個人事業主のホームページは、集客力やブランドイメージの向上に欠かせません。
しかし、どこから手をつければいいか悩んでいる方も多いと思います。
本稿では、個人事業主のホームページの基礎知識、料金相場、おすすめの作成方法などを解説します。
また、個人事業主の業種や職種別に、ホームページのサンプルも12種類ご紹介します。
目次
個人事業主がホームページを持つ必要性
ホームページ(Webサイト)を個人事業主・フリーランスが持つメリットは非常に多く、現代においてはほぼ必須です。主なメリット・デメリットをいくつかご紹介します。
メリット
- 営業活動の自動化。
- 日本全国・世界にアプローチできる。
- 商品・サービスの魅力の発信。
- 少人数で大きな売上が上がる。
デメリット
- 制作コストがかかる
- 成果が上がらないケースの方が多い。
- 知識や経験が成果に比例する。
- 集客で成果を出すには時間がかかる
ホームページは少人数で大きな売上を上げるのに必須のツールです。ページを見てもらえる人数が100人であっても10000人であっても、手間はかかりません。ホームページの運営人数が一人でも、年商1億円以上を達成することは十分に可能です。
しかし、売上が上がっているホームページは全体のごく一部です。売上アップに繋がるホームページを作るには、きちんとコンテンツ(ページ)を制作することに加えて、SEOなどの知識も必要になってきます。
TCDが15年間のサイト運営で培った経験をシェア。 書籍3冊分のボリュームでSEOに関する知識や実用的な解説をまとめました。 SEOの辞典としてご利用ください。 SEOの基礎知識 SEOに取り組む前に知っておきたい前提知識 ユーザー、検索エンジン...
個人事業主がホームページを作成するための基礎知識
創業して「初めてホームページを運営する」という方は、最低限以下の知識が必要です。
個人事業主のホームページの種類
ここでは、個人事業主のホームページの主な種類をご紹介します。
- 店舗ホームページ:飲食店・美容室・サロン・医院・整体院・士業の事務所などのサイト
- ネットショップ:一部の飲食店・ハンドメイド作家・物販事業者が商品を販売するサイト
- ポートフォリオサイト:デザイナー・イラストレーターなど、クリエイターが作品を展示するサイト
- サービスサイト:オンライン講師・コーチ・コンサルタントなどのサービスを紹介するサイト
- ランディングページ(LP):特定の商品やサービスの成約に繋げるための縦長のページ
あなたの事業に必要なホームページをつくりましょう。運営するホームページは1つに絞る必要はありません。運営サイト数は多いほうがSEO上も有利に働きます。
例えば美容室を経営しているなら、店舗ホームページとネットショップの2サイトを運営する。ネットショップではシャンプーやヘアオイルなどの物販専用のウェブサイトとして機能させます。両サイトの導線を繋げて、それぞれにアクセスが行き交う仕組みを作っていくことで、あなたのサイトが強化されていきます。
レンタルサーバーとドメイン
- レンタルサーバー:ホームページのデータを保存するためのサーバーをレンタルできるサービス。
- ドメイン:aaa.com、zzz.netなど、ホームページの住所にあたるもの。
レンタルサーバーは月々数百円〜数千円程度かかります。
ドメインは「〇〇.com」や「〇〇.jp」などの〇〇に任意の文字列を入れることができ、これを「独自ドメイン」と呼びます。
ドメインサービスで取得する場合、初期費用が1円〜数千円、年間更新料が1,500円程度〜高額なものでは数万円かかります。
なお、レンタルサーバーによっては、契約条件を満たすとドメインが永年無料で利用できる場合があります。
WordPressを利用するにはレンタルサーバーとドメインが必要です。WordPressを利用するために準備するものはこちらの記事で解説していますが、本稿ではレンタルサーバーの選び方について、筆者がこれまで体験した失敗も踏まえ、より詳細に解説できればと思います。 WordPressは世界でもっ...
ホームページの集客方法
ホームページの集客方法として、以下のものが挙げられます。
- SEO対策:検索エンジン最適化を行い、特定のキーワードで検索結果の上位に表示されるようにします。
- コンテンツマーケティング:役立つブログ記事を作成し、ホームページに訪れる機会を増やします。
- インターネット広告:Google広告やSNS広告を利用して、ターゲットにホームページを直接アピールします。
- メールマーケティング:メールマガジンなどで、定期的にホームページへ誘導するメールを送ります。
- SNS:XやFacebookなどのSNSでホームページを紹介し、訪問者を増やします。
この中でも最低限必要なのはSEO対策の基礎知識です。基本が理解できていれば、ホームページの設定や投稿もスムーズに行うことができます。
この記事では、SEOに取り組む前に知っておきたい前提知識を解説します。 SEOの正しい前提を知っておくことは、必ずあなたの役に立ちます。ここの前提が間違っていると、効果のないSEOで時間を浪費したり、スパム的なSEOで大きな損失を被ったりしてしまいます。 SEOの正しい前提知識を把握して...
個人事業主のホームページ作成方法と相場
個人事業主がホームページを作成する方法には、大きく分けて3つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットと料金の相場をご紹介します。
業者に外注する
ホームページをWeb制作会社や、フリーランスのWebデザイナーに依頼する方法です。
- メリット:高品質なホームページが期待でき、機能の実装やSEO対策なども任せられます。
- デメリット:他の方法と比べて高額で、業者との打ち合わせに時間がかかる場合があります。
- 料金相場:ホームページの種類によって変動し、小規模サイトであれば10万円~30万円程度かかります。
「ホームページ制作を依頼したい」 「この機能の相場が知りたい」 ホームページの制作費は、規模(ページ数)と実装する機能によって異なります。 また、あなたがホームページで使う素材をどこまで用意できるかでも変わってきます。写真や文章を自身で用意できるならその分の制作費用は安くなりますし、制...
ホームページ作成をフリーランスに依頼したい方もいらっしゃるかと思います。 フリーランスは、価格も抑えられるため、メリットも大きいです。しかし、注意点もあります。 これまで多くのフリーのクリエイターにWeb制作関連の業務を依頼してきた弊社の立場から、ホームページ作成をフリーランスに依頼する...
プログラミングで一から自作
HTMLやCSSなどのプログラミング言語を学んでホームページを作成する方法です。
- メリット:デザインや機能を完全に自由に設計でき、オリジナルのホームページを作成できます。
- デメリット:プログラミングの学習コストがかかり、制作時間と労力もかかります。
- 料金相場:作成自体は無料でできますが、Webデザインスクールで学ぶ場合は、15〜50万円程度かかります。
自分でWebサイトを作ってみたいと思ったことはありませんか?そのWebサイトの基礎となるのが「HTML」です。 HTMLを学ぶことで、オリジナルのWebページを作成できるようになります。 本稿では、HTMLの基礎知識と基本構造を初心者の方にもわかりやすく解説します。 HTMLと...
Webページをより美しく、そして魅力的にするためには、CSSという技術が欠かせません。 CSSを使うと、文字の色やサイズ、背景画像、レイアウトなど、Webページの見た目を思い通りにカスタマイズすることができます。 本稿では、CSSの意味や基礎、具体的な書き方まで、初心者の方にもわかりやす...
ホームページ作成ツールで自作
ホームページ作成ツールとは、プログラミングの知識がなくても、直感的な操作で作成できるツールのことです。
- メリット:低価格で利用でき、様々なデザインテンプレートが用意されているため、簡単にホームページを作成できます。
- デメリット:テンプレートから大きく外れたデザイン作成や機能の追加をするのが難しい場合があります。
- 料金相場:月あたり数百円~数千円程度
いまの時代、制作会社に外注しなくても、ホームページを簡単に作れてしまいます。 理由は、自分でホームページを作成するのに便利なツールやテンプレートが存在するからです。それらの多くは無料もしくは低料金で利用できます。 ホームページは、膨大な費用と時間をかけて作るものでは、もはやありません。無...
WordPressで作成する
ホームページを作成する手段には、制作会社に外注、プログラミングやホームページ作成ツールで自作という方法がありますが、それ以上にコスト・時間効率が良い制作手段は「WordPressを使うこと」です。
WordPressとは、世界で6,000万人以上の人々が利用する無料のCMS(コンテンツマネジメントシステム)です。 WordPressを使って、ブログ・ネットショップ・コーポレートサイトなど様々なウェブサイトが制作可能です。
参照: WordPressとは?
WordPressは無料で使えるウェブサイト作成ツールです。豊富なデザインテンプレートに加え、機能拡張に役立つプラグインも豊富にあるため、初心者でも制作運営が可能なツールとなっています。
個人事業主のホームページに必要な情報
個人事業主の中には、お店を経営されている方もいれば、クリエイティブなお仕事をされている方もいらっしゃいます。
そのため、個人事業主の職種によって、ホームページに記載すべき情報は異なりますが、主に記載した方が良い情報をまとめました。
プロフィール
プロフィールは、顧客との対面機会が多い美容師、コーチ、コンサルタント、セラピストの方が掲載すると、より信頼性を高めることができます。
また、Webデザイナー、プログラマー、ライターなどクリエイティブ職の場合は、自分のスキルをPRするプロフィールが役立ちます。
- 写真やアバター:本人の顔写真が好まれる職種もありますが、クリエイティブな職種では、個性的な写真やアバターでPRできる場合があります。
- 名前:フルネームまたはニックネームを記載します。
- 肩書き:「店長」「院長」「講師」「弁護士」など、職名を明記します。
- 職歴・経歴:過去の職歴や経験を簡潔にまとめます。
- 資格・免許:保有資格や免許を掲載することで、専門性をアピールできます。
- スキル:得意なスキルや専門知識を具体的に記載します。
- 自己紹介:事業に対する思いや、お客様に提供したい価値などを伝えます。
- SNSアカウント:XやInstagramなどのSNSアカウントをリンクします。
Webライターの方は、以下の記事も参考にしてください。
プロフィール文、作り込んでいますか? クラウドソーシング、企業と直接契約、いずれにせよ自分を売り込むためのプロフィール文(自己PR文)がWebライターには必要です。 特に新規の取引の場合、自分の経歴や実績、実力をクライアントに知らしめるプロフィール文がなければ、仕事獲得は難航します。プロ...
サービス・事業紹介
何を提供するのかを具体的に説明します。ターゲットとする顧客層を明確にすることで、よりピンポイントにアピールできます。
- 提供するサービス:どのようなサービスを提供しているのかを簡潔かつ具体的に説明します。(例:Webサイト制作など)
- サービスの特徴:競合他社との違いや、サービスの強みをアピールします。(例:アニメーションを使ったWebデザインなど)
- サービスの流れ:サービスの利用の流れを分かりやすく説明します。(例:お問い合わせ → ヒアリング → 提案 → 制作 → 納品など)
- 料金体系:サービスごとの料金や、料金プランなどを明記します。
- 納期:サービスの場合は納期があれば、目安を示します。
実績・お客様の声
これまでの実績や、顧客からの喜びの声を掲載することで、信頼性を高めることができます。
個人事業主のホームページに掲載する「実績」は、顧客にあなたのサービスや商品の信頼性を感じてもらう上で重要な要素です。
具体的にどのような実績を掲載すべきか、いくつか例を挙げながらご説明します。
- 顧客数:獲得した顧客数や、リピート率などを示すことで、サービスの品質の高さを証明できます。
- 顧客の課題解決事例:顧客が抱えていた問題点をどのように解決したのか、具体的なエピソードを交えて紹介しましょう。
- 顧客の成功事例:あなたのサービスによって、お客様がどのような成果を得られたのかを具体的に示しましょう。
- メディア掲載実績:新聞や雑誌、テレビなどのメディアに掲載された実績があれば、積極的にアピールしましょう。
- 受賞歴:各種コンテストやアワードで受賞した実績があれば、積極的にアピールしましょう。
- お客様の声:顧客からの感謝の声や、具体的なコメントを掲載しましょう。
問い合わせフォーム
顧客からの問い合わせを受け付けるためのお問い合わせフォームを設置してください。
24時間365日対応が可能となり、電話や対面での相談に抵抗がある方でも、気軽に問い合わせることができます。
顧客が簡単に質問ができるため、信頼関係を築くのに役立ちます。
サイト運営に欠かせないのがお問い合わせフォームです。 しかし、WordPress本体には、お問い合わせフォームを設置する機能が備わっていないため、プラグインまたは外部サービスを利用して設置する必要があります。 当記事では、お問い合わせフォームを手軽に設置する方法をご紹介します。 プラグ...
プライバシーポリシー
個人情報の取り扱いに関する方針を明記し、収集する情報の種類、利用目的、第三者提供の有無について詳述します。
プライバシーポリシーは、弁護士や行政書士が作成したひな型をベースに作成することができます。
参考:プライバシーポリシーのひな型 | Webサイトの利用規約(無料ひな型・商用利用可)
必要に応じて、作成したプライバシーポリシーを弁護士や行政書士に確認してもらうこともできます。
WordPressの設定内にある「プライバシー」。これはサイトやブログのプライバシーポリシーページに関する設定項目になります。 プライバシーポリシーページは、企業サイト(法人)に限らず、個人ブログでも必要な場合があります。そこで当記事では、プライバシーポリシーページの必要性、WordP...
職種によって必要な情報
個人事業主の職種や状況によって、掲載が必要なホームページの情報もあります。
- スタッフ紹介:スタッフプロフィールを掲載することで信頼性が高まります。
- 所在地・アクセス情報:店舗や医院などの場合は、住所・地図・アクセス方法などを記載します。
- 営業時間・定休日:店舗や医院などの場合は、訪問できる時間帯と定休日を明確にします。
- 特定商取引法に基づく表示:サイト内でサービスや商品を販売する場合は、掲載が義務付けられてます。
- 利用規約・免責事項:主なオンライン・サービスなどで、ユーザーが利用する際の条件を明確にします。
- ブログやコラム:専門知識を発信し、サービスの信頼性に繋げます。
個人事業主におすすめのホームページ作成ツール
世界中で人気のあるホームページ作成ツールの一つがWordPress(ワードプレス)です。
個人事業主の方にとっても、非常に使いやすく、高機能なツールとしておすすめです。
- 世界の40%以上が利用:世界的に利用者が多く、信頼性の高いツールです。
- 無料で利用可能:WordPress自体の機能は無料で利用できます。
- 柔軟性の高さ:豊富なWordPressテーマ(デザインテンプレート)やプラグイン(拡張機能)で自由にカスタマイズできます。
- 様々なホームページを作成できる:ネットショップ・会員制サイト・ブログなど、様々なホームページを作成することもできます。
- SEOに強い:検索エンジンで上位表示されやすい構造になっており、集客力アップに繋がります。
- 解決策を見つけやすい :世界中に利用者がいるため、困った時にすぐに解決策が見つかる傾向があります。
WordPressは、世界中で利用されている人気のコンテンツ管理システム(CMS)です。ブログやWebサイトの作成、管理を簡単に行うことができます。 「WordPressとはよく耳にするけど、いったい何のことかわからない。」「何のためのツールなの?」 そういう方のために「WordPressと...
個人事業主のホームページのサンプル
WordPressテーマでは、個人事業主の様々な種類のホームページを簡単に作成することができます。
飲食店・医院・エステサロン・整体院・教室・士業・クリエイター・アフィリエイターなど、様々な職種向けのWordPressテーマが提供されています。
また、TCDテーマでは、以下のような機能が付いています。
- コンテンツビルダー:トップページを簡単に作成できる機能
- クイックタグ:見出し、囲み枠、アンダーライン、ボタンなど記事を装飾できる機能
- スマホフッターバー:SNSのボタンやお問い合わせのアイコンを表示できる機能
これらの機能を使うと、個人事業主が一からプログラミングをして作るよりも、短時間で美しいホームページを作成することが可能です。
以下、個人事業主のホームページのサンプルとして、TCDテーマのデモサイトをいくつかご紹介します。
店舗ホームページ
ネットショップ
ポートフォリオサイト
サービスサイト/LP
個人事業主のホームページを作成する流れ
WordPressを使い、個人事業主のホームページを作成するおおまかな流れを、簡潔に解説します。
- 目的とターゲットを決める
- レンタルサーバーとドメインの契約
- WordPressのインストールと設定
- WordPressテーマの選択
- ページを作成して公開
見ていただいたとおり、一からプログラミングで作成するよりも簡単に作成することができます。
より具体的な作成方法は、以下の記事も参考にしてください。
「ホームページを作りたいけど、どうすればいいかわからない・・・」 この記事では、ホームページを初めて作る初心者向けに、ホームページ作成の方法を以下の5ステップを解説しています。 ホームページのコンセプト決定 ドメイン取得とサーバー契約 CMSのインストール デザイン...
まとめ
本稿では、個人事業主のホームページの基礎知識やおすすめの作成方法、12種類のサンプルなどをご紹介しました。
様々な方法がありますが、大切なのは、ご自分のビジネスに合った方法を選ぶことです。
この記事を参考に、ぜひ自分だけの魅力的なホームページを作成してください。
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