来なくていい、という母の本心

考えられることの一つは、母の記憶の中に、私が息子の療育でとても忙しかった頃のことが強い記憶として刻まれているのではないかという点。

障害の重い息子を育てるのはたしかにたいへんでしたが、息子が亡くなってからすでに10年経っています。それでも母は、忘れられないのかもしれません。

もう一つが、6年前から私が義母と再び同居をはじめたこと。長男の嫁として、一度失敗した同居を介護のために再開したと思っているようです。

母は親の介護をした経験もないので、私を休ませたいと思っているのかもしれません。



自分も様々な経験をしてきたことを、母はどのように考えているのでしょうか。

そういえば先日、満州で住んでいた頃のことを話せる入居者さんがいたようで、嬉しそうに聞かせてくれました。

母は満州で生まれ12歳で日本へ戻ってきた（日本からの移民）。当時のことを話したがらない母だが、今の有料老人ホームで満州で住んでいた入居者さんと知り合い、話が弾んだそう。母もその人も、良い思い出だけが残っているようだ。私のしんどい思い出もいずれは消えていくんだな…と思わせてもらえた。

— 原田さよ🌸書籍発売中 整理収納アドバイザー (@sayoslife) June 25, 2024

現在の私は、忙しくなどありません。

義母の身の回りのことでは、しんどい事実もありますが、コロナ禍を機に在宅ワークになった夫の協力があり、ずいぶんラクになりました。

このことを母に説明して、「また来るからね」と伝えるのですが、「来なくていいのよ」という会話に毎回なってしまう。とほほです。

おわりに

母はもともと、自分に厳しい人でしたから、できるだけ子供の時間を奪いたくないという思いもあるのでしょう。

でも、母に面会に行くのは、母のためというより私のためです。

それに、今の穏やかな母の状態がいつまで続くかもわかりません。

認知症になってきていても、母は母。「忙しいでしょうから来なくていいのよ」と言わせないで済むぐらいの間隔を見つけたいです。

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