『FGOフェス2022』レポート。久しぶりの“祭り”に感じた「7周年」という時間の長さ

『FGOフェス2022』レポ

 数あるステージイベントのなかから、筆者は1日目のOPEN STAGEで開催された『「Fate/Grand Order」スタッフトーク』を取材開発ディレクターのカノウヨシキ氏、開発スタッフの安生真氏、マーケティングディレクターのバスター石倉氏、宣伝スタッフの金沢利幸氏と、FGO開発・運営スタッフ4名によるトークが繰り広げられた。

 この4名は長らくフェスのプログラムや記念配信などに解説・紹介役として出演してきたこともあり、ファンにとってもお馴染みの存在。制作の裏で努力し続けてきた苦労話やゲーム内の最新情報など、4人そろってのスタッフトークもこれまでに何度となく行なわれてきた。そんな定番とも言えるお互いの関係性も相まって、軽快に会話のラリーが続いていった。

 トークの話題もとても豊富。「『FGO』内で最も多くLV120にされた★1~3のサーヴァントとは?」というテーマで1位に「清姫」があがると、それまでの納得のムードだった観客席が驚きの声も混ざったムードへと一転。これにはスタッフ4名も同意かつ納得だった。

 このほかにも曲亭馬琴の3Dモデルを制作した際の開発秘話や、宝具「イノセンス・アロンダイト」の実制作フロー、『Fate/Grand Order Arcade』を含めた最新情報が発表された。

 とくに8月中旬に開催予定と発表された「水着イベント2022」にアスクレピオス、蘆屋道満、新宿のアサシンの水着霊衣がリリースされたり、新たな水着サーヴァントとしてレディ・アヴァロンやガレスが発表されたときには、おもわず観客席やステージを外からみていた観客からも声が「ワッ」と漏れ出るほどであった。

 こちらの模様もYouTube上で楽しめるようになっているので、気になる方は振り返りも含めてぜひチェックしてみてもいいだろう。

【FGO Fes. 2022】「Fate/Grand Order」スタッフトーク

 16時半からはGRAND STAGEで『FGO THE DRAMALOGUE-アヴァロン・ル・フェ-』がスタート。16時半からスタートして19時までを予定した朗読劇だが、これだけでもしっかりとチケット代を取ったイベントとして成り立つ座組みである。

 第2部第6章をベースにした朗読劇は、川澄綾子・石川由依の両名を軸にした構成となっており、生の演技によって発する笑い・嘆きといったさまざまな感情の昂ぶりが届けられていく。身の毛のよだつほどの緊張感が充満したステージは、予定を大きく超えて3時間を超える大舞台となった。

 GRAND STAGEだけではなくOPEN STAGEにも中継されており、会場を訪れたマスターらは休憩処のベンチだけではなく、OPEN STAGEに入れない方々は地面に座り込み、じっくりとそのストーリーと朗読劇を楽しむ姿が見られた。

 3時間もの朗読劇を、幕張メッセのアスファルトに座り込んでしっかりと聞き惚れる、その様は一種異様に見えるだろう。

 だが、その姿・瞳の先に、『Fate/Grand Order』の魅力・コアを見つけることができる。麗しきサーヴァントに胸を躍らせながら、彼らがどのような思考と想望を巡らせ、ときに感情を発露していったのかが、この作品が数多くのファンを惹きつけてきた理由なのだから。

「7年前にはゲームをしようとしたときに膝の上に乗せてた子供が、大きくなってベテランマスターとともにゲームを始めました」

 そんなエピソードが『「Fate/Grand Order」スタッフトーク』で披露されたのを思い出す。

 来場した観客を見てみると、まだ高校生か中学生かと思えるほどに若いマスターもいた。時間と想いは巡り、新たに心打たれる者が少しずつ現れる。重厚かつ繊細、鮮烈な衝撃を保ち続けてきた本作の灯火は、コロナ禍という未曽有の災害のなかにあっても、衰えることなく燃えていた。それがハッキリとみえたライブイベントであった。

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