「賃貸併用住宅」の価格はいくら? ローコストで建てる方法も解説
土地活用をお考えの人の中には、「賃貸併用住宅」に興味がある方もいらっしゃると思います。賃貸併用住宅は自宅とアパートを兼ね備えた建物であり、1つの土地しかもっていない人でも可能な土地活用です。この記事では賃貸併用住宅の価格について解説します。
土地活用をお考えの人の中には、「賃貸併用住宅」に興味がある方もいらっしゃると思います。賃貸併用住宅は自宅とアパートを兼ね備えた建物であり、1つの土地しかもっていない人でも可能な土地活用です。この記事では賃貸併用住宅の価格について解説します。
目次
賃貸併用住宅の価格相場は以下の通りです。
「1坪=1平米×0.3025」で計算します。
敷地が60坪ある場合、賃貸併用住宅の建物の延床面積も60坪程度になることが一般的です。
木造の「坪90万円」で延床面積が60坪の賃貸併用住宅を建てた場合、建築費は5,400万円(=90万円/坪×60坪)程度となります。
賃貸併用住宅は、単純に自宅だけ、またはアパートだけを建てるよりも建築費が割高となる傾向があります。
自宅だけよりも割高となるのは、住宅設備が増えることが主な理由です。
賃貸併用住宅では、自宅だけでなく、アパート部分にもバスやトイレ、キッチン等の住宅設備が各戸に一つずつ設置されます。
同じ延床面積でも、バスやトイレ等が1個で済む「自宅だけ」よりも複数個が必要となる「賃貸併用住宅」の方が面積当たりの建築費単価は割高です。
また、アパートだけよりも割高となるのは、自宅部分の仕様が高くなることが多いからです。
通常、アパートはコストを抑えるために、設備や内装・外装等を割り切って価格の安いものを選定します。
一方で、マイホームは自分が住む家を建てることから、設備や内装・外装等にこだわって高価なものを選定する傾向が強いです。
自宅部分は贅沢に作りがちとなるため、割り切って建てるアパートだけの物件よりも建築費は割高となります。
この章ではローコストで賃貸併用住宅を建てる方法について解説します。
ローコストで賃貸併用住宅を建てるには、ハウスメーカーに依頼することがポイントです。
ハウスメーカーに依頼した方がコストを抑えられる理由としては、主に以下の3つがあります。
【ハウスメーカーが安い理由】
1つ目の理由としては、ハウスメーカーは社内の設計士が設計するため、設計料が安くなるためです。
建物を建てる上で、本来、設計と施工は別になります。
設計と施行を同じ会社に依頼する発注方法を「設計施工一貫方式」、別の会社に依頼する発注方法を「設計施工分離方式」と呼びます。
ほとんどのハウスメーカーは「施工会社かつ一級建築士事務所」であることから、設計施工一貫方式で依頼することが可能です。
設計施工一貫方式で依頼すると、設計料は建築費の1~3%程度なります。
それに対して設計施工分離方式で依頼すると、設計料は建築費の5~8%程度です。
設計料を安く抑えられることから、施工しかできない工務店に依頼するよりもハウスメーカーに依頼した方が全体コストを抑えることができます。
2つ目の理由は、ハウスメーカーは住宅を大量生産していることから、建築資材を安く調達できるという点です。
ハウスメーカーは、アパートやマイホームを規格品として生産しており、同じ建築資材を大量発注して安く調達しています。
受注の都度、個別に建築資材を仕入れている工務店に比べると、ハウスメーカーのコストパフォーマンスは高いです。
3つ目の理由は、ハウスメーカーは工業化工法によって住宅を建てるため、工期が短い点も挙げられます。
工業化工法とは、建築部材のほとんどを工場で生産し、現場では組み立て作業だけをするイメージの工法のことです。
工期が短いと、1つの現場で抱える職人の人件費も抑えられることから、建築費は安くなります。
ハウスメーカーの施工体制そのものがローコストを実現していることから、ハウスメーカーに依頼することで自然に費用を抑えることができるのです。
建築費を抑えるのであれば、相見積もりを取ることが鉄則です。
相見積もりを取得する先はハウスメーカーが適切であり、複数のハウスメーカーから見積もりを取ることがコスト削減につながります。
ハウスメーカーの各社にはそれぞれ設計者がいますので、ハウスメーカーを変えると異なるアイディアの設計が出てくることが通常です。
同じ敷地でも、アイディアが異なるとコストが大きく下がることがあります。
同じ設計で複数の見積もりを取るよりも、設計もガラっと変えて異なるプランで見積もりを取った方が、コストは大きく下がる可能性は高いです。
相続会議の土地活用プラン請求サービスでは、複数のハウスメーカーから賃貸併用住宅のプランを取り寄せることができるようになっています。
ハウスメーカーとのコネクションがない人でも、簡単に相見積もりが取れるサービスになっていますので、ぜひ利用してみてください。
賃貸併用住宅を建てる場合、自宅を50%以上とすると住宅ローンを利用できるため、全体コストを抑えることができます。
法律で定められたものではありませんが、一般的に賃貸併用住宅を住宅ローンで貸し付ける際は「自宅部分を50%以上」という要件を設けている銀行が多いです。
通常、アパートのような収益物件は住宅ローンを利用することはできず、アパートローンを借りることになります。
アパートローンは住宅ローンに比べると、金利も高く、融資期間も短いことが一般的です。
住宅ローンは国が政策的にバックアップしている特殊なローンであるため、他のローンと比べると金利も安く、長期で借りることができるローンとなっています。
自宅部分を50%以上とすると、アパート部分も含めて建物全体の融資を住宅ローンで借りることができます。
各戸の面積を40平米以上とすると、新築時の不動産取得税を安く抑えることが可能です。
新築の戸建て以外の貸家住宅では、1戸あたりの面積が40平米以上240平米以下の場合、課税標準から1,200万円を控除できる軽減措置があります。
40平米だと、間取りとしては2DKまたは1LDKです。
本来、賃貸経営は1戸あたりが18~25平米程度の1Kのような間取りの方が賃料単価を高くでき、収益性を上げることができます。
ただし、1Kで戸数を多くなると、その分、バスやトイレ、キッチン等の住宅設備の数も増え、建築費単価が上がる原因となります。
一方で、3LDKのようなファミリータイプ向けの間取りを作ってしまうと、戸数が減るため建築費を下げることはできますが、今度は貸しにくくなります。
ファミリー層は一般的に借りるよりも買うことを選択するため、賃貸需要が弱くなるからです。
そこで、40平方の2DKまたは1LDKであれば、単身者もターゲットとできるため、賃貸経営が安定します。
戸数も1Kよりも抑えることができるため、住宅設備の数も減り、建築費単価も下げることができます。
さらに、不動産取得税も安くすることができることから、各戸は40平米以上の2DKまたは1LDKの間取りで検討してみることもおすすめします。
以上、賃貸併用住宅の価格について解説してきました。
賃貸併用住宅の価格相場は、木造なら「80~110万円/坪」、軽量鉄骨造なら「90~120万円/坪」程度です。
賃貸併用住宅は、自宅部分の仕様の高さや、住宅設備が多い等の理由により、単純に自宅だけか、またはアパートだけを建てるよりも割高になる傾向があります。
ローコストで賃貸併用住宅を建てる方法としては、「相見積もりを取る」、「自宅を50%以上とする」等の方法がありました。
賃貸併用住宅の価格の概要がわかったら、早速にハウスメーカーに相見積もりを取ることから始めてみましょう。
(記事は2022年1月1日時点の情報に基づいています。)