MAX規制の盲点!初代牙狼を21台も設置するパチ屋の話 前編
昨今のパチンコ業界の情勢はいつになく厳しい状態だが、実はクロロエリア長の管轄しているヨークシンシティ相模原店においてはパチンコが賑わっており、ことさらパチンコの稼働においては地域一番店であった。
ちなみに、そのホールはパチンコ200台スロット250台、設置台数は合計450台の郊外店である。
そのような小規模ホールはどこのエリアでも1000台クラスの大型店の餌食となるのが世の常だが、このホールは違った。
小型店にも関わらずパチンコだけの稼働は地域一番、いや、全国一番といってもいいほどの賑わいを見せていたのである!
その理由は一体なんだろうか?
CR牙狼XX(初代ガロ)を21台も設置していたのである。
ちなみに、設置状況としては4パチに20台をボックスで設置しており、残り1台を1パチに設置していたのだった。
実は昨今のMAX規制により大当たり確率が1/320を超えている台はすべて撤去しなければならなかったのだが、初代ガロに関しては認定が切れている機械ということで撤去対象にならなかったのである。
実はクロロエリア長はそのことを2年前から見越していたので、初代ガロを20台ほど寝かせていたのである。
「今は動かなくてもいいから、撤去はせずにいこう。MAX規制後は必ず流行る!」
そのようなことを当時から発言していたのだ。
で、フタを開けてみたらこれが大当たり。
市場には北斗無双・ガンツ・ダンバインといったミドルスペック機がメイン機種として稼働しているが、ヨークシンシティの4パチでは初代ガロが現役稼働しているのである。
これは魔戒の花の撤去後は流行らないわけがない。
そのタイミングを機に、ヨークシンシティのパチンコ稼働は全国から初代ガロのファンが集結したちまち地域一番店になったのだ。
「ふむ。わしの予想が的中したな。
初代ガロがある限り、パチンコ稼働は今後も地域一番店よ!
しかも、スタートが5.0を切っても稼働が落ちないなんて夢のような機械だぜ!」
「左様でございます。
初代ガロがある限り、ライバル店にパチンコ稼働で負けることはありませぬ」
クロロエリア長だけなく、ヨークシンシティ相模原店の店長であるバショウ店長もご満悦だった。
初代ガロを合計21台も設置いているパチンコ店なんて全国どこを探しても存在しないだろう。
このまま永遠に稼働させることができれば、ヨークシンシティ相模原店は今後も地域一番店に君臨すると思われる。
しかし、それに関しては一抹の不安が存在した。
それっていうのも認定が切れているので、部品の生産が中止となっているだけなく、部品交換してもそもそも警察検査ができないので、部品が壊れたら=撤去するしかないということだった。
「のう。バショウよ。
初代ガロは2008年の登場から実に9年も稼働しておる。
ガタがきているということはないか?」
それに対してバショウが答える。
「ご安心なさいませクロロエリア長。
初代ガロはすでに何台か部品にガタがきて壊れた台も存在しましたが、部品取り用の台を一台確保しておりまする」
ちなみに、バショウが話していた部品取り用の台とは「CRウイングマン」だった。
この台であれば、初代ガロと同じ枠を使っているので、消耗品の部品は全て一緒なのである。
ハンマーやチャンスボタンや上皿やレールなどなど、すべてガタがきたら倉庫に置いてあるCRウイングマンの部品と交換し、警察検査を通さずに台を解放していたのである。
むろん、警察検査をなしに部品交換した台を動かすことは違法なわけだが、部品交換したかどうかが警察にバレることがない為に、やりたい放題だったのである。
「おお!
それを聞いて安心したぞ。これで初代ガロは永久に稼働できるな!」
「左様でございます。クロロエリア長。
部品取り用のウイングマンがなくなったら中古ショップで購入してきまする」
それは完璧な計画だった。
商圏にはマルハンやメガガイアといった最強の法人が存在したのだが、初代ガロが21台あれば戦っていける。
これこそ原子力潜水艦を手に入れた北朝鮮のようなものである。
「これでヨークシンシティ相模原店の稼働は安泰だ・・」
と、そう思った次の瞬間!
クロロエリア長は事務所のモニターを見て青ざめた。
「バ・バショウ・・・あれを見ろ・・」
その後、モニターに写っていたものとは・・