第一夜で匂いの念の話をし、第二夜で人とも妖怪とも分からない物の話を書いた。
匂いの念が家を抜け出してしまったか?匂いは事件が起こる前兆か?と言うお話。
<第五夜>生ごみ臭と事件。
神輿を担がなくて良くなったこと・祭りの行灯だけは、各家庭の玄関前に設置した
と書いた。8月15日の夜に明かりを灯し16日の夕方には行燈を撤去する予定だった。
撤去の矢先、自宅前の細い道を何台ものパトカーが通り、突き当りの寺付近に集る。
(何事?)まだ家の中にいた自分は、行燈を括っていた紐を切るためハサミと脚立を
手にし玄関扉を開け、真向かい真横に住む野次馬となった班の人達に声をかけた。
「なんかあったんですか?」「○○寺の横のアパートで、事件があったみたいよ」
「えっ!」驚いた!そう。第二夜で登場した、あの突き当りの寺とアパートだ。
寺とアパートの方に目をやると、班のご意見番さんがアパートの住人・警官・町内
会長に混じり手がかりを聞き出そうとしているかのように見えた。「ありゃー」
パトカーが一台また一台と、何事も無かったかのように自分たちの前を帰って行く。
ご意見番さんと町内会長によると、アパートの住人が(助けてくれ!)と通報して
この有様になったのだとか。15日・16日二度の通報。只事ではないと思うのだが。
一人者たちが住むアパートでの隣人トラブル。(助けてくれ!)とは穏やかでない。
刃傷沙汰にならなかったのは幸いだが、自分は(はて?)と、思い出してしまった。
自分はこの寺の門をくぐって、この寺に借りている駐車場へ向かう。買い出しの為。
水曜と土曜8月になって、何度か門をくぐってある1点に生ごみ臭を感じ取ったのだ。
(観音様を祀るお寺の門横に、何でごみ臭?)物凄い違和感と悪臭で足早に離れたが。
第一夜で書いた匂いの念。念が自分に(このアパートで、近々何か起こるよ…)そう
伝えていたのだとしたら。予知臭?を感じた?…恐ろしい、ひたすらに恐ろしいぞ!
お盆の怪異。お読みいただきありがとうございました。m(__)m