自動音声電話など禁止 「カネをかけない」総裁選「新ルール」に反発(2024年9月7日『毎日新聞』)

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自民党総裁選を終え壇上でたたえ合う(左から)野田聖子氏、菅義偉氏、岸田文雄氏、高市早苗氏、河野太郎氏=東京都港区で2021年9月29日午後3時26分、竹内紀臣撮影
 自民党総裁選(12日告示、27日投開票)を巡り、総裁選挙管理委員会逢沢一郎委員長)は政策パンフレットの郵送や自動音声(オートコール)による電話作戦など八つの行為を告示前から禁止することを決めた。派閥の政治資金パーティー裏金事件で国民の強い批判にさらされる現状を踏まえた「カネのかからない総裁選」の一環だが、一部の陣営からは早速、反発の声が上がっている。
 「郵送物もだめ。インターネット広告もだめ。ちょっと締め付けがきつすぎないか。どうやって知名度を上げればいいのか」
 3日に国会内で開かれた小林鷹之前経済安全保障担当相の陣営の会合に出席した幹部はいらだちを隠さなかった。
 小林氏は当選4回の若手で、全国的な知名度はまだ低い。8月24、25の両日に実施した毎日新聞全国世論調査の「次期総裁に誰が選ばれてほしいか」という質問に対する回答で、小林氏は4位の7%。1位・石破茂元幹事長の29%、2位・小泉進次郎環境相の16%、3位・高市早苗経済安保担当相の13%からは水をあけられている。各候補者の中で最も早い8月19日に出馬表明をしたのも、活動を先行させて知名度を少しでも上げようとの狙いからだった。
 今回は10人超が出馬に意欲を表明。正式な出馬会見を終えた候補は4日時点で5人となり、すでに過去最多に並んだ。議員票の囲い込みの激化で浮動票が減っているため、議員票367票と同数の党員・党友票でいかに支持を伸ばすかが鍵となっている。
 選管が3日に禁止を決定したのは、政策パンフの郵送とオートコールのほか、書籍や色紙などの物品配布▽インターネット上の有料広告掲載▽都道府県連による特定候補の支援▽その他、カネのかかる行為――など。告示前から禁止とした。逢沢委員長は記者団に「自民党が現在置かれている状況を考えたときの一つの党の決心だ」と語った。
 これまでも告示後の政策パンフ送付などを禁じてきたが、告示前にまで期間を広げた。オートコールと有料ネット広告の禁止は初めてだ。
 
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