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【書評】筒井康隆『七瀬ふたたび』 [書評]

七瀬三部作の第2作で、シリーズで最も有名な作品だと思います。


七瀬ふたたび(新潮文庫)

七瀬ふたたび(新潮文庫)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/06/01
  • メディア: Kindle版



主人公は相手の心を読むことができる火田七瀬。
第1作の『家族八景』ではお手伝いさんとして様々な家庭に入り、表面上はうまくやっているように見えて人間関係のドロドロしたところをあぶり出していました。
続編となる本作では、七瀬がお手伝いさんを辞めて、世間から隠れるようにして過ごしています。
途中で様々な能力者と出会いますが、謎の組織に追われ、次々と仲間たちが殺されていきます。
本作は『邂逅』『邪悪の視線』『七瀬 時をのぼる』『ヘニーデ姫』『七瀬 森を走る』の5編になっています。
短編らしく綺麗に終わるのは『七瀬 時をのぼる』だけで、あとはブラック要素が詰まっています。
綺麗な作品ではありませんが、前作と比べると主人公の脇を固めるキャラたちが揃い、ぐっとエンターテイメントになっています。
七瀬と同じく心を読める少年のノリオ、未来を予知できる岩淵恒夫、時間を移動できる漁藤子、念力を使えるヘンリーなどです。
彼らが時には助け合いながら、ストーリーが進んでいきます。
第7回星雲賞を受賞しているほか、5回も映像化され、漫画にもなっています。

筒井康隆の代表作のひとつを読みたいひとのために!
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