前日本代表監督のアルベルト・ザッケローニが、11月3日深夜(イタリア時間)、『Sky Sport』の討論番組『Sky Football Night』に、
旧知の友人でもあるチェゼーナのリーノ・フォスキSDとともに出演、セリエAから日本代表まで様々な話題についてコメントした。以下がその内容だ。
<ミランと本田について>
「インザーギ(監督)はクラブの内外に大きな高揚をもたらした。とりわけ開幕当初はそれがはっきりと伝わってきた。
このミランは、相手がスペースを与えてくれた時に本領を発揮するチームだ。それが見出せない時には、両SBを同時に上げるというリスクを冒すが、
そのしっぺ返しを食らうこともある。パレルモ戦(10節/0-2)ではまさにそれが起こり、最終ラインが困難に陥った」
「(オーナーのシルビオ・ベルルスコーニの介入が監督の選択に影響を与えるかどうかは)誰が監督かによる。
監督に意見を言うのは彼の権利だと思うが、それを検討して最終的な決断を下すのは監督だ。私個人の経験を言えば、あまり介入は受けなかった。
一度だけ意見が一致しなかったことがある。私は4バックよりも3バックのほうが、守備が安定するという確信を持っていた。
それは、前線にベテランだがゴール前では違いを作り出してくれる強力なアタッカーを擁していたという理由もある。
彼らに中盤に戻って守備に手を貸してくれと言う気にはならなかった。
ミランにおいて、4バックは当然の大前提だという雰囲気があったが、それはかつてそれですべてのタイトルを勝ち取ってきた経験があるからだ。
しかしメンバーが変わればチームもシステムも変わるものだ」
「本田は優れたテクニックと非常に高い持久力を備えている。一見疲れているように見えるかもしれないが、実際はそうではない。
90分を通して同じペースでプレーできる。元々は足下にパスを受けてのプレーを好む選手だが、右サイドにもよく適応して、走り込みのタイミングも身についてきた。
フィジカルが強いのでそう簡単にボールを失わない。最近は相手も本田をリスペクトして当たりに行かず、ディレイするようになってきた。
このミランに大きな貢献を果たすことができるはずだ。昨シーズン、移籍当初は調子が良くなかったが、今は違う」
<ユベントスとローマについて>
「アッレグリ(監督)のユベントスは、コンテ時代と比べると仕掛けのタイミングがやや遅いので、相手に守備陣形を固める時間をより多く与える。
ローマは、攻撃を加速した時がスペクタクルだ。両チームにそれほど力の差があるとは思わない」
<インテルについて>
「私の見方からすれば、ウイングバックによる攻撃のサポートが十分ではない。また、インサイドハーフがすぐに出しどころを見出せず、ボールを持ち過ぎる傾向がある。
どうすれば解決できるか? (チーム全体の)フィジカルコンディションが上がらないと。それに今は長友が欠けている。昨シーズンは前半だけで5、6ゴールを決めたのだが……」
「監督は自分のやり方に対する絶対的な自信がすべてのベースだが、選手は彼らなりの確信を求めている。しかし、いまマッザーリ(監督)は、
その確信を選手たちに与えることができずにいるように見える。彼はこれまでどのクラブでも結果を残してきた。
マスコミのプレッシャーに振り回されず、落ち着いて仕事を積み重ねていくことが大事だと思う」
<日本について>
「日本での経験はすべてがファンタスティックだった。どうしてお金をもらえるのか理解できなかったほどだ。これだけの経験をさせてもらって、
本来なら私のほうがお金を払ってもおかしくなかった。人生で最も素晴らしい経験だった。これ以上の経験はあり得ない。
残ることができなかったのは残念だが、あと4年間は長すぎただろうと思う」
「ベンチが恋しくないか? ここの夏は素晴らしいので何の不足も感じなかったが、今はそろそろ少し恋しくなってきたかもしれない。イタリア代表?
何のコンタクトもなかった。協会サイドに聞くべき話だ。いずれにしても、彼らは最良の選択を下したと思う」
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