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Posted: 5 Apr @ 4:21am
Updated: 5 Apr @ 5:32am

「ち、ちがう、これはただのヌードルじゃ・・・」

ストーリー
デスヌードル・デリバリーへの入社おめでとう、ジミー。
キミの仕事は楽勝だ。私の作るヌードルを、一人前もムダにしないで配達すること。
まあ何より大事なのは、死なないことだがな(公式紹介より引用)

概要
ステキな“ヌードル”をデリバリーするADV。

プレイヤーは主人公ジミーに扮し退廃したサイバーパンク世界を生き抜いていくという内容で、お客にヌードルを提供するデリバリーパートがメインとなっている。

デリバリーパートはホバーボードを駆り、街に点在する客たちにヌードルを一定数投げつける提供すればミッションコンプという単純な内容となっているが、こちらを妨害してくる商売敵や異常者の魔の手から身を守るために、話の進行とともにブーストやネコ爆弾といったオーグメントが解除されるようになっている。デリバリーするヌードル自体も強い衝撃を与えると爆発するシロモノであるため、効果的に用いることが重要だ。

仕事を終えた主人公ジミーの安住の場であるアパートメントに舞台を移したADVパートも用意されており、身も心も疲れ切ったジミーを迎えてくれる「放射能漏れを起こしたトイレ」や「幸福と不安を同時に与えてくれるVR」「心の通わない住民たち」など心温まる存在に身を委ねつつ、起こる難題を説いていくアドベンチャーとしての趣向も準備されている。

ゲーム進行はリニアで、分岐エンディング等は特に存在しない。

感想
久々に刺さったサイバーパンクの佳作。

退廃した世界でのデリバリー業務、ヌードルを欲して止まない人々、VRゴーグルを離せない人々など、サイバーパンクの暗い部分を本作は見事に表現している。

作中のニュース映像でも「パンデミック」が強調されている点から、本作がコロナ禍の産物である「人とのつながりの希薄化」「仮想空間への過度の耽溺」「デリバリー偽装型のドラッグ蔓延」といった事象からインスピレーションを受けたことが推察できる。

「この世は素晴らしい。戦う価値がある」はサイバーパンク物のお約束だが、本作はそんな人間賛歌をかなぐり捨て、近未来の世に生きる人々の醜悪さや疎外感といった部分を直球で映し出す。独特のアクの強いゲーム性は評価が分かれるところだが、こういった挑戦的な作風はキライではないし、インディーズのポテンシャルを改めて見た気がする。おススメ。

評価
【GOOD】
・ヌードル=サイバーパンク。
・絶妙な難易度のデリバリーパート。
・暗く退廃的だが、ユーモラスなADVパート。
・アクの強い言い回し、名言製造機。

【BAD】
・よく言えばアクの強い、悪く言えば独りよがりなゲーム性。
・デリバリーの操作性がイマイチで、アプデが待たれる点。
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