引退馬協会は馬の最終ステージまで
ずっと見守り続けます。
1997年、まったくの手探りで始めた引退馬の里親捜しを目的とする組織「イグレット軽種馬フォスターペアレントの会」。競走馬たちは引退した後、ほとんどが廃用となってしまうということを知り、なんとか生かせる道をと模索して辿り着いた、引退馬協会の前身です。
あれから20年が経ち、引退馬を取り巻く環境も大きく変わりました。ここ数年、欧米では引退馬を再調教して譲渡するプログラムを行う団体が増え、引退馬協会でも2011年から「再就職支援プログラム」を開始し、競走馬を第二のステージへ繋げる事業を始めました。
このような国内外の引退馬支援活動の広がりを受け、競馬関係者も引退馬たちの余生に目を向けるようになり、まだ「引退馬」と言う言葉も一般的ではなかった時代から比べると、引退馬の支援活動の裾野は確実に広がってきていることを感じています。
「引退した馬は役に立たない」と言われた時代から、「馬がいるから楽しい」「馬に会いに行こう」という時代に変わりつつあります。
人が馬を助けているようでいて、実は馬も人に元気をもたらしたしてくれています。新しい交流の輪を引き寄せ、人と人のつながりをつくってくれたことも少なくありません。馬と人との間にある絆は目には見えませんが、確実に強く、固く、結ばれるようになってきています。
今後、引退馬の支援活動は、ますます大きく広がっていくでしょう。馬を愛する一人ひとりの心を、より多くの馬たちへ届けるだけでなく、馬と人との距離そのものも、自然にふれあえる近さとなっていくはずです。
「引退馬たちが終生、安心して暮らせるよう、ずっと見守っていきたい。そして引退馬を支援、繋養することで、人も馬も幸せにしたい」という強い思いが、私たちの20年間の活動のベースにありました。
その経験と実績を、次の時代へ伝えていく資産として。
引退馬協会は、これからも、馬と人、人と人をつなぐ架け橋であり続けようと思います。