石破 茂 です。
総裁選挙も3日目となりました。厳しい残暑の中ですが、日々全力を尽くしております。お支え頂いている同志議員や全国の皆様、郷土鳥取県の皆様の献身的な思いと活動に、何としてもお応えしたいと固く決意しています。
本日は日本記者クラブでの討論会の後、午後6時より名古屋の久屋大通公園内光の広場で街頭演説会が行われました。ご参加いただいた皆様、暑い中、長時間お立ち頂き、耳を傾けていただきまして、本当にありがとうございました。9名もの立候補者ゆえ、演説会の各自の持ち時間も短くなり、内容を深めるのはなかなか困難です。今回、経済対策と裏金問題議員への対処の他、「選択的夫婦別姓制度の是非」「解雇規制緩和の是非」が、テレビ討論でも記者クラブ主催の討論会でも取り上げられます。この重要性は否定しませんが、論じるべきことはそれだけではない、という気がしてなりません。
かつてなく厳しい安全保障環境の中、我が国の防衛政策は当然ながら抜本的な強化を迫られています。旧ソビエト連邦は米国を何回も全滅させることが出来るほどの核ミサイルを保有しており、そうであるが故に互いに撃ち合いになることを避ける「相互確証破壊(MAD)」が機能し、核戦争には至りませんでした。これは米中においては妥当する概念だと考えられますが、北朝鮮には妥当しない可能性が高いと思います。北朝鮮は、「北朝鮮が存在しない世界など無い方がいい。死なばもろとも」という考えを持ちかねず、国民の幸せなどは指導者の眼中にない専制独裁テロ国家であり、その国が米国東海岸まで到達するミサイルを保有するに至ったことは、従来の安全保障政策を根幹から見直さねばならないことを意味します。「今日のウクライナは明日の東アジア」と、ロシアを中国に、ウクライナを台湾に置き換えて論ずるのなら、ウクライナにおいて抑止力が効かなかった原因を検証し、その穴をどうやって埋めるのかを考えなければなりません。東アジアにNATO的な組織は存在せず、台湾は国連にも加盟していません。常任理事国の拒否権によって国連が実質的に機能しないからこそ、アジア太平洋地域において集団安全保障の機構が存在しなければならないのです。
保守とはイデオロギーではなく、国民統合の象徴であらせられる天皇陛下と皇室を敬慕し、祖先を敬い、家族を大切にし、地域を愛する「佇まい」のようなものだと思っています。演説に向くテーマではないことを十分に知りつつも、日本国の独立と平和を守り、世界の平和を築くための具体的な方途が論じられる総裁選としたいと思っています。残暑が続きます。今日から三連休の方も、お仕事の方も、どうかご健勝にてお過ごしくださいませ。