森、中庭、季節の表情をゆったりと眺めながらの、美味しいカフェごはん : Cafe’s Bond 141

2010年6月20日（日）の訪問です。

国道118号線、棚倉バイパスを白河方面から上った終点部、よってがっしょ、と大書きされたガソリンスタンドのある交差点を直進して、山に向かうと、すぐに小さな川と緩やかにアーチした橋
橋を超えて、山へ入る上り坂のすぐ手前、小さな路地を左手に曲がってすぐのところにお店はあります。
ぱっと見た感じは、四角い箱型の建物にすだれがかかっているので、なんだか倉庫のようにも見えます。
が、中に入ると、大胆にガラスを配置した見通しの良い素敵な建物です。
西の道路側を眺めれば、豊かに広がる田園と、楚々と申し訳なさそうに空を横切る電線
夕暮れ時には、この電線が、田舎の素朴な風景を強調して、とても風情があるように僕は思います。
東、山に面する側には、よく整備されたきれいな中庭
木の歩道、白いベンチ
季節の野花
杉の木立に
竹やぶ
白い木肌の雑木林
ちょうちょがふわふわ
鳥がかさかさ
蛙が歌い
蝉が鳴き

そしておばちゃん方が笑い声をあげる

そんな空間です。


本日の注文は、妹とふたりで
チーズチリドック：750円
ロースカツサンド：700円
食後に
カフェラテ：450円
ざくろとオレンジのトリプルティー：550円
アメリカンチェリーのベイクドチーズケーキ：500円をひとつずつ。

このお店の最大の魅力は、その食事メニューの外さなさにあると思います。
とりあえずなにを頼んでも美味しい。
味の組み合わせ方がとても上手に感じます。（ポークガーリックのっけごはんなど、ちょっとしょっぱいなぁ、と感じるものもありましたが、でもそれは好き好きの範囲かな、と）
全体として、ランチに使えるカフェとしては非常に高レベルだと僕は思います。

チーズチリドックは、パリパリふわふわなフランスパンに、パリッとした食感のソーセージ
ぱりっの後に、じゅわっと広がるソーセージの肉汁
うまみを感じるぴりぴり辛いチリミートソース（小さい子には食べられないくらいには辛いです）
なぜかよく合う茹で小豆のやさしい、隠れてしまうような甘さ
がつがつ食べたくなってしまうたっぷりチーズのゆたかな風味！
わかりやすい美味しさなのですが、舌で感じる遊び心が加えてあってとても素敵です。
結構な大きさなのですが、あっという間に食べてしまいました。

ロースカツサンドは、サクサクカツにたっぷりキャベツ、たっぷりウスターソースのシンプルな一品
ロースカツのイメージとは裏腹に、軽やかな食感、スナッキーな美味しさが魅力です。
やっぱり大きいのに、あっという間になくなるのでした・・

つけあわせのポテトは、ふわふわ食感
上にかかった粉は、チーズメインに塩コショウ、ほんのちょっぴりだけ辛味があります。
この粉がまた、とても美味しいのです。
売っていれば絶対に買うのに、売っていないのでした。残念。


食後
カフェラテは、エスプレッソベースです。
エスプレッソらしい強めの苦味に、しっかりとしたミルク感
香りはおもたげにゆらりと立ち上ります。
このお店は、ドリンクにはエスプレッソメニューを押しているのですが、
僕は正直、エスプレッソをあまり飲まないので他と比べて美味しいのかどうかは、よくわかりません。
素直な感想では、普通・・です。

ざくろとオレンジのトリプルティーは、ノンアルコールカクテルといった方がよいかもしれません。
背の高いグラスには、たくさんの氷、あざやかなオレンジ、底には血のように赤いざくろシロップ
はじめに柄の長いティースプーンでかき混ぜてからいただきます。
混ぜると全体がブラッドオレンジのような色になります。この状態でもきれいなんですよ。
オレンジのつぶつぶ食感、やさしい甘さ、オレンジと、ざくろの爽やかな香り
ゆったりとした、やさしい爽やかさを感じます。
これは美味しいです。

デザートには、アメリカンチェリーのベイクドチーズケーキ
ここのチーズケーキは頻繁にメニューが代わるのですが、どれも絶品と言えるほど美味しいのです。
スフレチーズケーキや、ニューヨークチーズケーキも食べましたが、とてもとても美味しかった覚えがありますもの。
今回のアメリカンチェリーのベイクドチーズケーキも、やはり絶品でした。
ミルキーで、しっとり、やわらか、ほろほろと口どける食感は、食べながらうっとりと「うあぁ・・」なんて声を出してしまうほど。
全体にしみたチェリーのほのかな香りと、しっとり感のハーモニーは素晴らしいの一言です。

他、シフォンケーキもふわふわしっとり、極め細やかでとても美味しいです。
メニューは少ないのですが、ここのケーキ類は素晴らしく高レベルです。


その他
ドリンクメニューについては、少々残念に思います。
食事、ケーキについては高い満足感があるのですが、スタンダードな紅茶、珈琲を頼むと、非常に安っぽい味で、がっかりします。
これだけ味の分かるお店なのだから、もう少しこだわって欲しい点でもあります。
ただ、ロイヤルミルクティーや、上記のトリプルティー、エスプレッソ系は、ひどいハズレはないと思いますので、そちらを注文することをお勧めします。

また、客層に少しだけ声の大きい人が多いような気もしますが、まぁ、それはご愛嬌でしょうか。

タバコをお吸いになる方は、庭のベンチにさりげなく座ることができて、とても素敵です。
ベンチに座りながら、山と空を見上げて、ふわふわ煙が流れるのを見るのは、素晴らしく気持ちが良いです。（僕は禁煙しているのでできませんけれど；；）
ここに来るとタバコを持っているひとがうらやましくなってしまいます。


個人的には、雨降りや雨上がりをお勧めしておきます。
雨露を含んでしっとりとした庭、森には、深い安息、不思議な抱擁感があるように思うのです。
雨音を聴きながら、ゆるゆる本を読んで
ふと、庭にでて、深呼吸をしたなら
きっと、やさしい気持ちになれるはずです。