最後は有沙瞳と組むはずだったと、星組トップ娘役の不在発表で表明された礼真琴。
暁千星のお披露目にとっておいて欲しかった『1789 -バスティーユの恋人たち-』、トップスターで海外ミュージカルなのにシアター・ドラマシティ公演の『Le Rouge et le Noir ~赤と黒~』、土壇場で用意した餞なら全て納得だ。
池田泉州銀行は実質大劇場ヒロインを確約しても、残ってくれないこともあると知った。だからこそ既に宙組トップ娘役である、春乃さくらを起用したのか。
礼真琴専科説に一縷の望みはあるが、プレ退団ほぼ確の日本武道館コンサートも発表された。
いわゆるやもめ退団で、真風涼帆時代前後の宙組が再現されるのだろう。
轟悠ポジションに収まって欲しいとは思う。
しかし前回の 『BIG FISH』、そして公演中の『記憶にございません!』-トップ・シークレット-はともかく『Tiara Azul -Destino-』が舞空瞳だけでなく礼真琴の退団っぽさもある。
そもそも“ANTHEM”-応援歌-にするぐらいだから、少なくとも星組からは次で離れるだろう。
もう1作あるかと思ったが、真風涼帆と潤花の時もそう思った。コロナの約半年中止がここに来て響いているのか。
ここのところ小池修一郎が、重宝してきた男役の退団公演を務めている。
礼真琴は真風涼帆と同じく、トップ期間に新人公演時代のセルフ再演と再演作品のみ。新作で有終の美を飾る可能性は高い。
の通り、知名度のある原作を用意するだろう。オリジナル要素は抑えて、そのまま持ってくるかもしれない。
『神々の土地』化する予定だった礼真琴退団公演が、有沙瞳の不在で宙組と重なり過ぎずに済むとは思う。
しかし真風涼帆と潤花が前任であるIwataniとヒガシマル醤油のイメージキャラクター、暁千星と詩ちづるも揃っている。元々かなり宙組っぽいのだ。
星組では有沙瞳だけでなく、天華えまも既に退団している。花組ではトップスター永久輝せあの同期、綺城ひか理の退団も発表された。
水美舞斗や瀬央ゆりあ、伶美うららもそうだが、もう同期を支えてくれる主演級のスターを確保し続けるのは難しいだろう。下級生ならなおさらか。
人材確保は日本中の課題であり、宝塚でも問題となるのは必然ではある。
解決とまではいわないが、大切なのは「不安の解消」だろう。
残念ながら「宙組っぽい」というのは、それだけで不安になるのだ。
宙組のやり方を辿らない、配慮が今は必要である。