Mac の Final Cut Pro、iMovie、Motion でシネマティックモードのビデオを編集する
iPhone で撮影したシネマティックモードのクリップを Mac の iMovie、Final Cut Pro、Motion に読み込んで編集する方法をご案内します。
まず、iPhone の写真アプリでシネマティックモードのクリップが処理されているか確認しておきましょう。
次に、Final Cut Pro を使う場合は、新しいライブラリとプロジェクトを前もって設定しておいてから、iPhone または写真ライブラリから読み込みます。iMovie の場合は、シネマティックモードのクリップの読み込みをすぐに始められます。この記事で説明している方法で読み込めば、シネマティックモードのクリップの被写界深度や焦点のメタデータが維持されます。
読み込みが終わったら、クリップの「シネマティック」コントロールを有効にし、調整しましょう。
クリップの読み込みが終わっているのに、オンスクリーンの「シネマティック」コントロールを利用できない場合は、読み込んだシネマティックモードのクリップをいったん削除してから、利用するアプリに応じて、この記事の該当する手順で対処してください。
シネマティックモードのクリップが処理済みかどうかを確認する
iPhoneの写真アプリでシネマティックモードのクリップが前もって処理されていないと、Macでそのクリップを扱うことができません。
iPhoneで写真アプリを開きます。
「アルバム」タブをタップし、「シネマティック」アルバムを選択します。
画面の下部にある「今すぐ処理」をタップします。「今すぐ処理」が表示されない場合、クリップは処理済みです。
シネマティックモードのクリップが処理されていれば、Macに転送できます。
iCloud写真をご利用の場合は、iCloud写真にビデオがアップロードされるまで待ってから、Macからアクセスすることもできます。
Final Cut Proでライブラリとプロジェクトを設定する
デフォルトでは、iPhoneはビデオをHDRで撮影します。高画質を追求するなら、HDRのシネマティックモードのクリップをFinal Cut ProでWide Gamut HDRライブラリと(Rec. 2020 HLG)プロジェクトに読み込みます。シネマティックモードのクリップをSDRで記録した場合は、Final Cut Proで標準のRec. 709プロジェクトを作成します。
SDR プロジェクトで HDR クリップを使いたい場合は、クリップを読み込んでから、「HDR ツール」エフェクトを使うか、クリップのカラープロファイルを上書きして、SDR に変換してください。
シネマティックモードのクリップをFinal Cut ProまたはiMovieに読み込む
USBケーブルやAirDropを使って、シネマティックモードのクリップをFinal Cut ProまたはiMovieに読み込むことができます。
USBケーブルで読み込む
シネマティックモードのクリップを読み込む場合にいちばん速くて簡単なのは、iPhoneをUSBケーブルでMacに接続し、Final Cut ProやiMovieに直接クリップを読み込むやり方です。
AirDropで転送してからFinal Cut ProやiMovieに読み込む
AirDropを使って、シネマティックモードのクリップをiPhoneからMacに転送できます。
iPhone の写真アプリで、シネマティックモードのクリップを開くか複数のクリップを選択してから、 をタップします。
画面の上部にある「オプション」をタップし、「すべての写真データ」をオンにしてから「完了」をタップします。AirDrop で転送するたびに毎回、同じオプションをオンにしてください。
「AirDrop」をタップし、「デバイス」リストで、クリップの転送先のMacをタップします。共有先のMacでAirDropが有効になっていることを確かめておきましょう。AirDropで転送したシネマティッククリップ1つにつき、ファイルが4つ入ったフォルダが1つずつ、受信側のMacに表示されます。
このフォルダの中で、「IMG_E」で始まらない MOV ファイルを探し、Final Cut Pro または iMovie に読み込みます。
写真ライブラリから読み込む
Final Cut ProやiMovieの中でシネマティックモードのクリップを写真ライブラリから読み込むには、このセクションで紹介する設定を調べて、シネマティックモードのクリップが適切に読み込まれるよう徹底しておきましょう。
プライバシーの環境設定を調べる
Final Cut ProまたはiMovieでの表示状況が以下のような場合は、これらのアプリから写真ライブラリにアクセスできていない可能性があります。
Final Cut Proの「写真とオーディオ」サイドバーに写真アプリが表示されない場合。
iMovieの「ライブラリ」リストに写真アプリは表示されるのに、写真アプリに読み込んだシネマティックモードのクリップが表示されない場合。
macOS Ventura以降で、Final Cut ProやiMovieから写真ライブラリへのアクセスを許可するには、以下の手順を実行してください。
Final Cut ProやiMovieが開いている場合は閉じます。
Appleメニュー >「システム設定」の順に選択し、「プライバシーとセキュリティ」をクリックします。
「写真」をクリックします。
写真ライブラリへのアクセスが必要なアプリごとに設定をオンにします。
macOS Catalina 以前で、Final Cut Pro や iMovie から写真ライブラリへのアクセスを許可するには、以下の手順を実行してください。
Macで、Appleメニュー >「システム環境設定」の順に選択し、「セキュリティとプライバシー」をクリックし、「プライバシー」をクリックします。
「写真」を選択します。
「Final Cut Pro」または「iMovie」の横にあるチェックボックスを選択し、写真アプリの情報へのアクセスを許可します。
システム写真ライブラリを指定する
Final Cut Pro の「写真とオーディオ」サイドバーや iMovie の「ライブラリ」リストに写真アプリが表示されているのに、写真ライブラリに読み込んだシネマティックモードの写真が表示されない場合は、その写真ライブラリをシステム写真ライブラリとして指定してください。
iCloud 写真がオンかオフかを確認する
Mac の写真アプリで、「写真」>「環境設定」の順に選択し、「iCloud」を選択して、以下の設定を確認してください。>
「iCloud 写真」と「オリジナルをこの Mac にダウンロード」が両方とも選択されている場合は、Final Cut Pro または iMovie にシネマティックモードのクリップを読み込めます。
iCloud 写真を利用していない場合 (「iCloud 写真」オプションの選択が解除されている場合)、Final Cut Pro または iMovie にシネマティックモードのクリップを読み込めます。「iCloud 写真」が選択されている場合、選択を解除しないでください。
「iCloud 写真」と「Mac ストレージを最適化」が両方とも選択されている場合は、クリップを読み込む前に以下の手順を実行してください。
写真ライブラリでシネマティックモードのビデオクリップを選択します。
ツールバーの「反時計回りに回転」ボタンをクリックして、写真を回転させます。こうすることで、オリジナルファイルがローカルに (Mac 本体に) 確実にダウンロードされます。
シネマティッククリップをすべて回転させたら、「編集」>「取り消す」の順に選択します。これで、オリジナルのシネマティックビデオクリップが写真ライブラリにダウンロードされ、撮影時に作成された被写界深度や焦点のメタデータも維持されます。
上記の調整を行ったら、シネマティックモードのクリップをプロジェクトに読み込めます。
クリップの「シネマティック」コントロールを有効にして調整する
シネマティックモードのクリップが問題なく読み込まれたら、クリップをプロジェクトに追加してください。シネマティックモードのクリップがプロジェクトに追加されたら、「シネマティック」コントロールを有効にすることができます。
Final Cut Pro では、シネマティックモードのビデオの調整を有効にして、シネマティックモードのクリップの焦点を調整し、シネマティックモードのクリップの被写界深度を調整できます。
Mac 用 iMovie では、シネマティックモードのビデオクリップを調整できます。
iOS 16 で撮影したシネマティックモードのビデオを編集するには、iOS 16、iPadOS 16.1、macOS Ventura 以降が必要です。iPadOS 16.1 および macOS Ventura は 10 月登場。
Motion でシネマティックモードのクリップを扱う
Motion でシネマティックモードのクリップを扱うには、シネマティックモードのクリップを Mac に移動してから Motion に読み込んで、シネマティックモードのビデオの調整を有効にします。
「シネマティック」コントロールがそれでも表示されない場合
シネマティックモードのクリップにオンスクリーンの「シネマティック」コントロールが表示されない場合、写真アプリの環境設定で「iCloud写真」と「Macストレージを最適化」が選択されている状態でクリップを読み込んだ可能性があります。以下の方法で「シネマティック」コントロールを使えるようになるか試してください。
ライブラリやプロジェクトに入っている該当するクリップのコピーをすべて削除してから、デバイスをUSBケーブルでMacに接続して直接読み込みます。
それでも「シネマティック」コントロールを使えない場合は、macOS Monterey へのアップデートが必要だと考えられます。