4人はいわゆる「極端な選択」をしたもの。
 この「法人カード流用事件」でも、すでにひとりが亡くなっています


 この法人カード流用事件の裁判がはじまったのは2月末。
 まだこの頃はイ・ジェミョンの権力の行方はどうなるか不明でした。
 ですが、そこから3ヶ月を経る間に総選挙が行われ、共に民主党は300議席中175議席を獲得する圧勝具合。
 その党代表であるイ・ジェミョンは「次期大統領」としての地位をかなり高めたわけです。

 結果、これまでの「イ・ジェミョン関係者」のようになりたくないのであれば、「イ・ジェミョンの夫人が法人カードを私的流用してきた」との証言を覆さざるを得ないと。
 そりゃま、誰も6人目には好んでなりたくはないですよ。
 よく分かる話ですね。  

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韓国野党、「政府は余った米を買い入れろ」「不法デモを合法にしろ」等々の大統領拒否権で廃案になった各種法案を再立法へ

【社説】尹大統領・最大野党代表会談の直後に立法暴走、民主党に協治の意志はあるのか(中央日報)
最大野党・共に民主党が29日、第21代国会が終わる前に争点法案を相次いで強行処理する態勢だ。民主党は今日、国会本会議を開き、予告したチェ上等兵特検法と伝貰(チョンセ、賃貸住宅保証金)詐欺特別法を処理する予定だ。尹大統領の拒否権行使で廃案となった糧穀管理法改正案をはじめ、看護法、黄色い封筒法(労働組合および労働関係法改正案)、金建希(キム・ゴンヒ、大統領夫人)特検法も処理しようとしている。ただ、尹大統領が拒否権を行使した梨泰院(イテウォン)惨事特別法は与野党が昨日電撃合意した。特別調査委の構成と活動期間は民主党の立場を受け入れるものの、特別調査委の権限は国民の力が主張したように当初の案より縮小して妥協に至った。政界の合意を最も重要な原則として要求した遺族の望み通り、与野党が妥協した点では意味がある。

しかし他の争点法案をめぐって与野党は一歩の譲歩もなく対立している。 (中略)

国民の力が108議席に減る第22代国会では民主党の独走がより一層深刻になるのが明らかだ。さらに「尹錫悦政権審判」を掲げて12議席を確保した祖国革新党と民主党の間で鮮明性競争に火がつけば、与野党の対立はピークに達するとみられる。さらに国会議長への挑戦を宣言した民主党のベテラン議員までが親李派の支持を得ようと議長の中立原則を否認する極言を吐いている。5選の鄭成湖(チョン・ソンホ)議員は「協議ばかりを強調してはいけない」とし、6選の秋美愛(チュ・ミエ)当選者は「議長は中立ギアを入れてはいけない」とまで話した。第22代国会で最高齢議員となる朴智元(パク・ジウォン)氏はユーチューブで「金振杓議長がチェ上等兵特検法などを職権上程せず海外訪問に行く」としながら繰り返し暴言を吐いた。国会議長職は社会統合と対話・妥協が特性の議会主義の表象として中立の義務を守るのが正しい。にもかかわらずこれを脅かす文化が民主党の慣行として定着するのではないか深く懸念される。
(引用ここまで)


 昨日の「チョ・グクが最初の法案として『勤労者の日』を『労働節』にしようとしている」ってニュースを解説したときに、ボリュームが足りなかったら足そう思っていた部分がありまして。
 それがイ・ジェミョンが固執している「糧穀管理法改正案」です。

 ざっくりいうと「農家は米を好きなだけ作っていい。余った米は政府が買い入れる」とするもの。
 実際には現行法では「生産量が需要を上回ったときは買い入れることができる」としているものを「買い入れる義務がある」とするもの。
 去年、ユン・ソンニョル大統領が大統領拒否権を最初に発動させた法案でもあります。

尹大統領が初の法案拒否 コメの政府買取法案が廃案か(KBS WORLD)

 政府の財政負担が相当に大きいことが要因。
 それでも今回の22代国会で共に民主党はこの法案をいの一番に出そうとしています。
 それ以外にも不法デモを適法にしてしまう黄色い封筒法(こちらも大統領拒否権発動)などもリブートするとのこと。


 共に民主党は都市部では強いものの、農村部でいまひとつ伸びを見せていないことから農家票を確保したいとの方向性なのでしょうね。
 こうして一度廃案になった法案をさらに出して、またもや大統領によって拒否権を発動させることで「与党は農家の敵だ」と演出したい部分もあるのでしょう。
 それぞれの政党がなにを最初に持ってくるかによって見えてくるものがあって面白いですね。

 記事では「共に民主党と祖国革新党が『我々こそが国民に寄り添う政党』として競争を繰り広げそうだ」としています。
 より過激なことを言ったら勝ち、になりかねない状況ですね。
 ちなみに1週間ほど前にチョ・グクとイ・ジェミョンは「非公式夕食会」なるものを開いていまして。

イ・ジェミョン - 祖国、非公開夕食会… 「汎野圏連席会議」について議論するか(聯合ニュース・朝鮮語)

 結果的にはただ会っただけ、で終わった模様。
 まあ、双方の性格を考えても退くわけがないですから。
 楽しい踊りが見られそうな予感がしています。

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韓国ユン大統領、野党党首のイ・ジェミョンと会談、さっそく対日外交に文句を言われてしまう……そこから透けてくる「3年後のイ・ジェミョン政権での反日外交」とは?

尹政権発足から720日ぶりの初トップ会談、成果なしで終わった(ハンギョレ)
 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と野党第一党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表が尹錫悦政権発足から720日目を迎えた29日、会談を行ったが、具体的な合意案は出なかった。医学部増員の必要性には共感を示したが、家計支援金、海兵隊のC上等兵殉職事件捜査への外圧疑惑をめぐる特検法など、ほとんどの懸案で意見の相違だけを確認した。大統領室は「野党との意思疎通を通じた政治協力の第一歩を踏み出した」と評したが、イ代表は「もどかしく残念だった」という立場を示した。 (中略)

 イ代表は同日の発言で、あらかじめ準備したA4用紙10枚分の原稿を取り出し、意を決したように読み上げながら、12種類の要求を伝えた。しかし会談ではイ代表が主張してきた「国民1人当り25万ウォン(約2万8千円)の家計支援金」などは受け入れられなかった。

 家計支援金に対し、尹大統領は「物価と金利、財政状況に及ぼす影響を考えると、今の状況では経済的に困難な方々をより効果的に支援する方が望ましい」と答えた。尹大統領は梨泰院(イテウォン)惨事特別法もまた法理的問題を挙げて事実上拒否した。
(引用ここまで)


 ユン・ソンニョル大統領と共に民主党代表のイ・ジェミョンがトップ会談を行いまして。
 冒頭に挨拶を交わして、握手したシーンを撮影したら報道陣は退出する、との段取りだったのですが。
 イ・ジェミョンが退出しようとする報道陣を呼び止めて、胸元からA4用紙10枚の紙束を取り出して蕩々と大統領批判をはじめるたそうですわ。

 曰く──

「なにか一言でも間違えれば逮捕されるのではないかと心配している」
「独裁下が進んでいる、との研究結果がある」
「国政の方向を変える最後のチャンス」

 といった感じで多数の要求を冒頭で行ったそうですわ。

・全国民に25万ウォンの民生回復支援金を出せ
・R&D予算の全額復活(重陽子加速器が半稼働状態のアレ)
・チョンセ詐欺防止法施行
・梨泰院事故の特別検察設置
・海兵隊員死亡の特別検察設置
・「家族の疑い」を整理すべき
・国民年金改革については協力する

 ざくっと把握できたかぎりでこんな感じ。


 イ・ジェミョンが駐韓中国大使にやられたことを、そのままユン大統領にやっているだけですね。
 いまにして思うと、あれが「中国にも台湾にも謝々って言っておけばいい」って発言につながっているんだな……。

 ユン・ソンニョル大統領の対日外交について、苦言を呈したとも。

大統領が野党代表と初会談 李氏、対日姿勢に注文も―韓国(時事通信)

 「オセンスイガー」「ドクシマガー」「レキシニンシキガー」のガー3連発。
 ユン大統領からの返答はなかったとのこと。
 そういえば「放出を必ず阻止する」としてハンストとかやってましたね。壮大にこけましたけども。最終的には「逮捕されたら承認する」って決議出されて政治生命が危うくなっていたりもしました。
 なぜか裁判所から逮捕状が発行されずにまたまた舞い戻ってきたわけですが。

 このあたりの発言を精査していくと、「イ・ジェミョンが大統領になったら行われる反日・反米外交」が見えてくるのです。
 OSINTの正しい姿ですね。
 それにしても、すっかり「政界の主役はイ・ジェミョン」になっています。ここから3年、これが続くのか。

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