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 この訪泰の旅でもはっきりと目的地を決めていたわけではないが、行ったことのない土地を目指してみようということで、タイ中部からペチャブーンを抜けルーイまで行ければ、と思っていた。ルーイはタイ北部と東北部の中間あたりに位置し、メコンを国境にラオスと接している。

 タイ中部のナコーンサワンまではバンコクから鉄道、タイ国鉄北線でやってきた。ここからはペチャブーンやルーイ方面には鉄道はないので、バスやロットゥがメインとなる。

 ナコーンサワンからペチャブーンを目指そうと思ったのは、隣接している県なのでバスもそれなりの本数が出ているだろうと思ったからだ。しかしナコーンサワンのバスターミナルに行ってペチャブーン行きのバスのことを聞いてみると1日1本15:00発だけとのこと。(実際は15:30発だった)

 土地勘のない初めての街の到着はなるべく夜になる前に着きたいので、いつも長時間の移動をするときはもっと早い時間帯を選ぶのだが、これしかないのなら仕方ない。

 ただ昔のように着いた時点から宿探しをする必要はなく、インターネットで事前にバスターミナルから徒歩で行ける範囲の宿を予約しておくことも可能だ。「未知の土地で宿や食事を確保できるだろうか」と不安や焦燥にかられることはほとんどなくなった。もちろん不便やストレスはないに越したことはないはずだ。しかし、趣味というのは(いろいろと程度の違いはあるだろうけれど)、しんどいことや不便や無意味なことがあって、それを乗り越えたり解決したり達成したりするのが楽しいものなのかも知れない。そういう意味では、旅の不便やストレスがどんどん少なくなってしまうと、旅はどんどんつまらないものになってしまうような気もする。

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 閑話休題。ナコーンサワンからペチャブーン行きのバスは、一日一往復しているのだと後に気が付いた。午前にペチャブーンを出て午後にナコーンサワンに着く。休憩をとって折り返し、ペチャブーンに着くのは夜19時頃。

 このバスを降りてからペチャブーンで二晩過ごし、翌々日の朝ルーイ方面に向かうためにペチャブーンのバスターミナルに着くと、ちょうど来るときに乗ったのと同じバスがナコーンサワンに発つのを待っていた。パリッした小奇麗な服の女性車掌は二日前に乗った私のことを覚えていたようで、爽やかな挨拶を頂いた。ナコーンサワンに戻るのか、と聞かれたが、これからルーイに行きたいんだ、というと、これまた爽やかな笑顔を頂いたのが印象的だった。

※2023年2月当時。バスの時刻や運行状況などは変わりますし、個人で見聞きした現地情報ですので正確かどうかもわかりません。ご了承ください。

【写真】2023年2月
【文章】2023年8月
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