今回、新たにFootball Manager 25の開発アップデートを始めるにあたって、まずは前回6月の記事を読んでくださった[www.footballmanager.com]皆様に感謝いたします。[link]皆様の反応やご意見を拝見させていただき、ご指摘いただいた点やご要望は、可能な限りFM25のゲームプレイに反映したいと思っています。

6月の記事では、Football Manager初のFIFAeワールドカップ開催を発表し、先週末、無事に終了いたしました。大会最後の数日間、リバプールの現場から一部始終を見守っていた私は、感心しきりでした。演出から、ご参加いただいたクリエイター、SNSの運用まで、FIFAeの手がける仕事はすべて感動的なまでに高いレベルにありました。eスポーツの世界にFMが参入する様は非常に刺激的で、イベントにご参加いただいた方々、そしてオンラインでご鑑賞いただいた方々も同意見であれば嬉しい限りです。優勝者はインドネシアのIchsan Rahmat TaufiqとBudi Muhamad Manarでした。輝かしい功績を称えます。準優勝となったドイツのSven GolyとTery Whenettも大健闘。素晴らしい活躍を見せました。ご参加いただいた20名の監督はみな非常にレベルが高く、またFMコミュニティがいかにグローバルであるかを示してくれました。観客席に座って、SIチームのライフワークについて司会者や評論家が語っている姿を見た私は、心を大きく動かされるのを感じました。今後数週の間、我々はFIFAeチームとともに大会の精査・反省を行って、どのように次のステップへと繋げていくか、話し合いを重ねていくつもりです。

前回の開発アップデートでは、6月時点での我々の状況をお伝えしましたが、そこからなにがどう変わったか、改めて現状と照らし合わせてみました。今回、この場を借りて、FM25の開発過程で生じた新たな決断や、スケジュールの変更について、私の方からお知らせさせていただきたく存じます。


前回、我々は9月初頭にFM25のリリース日（＋予約販売の開始）と、そのすぐ後に新しいゲームプレイ要素を発表する予定であるとお伝えしました。

まず第一に、FM25発売日の正式発表は、9月末とさせていただきたいです。新しいゲームプレイ要素に関しては、その後すぐにお伝えする予定です。これに合わさるような形で、発売予定日は例年通りの11月頭から、11月末となる見込みです。

FM25の開発は、我々開発陣にとって挑戦続きとなっています。Unityエンジンへの移行は、かなりの難題であると当初から想定しておりました。移行を進め、試行錯誤を続けるうちに、当初想定していた以上に難解な作業であることが、やがて判明しました。考えもしなかったような様々な課題が開発チーム全体に降りかかっておりますが、力の限りを尽くして、順々に乗り越えています。努力の結晶をみなさまにお届けするのが待ち遠しいですが、これを成し遂げるためには、もう少し時間が必要となりました。

6月の記事でお伝えした通り、私たちは絶えず以下3つの自問を繰り返しています：

• 「もう一度チャンスがあったら、同じ方法でやるだろうか？」
  
• 「そもそもこれをする必要があるだろうか？」
  
• 「新時代バージョンの第1サイクルで、これを可能な限り最高の水準で行うのに必要な時間はあるだろうか？」

この数か月間、数々の難題に立ち向かう中、苦渋の決断に迫られることになりました：FM25、FM25コンソール版およびFM25 Touchにおいて、代表監督モードのプレイアブル実装を断念する運びとなりました。

数々のトーナメントが行われた夏が終わり、国際的に休みが重なる今週を迎え、我々は改めてFMの代表監督モードの精査を行い、結果、現状のままでは製品レベルに届かないと判断し、断念することを決めました。

この判断に至った背景には、ゲームデータもあります。PC版FM24において、当モードをプレイした人数は全セーブデータの5.6%しかおらず、当モードを今後も続けるならば、大幅なクオリティアップが必要であることがわかりました。この割合は、コンソール版だとさらに低いことがわかりました。

このため、FM25の発売を更に遅らせるよりも、該当部分の開発をストップし、その分のリソースを、より重要な箇所へ集中させる決断を下したのです。ゲーム要素としての「代表監督」はFM25、FM25コンソール版およびFM25 Touch内における国際サッカーのシミュレーションの世界に変わらず存在し続けますが、プレイアブルではなくなりました。

しかし、FM25モバイル版に限っては、開発ラインや開発言語が異なることもあり、引き続きプレイアブルモードとして「代表監督」が含まれます。モバイル版以外の全バージョンに関しては、48チームに拡張し、さらなる白熱が見込まれる次回のワールドカップに合わせて、FM26、FM26コンソール版およびFM26 Touchでは、パワーアップした形で再び代表監督をプレイアブルモードとして実装する予定です。当モードは、元のゲームに含まれる予定で、拡張コンテンツにするつもりはありません。

簡単な決断ではありませんでしたが、シリーズの今後にとって、そしてプレイヤーの大多数にとってこれが最良の決断であると信じています。新たなエンジンで再出発となったFM25。我々は与えられた時間を最大限、有効活用できるよう尽力しています。FM25の発売日を遅らせることによって、開発に注げる時間が新たに数週間分生じ、それを活かすことによって新時代のFootball Managerを最善の形で世に送り出せると信じています。

私自身、この数週間は、できるだけ開発に注力できるよう時間を割き、開発全体へのサポートを手厚く行うよう努めています。「大局を見ること」は我々のスタジオの基本理念の一つであり、現在の最優先事項はFM25に注力することである、と考えています。6月の記事で、私はバルセロナで開催されるUniteカンファレンスに登壇する、と書きました。FMチームが登壇することに変更はありませんが、私自身はバルセロナ行きを諦め、FM25のディレクター業に集中することを決めています。これと同じ理由で、昨年初めて参加し、日本での正式デビューの成功を大きく後押ししてくれた、私の大好きな東京ゲームショウの参加も断念することにしました。また、楽しみにしていたアメリカ行きもキャンセルしました。やはり、このゲーム、そしてプレイヤーのみなさまが、私にとっての「大局」なのです。


発売にあたって、個人的にお届けするのが待ちきれないゲームプレイ要素のひとつが、女子サッカーの実装です。

これまでお伝えしているように、女子サッカーの実装はずっと以前から計画しており、Unityへの移行を除けば、近年最も大規模な新要素のひとつとなります。開発を進めるにあたって、私たちは女子サッカーをできる限り最善の形でFMに導入するよう尽力しています。これに限らず、デザインや開発を含む、ゲームのあらゆる面において、我々は常に最善を目指して努力しています。ゲームプレイの観点から、私たちは男子サッカーと女子サッカーの監督業を、同じ世界の、同じシステムのなかで、いかにシームレスに切り替えられるかを最優先事項としました——そうするにあたり、私たちはこれまでのゲーム世界の諸要素を全て精査する必要がありました。

その結果として、FM25では選手プロフィールに一点変更を加えることになりました：今後、選手の「体重」は表示されません。

女子サッカー選手のデータベースを作成するうち、気づいた事がありました：男子の体重は月により多少増減することもありますが、女子は身体の作りが男子とは大きく異なり、体重の増減の幅が非常に大きく、時には週によって変わることさえわかりました。

これをきっかけとして、これまでと同様に、ゲームのあらゆる要素の見直しを行った結果、FM25では全ての選手の体重を表示しないことに決めました。内部演算で必要な値になるため、ゲームの内部には引き続き存在しますが、今後フロントエンド側に表示されることはありません。


6月の記事では、我々のいるロンドンのスタジオからほど近い距離にいるFMFCメンバーに対し、FM25のUI/UXのテストプレイの呼びかけを行いました。これには大きな反響をいただき、参加者として手を挙げてくれたメンバーの方たちにはとても感謝しています。テストプレイは変わらず行う予定ですが、先述のスケジュール変更の影響により、開始日を少し後ろへずらす必要があります。該当のFMFCメンバーへは近いうちにテストプレイ期間について、調整の連絡を行う予定です。

FM25の内容が固まるまで、開発アップデートはおそらく今回で最後になるはずです。みなさまにお見せしたいものは尽きませんが、改めて申し上げたいのは、FM25は、シリーズの転換点となる作品であり、以前まででは成しえなかった可能性を我々に示す作品となります。

FM25は「これから」を形作るスタート地点に過ぎません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今後ともよろしくお願いします。

Miles