北海道の気ままなドライブ旅で、ちょうど本土最東端の根室の納沙布岬を訪れ、そこから海に沿って知床や羅臼の方面に向かって走り始めたのだが、少し進んだところで『原生花園』の文字を見つけたので車を止めてみた。
原生花園とは、手付かずの自然の状態でもたくさんの花が咲く湿地帯や草原地帯のことで、特に道東から道北にかけてのオホーツク海沿岸に多く分布している。私が子供の頃に行ったことがある小清水の原生花園が特に有名で人も多かった記憶があるが、この北方原生花園は土産物屋も観光施設もなく、観光客もほとんど立ち寄らないようだった。
たくさんのポニーたちが、のんびりと草を食んでいた。
今から思うと残念なことだが、当時はあまり生物学、つまり動物や植物にはあまり興味もなかったので、緑が鮮やかで綺麗だとか、長閑で良いだとか、そういうレベルでしか捉えていなかった。
今だったらもっと違う見方ができるのだろうな、と思う。知ることは次なる知識への好奇心を産むのだが、森羅万象を知り尽くすには人生は短すぎる。
とはいえ、何も考えずにこんなところをゆっくり散歩してみるのも悪くない。
向こうは海。手前の黒い車は当時の愛車、インプレッサ。
いいよね、北海道。
いいよね、道東。
【写真】2004年8月
【文章】2019年8月