KAT-TUN、家入レオ、GLAY、櫻坂46、伊藤美来……2月15日リリースの新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は2月15日リリースのKAT-TUN『Fantasia』、家入レオ『Naked』、GLAY『HC 2023 episode 1 -THE GHOST/限界突破-』、櫻坂46『桜月』、伊藤美来『This One's for You』の5作品をピックアップした。(編集部)

KAT-TUN『Fantasia』

 今作のテーマは、ジャンルレス。KAT-TUNは、今回に限らず、これまでも数々のジャンルを越境しながら新しい音楽を世に送り出し続けてきたグループではあるが、今作において、3人が掲げる独自のミクスチャー精神は、今までになかった形で美しい結実を見せている。まず、全ての楽曲がクール&スタイリッシュ。洗練されたトラックをベースとしながら、鮮烈なロックバイブスを放つ「DIRTY LUV」のような楽曲もあれば、清廉なポップフィーリングを重ねていく「Sail on earth」のような楽曲もある。また、水野良樹が作詞・作曲を手掛けたシングル曲「ゼロからイチへ」のように、一歩踏み出そうとする者へ向けた直球の応援歌もある。アルバム全体を通して聴くと、トロピカル風、ラテン調など、各楽曲のアレンジも多彩。特にリード曲「Fantasia」は、一曲の中で、まるで万華鏡のように次々と景色が移り変わっていくような展開で、今作の魅力を凝縮した楽曲に仕上がっている。何よりも特筆すべきは、多種多様なトラックを、自然体のまま鮮やかに乗りこなす3人の優雅な佇まいだ。ジャニーズJr.時代を含めたこれまでの歩み、その過程における進化、成長、それら全てが今作に表れている。(松本)

KAT-TUN - Fantasia [Official Music Video (YouTube ver.)]

家入レオ『Naked』

 昨年2月にデビュー10周年を迎えた家入レオ。今作は次の10年の幕開けを飾る節目となるアルバムであり、『Naked』(裸の)というタイトルが冠されているように、彼女のありのままの心情を今まで以上にストレートに投影したと思われる作品である。例えば、彼女が単独で作詞を手掛けた「悩みたいだけ」「愛は鎖じゃない」が象徴的なように、今作の各アルバム曲においては、まるで胸の内に秘める心情をダイレクトに曝け出したかのような生々しい言葉が溢れている。もちろん、その全てが家入自身のリアルな経験に基づくものであるかは定かではないし、作詞のクレジットが連名になっている曲も多い。しかしやはり、Kanata Okajimaとの共作である「I don't like you」における〈恋愛がすべてじゃないでしょ/なんなら新曲書いていたい〉というリリックの鋭さには特に驚かされた。まるで全て吹っ切れたかのような同曲における歌声は切実な響きを放っていて、他の曲の歌唱も、等身大の彼女の姿を今まで以上に近くに感じさせてくれる。これほどまでに率直で素直なテイストの作品は間違いなく今作が初めてだろう。大胆に「裸の」自分自身を表現したであろう今作は、彼女のキャリアにとって一つの大きなターニングポイントとなるはず。(松本)

家入レオ - New Album「Naked」全曲トレイラー

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