ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手が13日(日本時間14日)、本拠地でのレッドソックス戦に「3番・中堅」で先発出場。1-4で迎えた7回の第4打席に逆転満塁本塁打を叩き込み、自己ワーストのノーアーチ記録(16試合)に終止符を打った。主砲の76打席ぶり52号が飛び出し、チームは5-4で勝利。連勝を3に伸ばし、ア・リーグ東地区の首位をがっちりキープしている。
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■劇的なグランドスラムで不名誉記録に終止符
0-4と劣勢で迎えた7回裏。ヤンキースは1番グレイバー・トーレス内野手の適時打で1点を返し、なおも無死満塁の好機。ここで打席に立ったのは主砲ジャッジ。相手4番手キャム・ブーザー投手の95.5マイル(約153.7キロ)の直球を完璧に捉えると、打球は左翼席へ飛び込んだ。
8月25日(同26日)のロッキーズ戦で2発を放って以来、前日まで自己最長となる16試合連続ノーアーチとなっていたが、ついに不名誉記録に終止符を打った。
ジャッジは試合後、記者から16試合本塁打が出なかったことについて問われると「そんなに? 知らなかったよ。本塁打を打つことにフォーカスしているわけじゃないからね。16試合連続ノーアーチが長いのか、そうじゃないのか私には分からない。キャリアで最長か……。でも、今後もっと長くなる時が来るかもしれないしね」と、いつも通り冷静に振り返った。
ヤンキースのアーロン・ブーン監督は、ジャッジの一打について「走者がいる状態で何とかしてほしいと。値千金の一発を期待する場面だったが、キャプテンは実際に大仕事をやってのけてくれた」と絶賛した。
■レ軍監督「最強打者によって窮地に追い込まれた」
一方、レッドソックスのアレックス・コーラ監督は「ア・リーグ最強の打者によって我々は窮地に追い込まれた。彼はシーズン通してやってきたことを、今回もやっただけだよ」と脱帽した。
52号グランドスラムで打点は130に到達。2022年に記録したキャリアハイの131打点にあと1と迫ったジャッジ。「私はシーズン全体を見渡したり、直近10 試合とか直近20試合とか分けて考えたりしない。私はただ『今日は何をしなければならないか』、それだけを考えて実行するだけ」と話し、先のことを考えたり、過去を振り返ったりせず、目前の試合に集中すると主張した。
ただ、ジャッジのコメントを聞いた先発のクラーク・シュミット投手は「それはどうかな。ジャッジはそういうデータに敏感なんだ」と明かし、不発記録に気づいていたと推察。「無視はできないだろう。だって、2試合本塁打が出なかっただけで、何かが起きているような感じになるんだからね」と笑い、強打者ゆえに少しでも打てないとザワつくと説明した。
本当のところは分からないが、トンネルを抜けたジャッジが年間60本に向けてラストスパートを切ったことは確かだ。
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