いちばん寿司はシンガポールで見かけた寿司チェーン。いくつかの場所で見かけたので、それなりに店舗数があるのだろうと思う。
どうやら日本人が経営者のようだが、日本で同名のチェーンは見かけない。競争が激化している国内ではなく、敢えて海外で勝負することを選んだのかも知れない。
店はそれなりに繁盛していた。値段も日本よりは若干高いが、海外で寿司を食べる割にはかなり手頃なほうだ。
上の写真の店内の拡大。
日本で良く見るような回る寿司と、見たところ遜色ない。衛生面を考えてか、カバーがあるあたりは、くら寿司を参考にしているのだろうか。ただしこのカバーはPETの薄いカバーが載っているだけなので、くら寿司のようなカラクリが施されているわけではない。
日本と同じような江戸前の握り寿司も普通に流れてくるが、やはり日本と同等の味を期待してはいけない。日本の100円回転寿司の費用対効果は、激しい競争によって磨きあげられた企業努力の賜物である。
しかしこのいちばん寿司には、日本にはないオリジナリティ溢れる寿司のメニューが結構たくさんあった。主に巻き寿司が多い。いわゆるカリフォルニアロールみたいなものだ。イマイチなものもあったが、大抵は結構斬新かつそれなりに美味しいものだった。日本で舌を肥えさせられている握り寿司を食べるよりも満足できたし、何よりも楽しいと思う。
私は海外に行ったときに、日本食を食べたくなることは多くはない。ただこの時はとっても疲れていて、食事をとるために出かけたり、レストランを探して歩くのも億劫になって、帰りがけに手頃に食べられそうなこちらに立ち寄ったのだ。
でも、たまには海外で日本食を食べるのも良いかも知れない。あまりオリジナルの和食に忠実ではなく、その国のオリジナリティ溢れる日本料理もまた刺激的な体験で面白い。もちろん怒りたくなるような嘆かわしい代物が出てくる時もあるけれど。
【写真】2011年11月
【文章】2017年12月
【文章】2017年12月