「はいNHKの●●さん」
「はい朝日の●●さん」
「はい日経の●●さん」
司会者は指名する記者を予め決めているような調子で次々と当てていった。記者クラブメディアばかりだ。
指名された記者が質問すると、進次郎は目線を下に落としながら答えた。番記者から質問取りをしているのか、どうかは定かではないが、進次郎側が質問に対する回答を用意していたことは確かだった。
フリーランスの鈴木エイトが指名された。統一教会との関わりを聴かれた進次郎は「一切ない」と答えた。
身の潔白を主張するためにフリーランスの鈴木を指名したようなものだった。
ここでArcTimesの尾形聡彦が司会者に抗議した。「知ってる名前ばかりを当てるのは止めて下さいよ。不透明ですよ」と。
会場から「そうだ」「そうだ」の声が怒号のようにあがった。
こうしたハプニングがあり、田中は指名された。進次郎にはどうしても言わなければならならないことがあった。
進次郎は、中学生レベルの漢字が読めなかった安倍晋三に似ている。悪賢いが、知的レベルは恐ろしいまでに低い安倍が日本をここまでダメにした。
国家、経済、社会の摂理をわきまえていたら、内閣人事局だのアベノミクスだの加計学園だのはあり得なかった。
能力の低い政治家をマスコミがチヤホヤして幹事長→総理総裁と昇り詰めさせた。マスコミの罪は重い。
マスコミは再び同じ過ちを犯そうとしている。
小学校3年の時だった。真冬なのに下着も着けてこれないほど貧しかったクラスメートが風邪をこじらせて亡くなった。
病院にかかることができなかったのか。かかれても満足に食べれないため衰弱死したのか。そう思うと無念でならなかった。
貧困を憎む田中の原点でもある。
炊き出しの列に正社員までが並ぶほど日本は貧しくなった。進次郎が放つ安倍政治第2弾で、さらに貧困化が進みはしないか。危機感から田中は進次郎に「知的レベル」の質問をぶつけようと思ったのである。
とはいえ、記者会見で指名される確率は限りなく低い。それでも沸々とたぎる思いは抑えきれなかった。
上述したようにハプニングもあって田中は進次郎に質問をぶつけることができた。
「小泉さんがこの先首相となってG7に出席された場合、知的レベルの低さで恥をかくのではないか? あなたはそれでも総理を目指すのか?」と。
進次郎は顔を真っ赤にして怒るのか?あるいは河野太郎のように木で鼻をくくったような態度で否定するのか? と想像していたのだが対応は意外だった。
進次郎はニコやかな表情で、「私に足らないところが多くあるのは、それは事実だと思います。そして完ぺきではないことも事実です」と認めたのだ。
そのうえで、「しかし、その足りないところを補ってくれるチーム、最高のチームをつくります。そのうえで各国のリーダーと向き合う覚悟がある」と斬り返してきたのである。人たらしの異名を取るだけのことはある。
きょう7日、進次郎は歩行者天国で賑わう銀座四丁目の交差点で街頭演説を行った。
「わあっ! 進次郎だ、進次郎だ」。道行く人は感嘆の声をあげスマホ撮影に勤しんだ。まるでスターを写真に収めるかのように。
人気を背景に安倍晋三が幹事長として登場した20数年前の光景がまざまざと蘇る。
進次郎は小泉(父)・竹中政治と安倍政治の完成型を目指すのだろうか。(文中敬称略)
~終わり~
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