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最近読んだ本 『月夜の島渡り』(恒川光太郎、角川ホラー文庫)



 『月夜の島渡り』(恒川光太郎、角川ホラー文庫)を読みました。沖縄を舞台とするホラー短篇集です。


「弥勒節」(みるくぶし)
 ヨマブリと呼ばれる怪現象が起こる島で、主人公の男性は奇妙な老女から胡弓を譲り受けます。語り継がれることのないヨマブリの話が悲しい。


「クームン」
 古い靴に囲まれて暮らす、もじゃもじゃ頭で着物姿のクームンという妖怪が取り持つ、ボーイ・ミーツ・ガールのお話。おもしろかったです。


「ニョラ穴」
 罪を犯して離島に逃げ込んた男による手記形式のホラー小説。男が身を隠す島には、ニョラと呼ばれるバケモノが棲む穴があります。ニョラは大きな軟体動物のようなバケモノで、クトゥルフ神話の邪神のような感じです。ニョラは人の精神をコントロールする力を持っています。この作品は『恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション』(朝宮運河編、角川ホラー文庫)で既読でしたが、おもしろかったです。


「夜のパーラー」
 夜、人けのない林の中で営業しているパーラーに入り、沖縄そばを注文した男性。店内には若い女が1人。ちょっとロマンチックな雰囲気で始まりますが、やがて怖ろしい結末を迎えます。


「幻灯電車」
 子供の頃、お化け電車に乗った女性。壮絶な人生を送った彼女の前に、幻の電車が再び現れます。彼女に毒薬を売って消えた男が印象的でした。


「月夜の夢の、帰り道」
 旅先の離島で、幽冥な気配の女から不吉な予言をされた少年。彼の半生は不運続きですが、思いがけない結末を迎えます。「そんな風にはならない」というセリフが印象的でした。ボーイ・ミーツ・ガール+魔女+時空ものファンタジー。


「私はフーイー」
 琉球の島で転生を繰り返す女性、フーイーの物語。琉球王国は琉球藩になり、沖縄県となって、やがて戦火に包まれます。





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