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DFとボランチの間を利用した香川  ブンデスリーガ第23節、ドルトムントはホームでシャルケと対戦して3-0と快勝。香川、ロイスを中心に連動した攻撃でシャルケのDFラインを圧倒。

ドルトムントの脅威にさらされ続けた内田は試合後、嘆息とともに賛辞も送った。

 ダービーで砕け散ると、内田篤人は嘆息した。
「あのメンバーでどうやったら勝てねぇんだよ。すげぇな。逆にすげぇよ、勝てねぇの」
 2015年2月28日、ブンデスリーガ第23節――伝統のレヴィア・ダービー。12位ドルトムントはホームに4位シャルケを迎える。 

 ドルトムントの対シャルケ戦の先発メンバーは次のとおり。布陣は4-2-3-1である。
【GK】バイデンフェラー、【DF】右SBキルヒ、右CBスボティッチ、左CBフンメルス、左SBシュメルツァー、【MF】ボランチにサヒン、ギュンドアン、2列目は右からムヒタリヤン、香川真司、ロイス、【FW】オーバメヤン。

 前半からドルトムントがシャルケを圧倒した。3分、香川はギュンドアンからボールを受けると、オーバメヤンへスルーパス。1対1。GKヴァレンロイターに阻まれる。

 5分、ムヒタリヤンの左からの折り返しに、ペナルティエリア内で香川はダイレクトでシュートを打とうとする。しかし合わない。

「バイタルの中央で、特に今日(のシャルケは)ワンボランチみたいな感じだったから、上手く両脇が空いていましたし、そこを上手く突けました」と言うように、香川はシャルケのDFラインとボランチの間のスペースを「上手く」利用していった。15分には裏に抜け出して、右足のアウトで惜しいシュートを放つ。

「半分守備練習みたいな感じだったからね」  また、この試合での香川は、味方のためにスペースを作る動きも目立った。

 21分、CBナスタシッチを釣って、キルヒからムヒタリヤンへのパスを誘う。

 25分、CBヘーヴェデス、ボランチのヘーガーを少し食い付かせて、その後ろのスペースへロイスが走る。ロイスはノイシュテッターを交わす。折り返しをオーバメヤンが詰める。しかし、ナスタシッチの足に当ててしまう。

 香川は「上手くマルコ(・ロイス)とかと連係して、動きを見ながら、お互いやれていたと思います」と振り返る。

 35分、香川からロイスへスルーパス。鋭いドリブルからロイスはシュートを放つ。わずかに左に逸れる。

 ユベントス・スタジアムの異様な雰囲気の後では、心強いホームの空気は頼もしく感じられたところもあったかもしれない。フンメルスとスボティッチの両CBは、失点を続けたこれまでとは見違えるように安定した。2列目からパスを出されても、FWフンテラール、チュポ・モティングにしっかりと対処し続ける。隙を与えない。

 DFラインは安定し、サヒン、ギュンドアンを軸にパスは回り、ドルトムントは、香川、ロイスを中心としてシャルケをズタズタにした。

 内田が「途中から、半分守備練習みたいな感じだったからね」と言うシャルケが、無傷のままでいることの出来た理由は分からない。「前半、0-0で本当にラッキーだった」と内田が振り返るように、それは運としか言いようが無かった。

 後半に入る。ドルトムントはシャルケを嬲り続ける。

 51分、スボティッチからロイスに縦パスが入る。香川、オーバメヤンが瞬時に動き出す。ロイスがシュートを放つ。少し左に逸れる。「本当に今日はみんな集中して、連動して、相手よりも一歩早く動けていた」と香川が言う。

強さを取り戻したドルトムント

 55分、サヒンからロイスへ。ロイスは一発で抜け出して、シュートを放つ。ヴァレンロイターが弾いたところに、香川が詰める。ノイシュテッターがかろうじてクリアする。

 シャルケは粘った。驚異的だった。しかし76分に香川に代えてブワシュチコフスキが投入されると、78分オーバメヤン、79分ミキタリヤンと立て続けに失点してしまう。2-0。あっという間だった。

 内田は「時間の問題」だったと言う。香川に代えてブワシュチコフスキが入ったからといって、ドルトムントのサッカーが変わったところはない。

「もう前半からシンジには大分やられていましたし、シュート数も大分あったし、ラッキーの部分もあったから、点取られるのは時間の問題かなっていうのは感じてましたけどね」、と。

 前半から香川達によって続いたドルトムントの攻撃は、ボディ・ブローのように効いていて、シャルケはジャブが一発でも入ればノックアウト寸前だったのだ。   85分、プレスを掛け続けたロイスが、ナスタシッチのヴァレンロイターへのバックパスを誘う。そのままロイスが詰めて、ヴァレンロイターからボールを奪うような形でゴールへと流し込む。3-0。ダメ押しだった。

 試合が終わる。両チームのシュート数は、ドルトムント:31、シャルケ:3。

 ドルトムントは、一時は最下位にいたことが嘘のように、シャルケを粉砕した。

内田は「オレらも、点取れそうで取れなくて負けているっていう試合はあったからね。そこを狙っていたんだけどね。そこをしっかり点を取って勝つっていうのはね、ドルトムント、いいですね」と評価する。  

5-3-2の固いシャルケを砕いたドルトムント。
これから戦う相手は、引いて構えても無駄かもしれない。続きを読む