今回はWilli Williamsのアルバム
「Glory To The King」です。
Willi Williams(本名:Wilbert Keith
Williams)はルーツ・レゲエの時代から
活躍するレゲエ・シンガーです。
ネットのDiscogsには彼について次のよう
に書かれています。
Jamaican reggae singer, songwriter, musician and producer born in 1953.
His 1979 hit "Armagideon Time" was covered by The Clash.
《1953年生まれのジャマイカのレゲエ・シンガー、ソング・
ライター、ミュージシャン、プロデューサー。
彼の1979年のヒット曲「Armagideon Time」はThe Clashに
よってカバーされた。》
「Real Rock」リディムを使った彼の代表
曲「Armagideon Time」はパンク・バンド
The Clashがカヴァーし、シングル・
リリースされた「London Calling」のB面
としてリリースされた事でよく知られて
います。
Willie Williams - Armagideon Time
Armagideon Time - The Clash - London 79
他に「Messenger Man」などの曲で知られ
るルーツ・シンガーで、現在まで活躍を
続けています。
Willie Williams Messenger Man
ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て14枚ぐらいのアルバムと、89枚
ぐらいのシングル盤を残しています。
アーティスト特集 Willie Williams (ウィリー・ウィリアムス)
Willi Williams - Wikipedia
今回のアルバムは2020年にスペインの
A-Lone Productionsからリリースされた
彼のソロ・アルバムです。
プロデュースはA-Lone Productionsの
Roberto Sanchezで、バックはハウス・
バンドLone Ark Riddim Forceが務めた、
歌とダブが交互に収められたショー
ケース・スタイルのアルバムで、
メロディカなどを織り込んだルーツ色の
強いサウンドに、研鑽を重ねた
Willie Williamsの老獪なヴォーカルが
魅力的なアルバムとなっています。
手に入れたのはA-Lone Productionsから
リリースされたLPの新盤でした。
Side 1が6曲、Side 2が6曲の全12曲。
曲はすべて歌とそのダブが続けて収められ
た、ショーケース・スタイルのアルバムと
なっています。
ミュージシャンについては以下の記述が
あります。
Produced by Roberto Sanchez
Exective Producers: Roberto Sanchez & Santiago Villaverde
Recorded and mixed by Roberto Sanchez at A-Lone Ark Muzik Studio (Cueto, Spain)
Musically arranged and directed by Roberto Sanchez
All lyrics written by Wilbert Keith Williams
Mastered by Ibon Lallucea at Euridia, Bilbao, Spain
Special thanks to Leroy 'Artist' Brown's Studio 21 and to the engineer Carl Topping
Photography by Laia Buira
Artwork and Lettering by Chilo
Lead Vocals: Willi Williams
Players of instruments: Lone Ark Riddim Force
Lone Ark Riddim Force on this album are:
Drums, Bass, Piano, Organ, Guitars, Rhodes and Backing Vocals: Roberto Sanchez
Solina Strings, Elka Clavi, Strings and Melodica: Reuben 'Ras' Telford
Moog and Clavinet: Mathias Liengme
Lead Organ on "Faith": Broker Gee
Trumpet and Trombone: Gorka 'Junior G' Fernàndez
Alto Sax and Flute: Saioa Jorrin
Percussions: ShantiYalah
Percussions and Synare: Pipe Hero
Percussions: Dubby Ambassah
となっています。
プロデュースはRoberto Sanchezで、
エグゼクティヴ・プロデューサーは
Roberto SanchezとSantiago Villaverde
で、レコーディングとミックス、音楽の
アレンジはスペインのクエトにある
A-Lone Ark Muzik Studioで、Roberto
Sanchezが行っています。
酢で手の曲の歌詞はWilbert Keith
Williams(Willi Williams)が行って
います。
マスタリングはスペインのビルバオの
EuridiaのIbon Lalluceaが行っていま
す。
リード・ヴォーカルはWilli Williamsが
担当しています。
バックの演奏はLone Ark Riddim Force
で、今回のアルバムに参加したLone Ark
Riddim Forceのメンバーは、
ドラムとベース、ピアノ、オルガン、
ギター、ローズ・ピアノ、バック・
ヴォーカルはRoberto Sanchez、
Solina Strings(アナログ・シンセサイ
ザー)とElka Clavi、ストリングス、
メロディカはReuben 'Ras' Telford、
もーぐとクラヴィネットはMathias
Liengme、Side 2の4曲目「Faith」の
リード・オルガンはBooker Gee、
トランペットとトロンボーンはGorka
'Junior G' Fernàndez、アルト・サックス
とフルートはSaioa Jorrin、
パーカッションはShantiYalahとDubby
Ambassah、パーカッションとシナーレ
(電子ドラム)はPipe Heroという布陣
です。
オルガンで参加しているBooker Geeは
フランスの音楽ユニットSoul Sugarの
Guillaume Méténierの別名です。
フォトグラフィーはLaia Buira、アート
ワークとレタリングはChiloが担当して
います。
裏ジャケ
さて今回のアルバムですが、Willi
WilliamsがRoberto Sanchezとコラボして
生まれた完全なルーツ・レゲエ作品で、
内容は悪くないと思います。
今のヨーロッパのレゲエで完全にルーツ・
レゲエに特化して作品を作り続けているの
が、Roberto Sanchezが率いるスペインの
A-Lone Productionsなんですね。
個人的な話になりますが、このA-Lone
Productionsを教えてくれたのは、ネット
のレゲエレコード・コムを運営する
Dub Storeの方でした。
「今のヨーロッパのレゲエでおススメの
アーティストやアルバムはありますか?」
とメールで聞いたところ、教えてくれたの
がこのプロダクションでした。
実際にレゲエレコード・コムでこの
プロダクションのアルバムを試聴してみた
ところ、かなりコアで硬派なサウンドを
作っていて、面白かったんですね。
そこで何枚かアルバムを購入したうちの
1枚が、今回のアルバムでした。
このアルバムに惹かれたのはWilli
Williamsのヴォーカルが良いのはもちろん
ですが、メロディカがあのAugustus Pablo
のようなルーツ・レゲエのツボを心得た
使い方で、その部分がすごく気に入った
という事もありました。
メロディカはReuben 'Ras' Telfordや
Bass Leeという人が吹いているようです
が、あのメロディカ奏者Augustus Pabloを
よく研究している人のメロディカの使い方
というか、エモーショナルな間の取り方が
本当にウマい気がしました。
なんかイイ感じでメロディカの音色が耳に
残るんですね。
今回のアルバムではダブ・ヴァージョンの
曲にそうしたメロディカやトロンボーン、
キーボードなどのゲスト・プレイヤーを
招いて、音楽にうまく幅を付けています。
またこのメロディカだけでなく、刻むよう
に奏でるリード・ギターや、ナイヤビンギ
を思わせるようなパーカッションなど、
70年代のルーツ・レゲエを思わせるよう
なサウンドが見事なほどに再現されている
んですね。
このRoberto SanchezとA-Lone Productions
ですが、コアというよりはガチのハード
コアなレーベルで、ルーツ系のレーベルと
してはやはりもっとも注目したいレーベル
だと思います。
そうした強力なルーツ・サウンドをバック
に、Willi Williamsの伸びやかな歌声が
素晴らしいのが今回のアルバムです。
1953年生まれというと、このアルバム
がリリースされた2020年で時点で
77歳ぐらいの年齢ですが、ハリのある
歌声からは年齢を感じさせません。
むしろ楽しんで歌っている感さえあるん
ですね。
歌うフィールドさえ整えばこれだけの仕事
が出来てしまう、彼の衰えない意欲には
素直に拍手を送りたいと思います。
やはりレゲエの根底にはルーツ・レゲエと
いう「魂」がある、そう感じさせる内容の
アルバムだと思います。
ちなみにこのアルバムはレゲエ本
「REGGAE definitive」にも紹介された
アルバムでした。
Side 1の1曲目は「Don't Show Off」
です。
歯切れの良いドラミングに、浮遊感のある
キーボードのメロディ、伸びやかに歌う
Willi Williamsのヴォーカルがイイ感じ。
Willi Williams - Don't Show Off [A-Lone Productions] Release 2020
2曲目はRas Telfordとの共演曲
「The Nansa Heritage」です。
1曲目「Don't Show Off」のダブ・
ヴァージョンです。
こちらではヴォーカルの空いたすき間を
埋めるように、Reuben 'Ras' Telfordの
メロディカが挿入されています。
RAS TELFORD - THE NANSA HERITAGE (A-Lone Productions 2020)
3曲目は「There's a Place」です。
歯切れの良いドラミングに、刻むような
ギターと浮遊感のあるキーボード、ホーン
のメロディ、情感のあるWilli Williamsの
ヴォーカルがイイ感じ。
WILLI WILLIAMS - THERE'S A PLACE (A-Lone Productions 2020)
4曲目はBass Leeとの共演曲
「Deep Within」です。
3曲目「There's a Place」のダブ・
ヴァージョンで、こちらはBass Leeという
人がメロディカを吹いているようです。
Willi Williams feat. Bass Lee "Deep Within" (A-Lone Productions)
5曲目は表題曲の「Glory To The King」
です。
心地良いドラミングに、浮遊感のある
キーボードとピアノを中心とした
メロディ、味わいのあるWilli Williamsの
ヴォーカルがイイ感じ。
WILLI WILLIAMS - GLORY TO THE KING (A-Lone Productions 2020)
6曲目はRas Telfordとの共演曲
「Glory To HIM」です。
5曲目「Glory To The King」のダブ・
ヴァージョンで、こちらはRas Telfordが
メロディカを吹いています。
Willi Williams & Lone Ark Riddim Force - Glory To The King + Glory To HIM
Side 2の1曲目は「See It Deh」です。
華やかなホーンのオープニングから、
心地良いパーカッションのドラミング、
ギターとホーンのメロディ、よく通る
Willi Williamsのヴォーカルがとても
魅力的。
WILLI WILLIAMS - SEE IT DEH (A-Lone Productions 2020)
2曲目はJunior G.との共演曲「Iration」
です。
Side 21曲目は「See It Deh」のダブ・
ヴァージョンで、こちらはトロンボーンの
Gorka 'Junior G' Fernàndezが中心の演奏
となっています。
Willi Williams & Lone Ark Riddim Force - See It Deh + Iration
3曲目は「What's Going On」です。
軽快なドラミングに、少しくぐもった
はモンド・居る感と、刻むようなギターの
明るいメロディ、語るように歌うWilli
Williamsのヴォーカルもイイ感じ。
WILLI WILLIAMS - WHAT'S GOING ON (A-Lone Productions 2020)
4曲目はBooker Geeとの共演曲「Faith」
です。
3曲目「What's Going On」のダブ・
ヴァージョンで、Booker Geeのハモンド・
オルガンの音色が魅力的なダブです。
Willi Williams & Lone Ark Riddim Force - What’s Going On + Faith
5曲目は「Here We Are」です。
軽快なドラミングに、ちょっと哀しげな
オルガンと浮遊感のあるキーボード、
ホーンのメロディ、よく通るWilli
Williams のヴォーカルもイイ感じ。
Willi Williams & Lone Ark Riddim Force - Here We Are + Blow Your Horn
6曲目はJunior G.との共演曲「Blow Your Horn」です。
5曲目「Here We Are」のダブ・
ヴァージョンで、こちらもトロンボーンの
Gorka 'Junior G' Fernàndezが中心の演奏
となっています。
ざっと追いかけて来ましたが、
ショーケース・スタイルのアルバムです
が、ダブ・ヴァージョンの曲にゲストを
招くなどの工夫が見えるアルバムで、それ
がこのアルバムをより重厚なものにして
います。
またWilli Williamsの元気な歌声が聴ける
のも嬉しい限り。
今のルーツ・レゲエの現在地を明確に示し
た、好内容のアルバムだと思います。
現代のヨーロッパのルーツ・レゲエを語る
上で、このスペインのRoberto Sanchezと
A-Lone Productionsは重要なポジションを
占めている事を再認識させられます。
このレーベルはこれからも注目です。
またWilli Williamsには長く活躍して
欲しいものです。
機会があればぜひ聴いてみてください。
WILLI WILLIAMS & THE ROOTS DEFENDER BAND feat Black Steel ( live @ Intifada CSA Roma)
Willi Williams - Armagideon Time - Live In Toronto 2018
○アーティスト: Willi Williams
○アルバム: Glory To The King
○レーベル: A-Lone Productions
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 2020
○Willi Williams「Glory To The King」曲目
Side 1
1. Don't Show Off
2. The Nansa Heritage - feat. Ras Telford
3. There's a Place
4. Deep Within - feat. Bass Lee
5. Glory To The King
6. Glory To HIM - feat. Ras Telford
Side 2
1. See It Deh
2. Iration - feat, Junior G.
3. What's Going On
4. Faith - feat. Booker Gee
5. Here We Are
6. Blow Your Horn - feat. Junior G.
●今までアップしたWilli Williams関連の記事
〇Willi Williams「Messenger Man」
〇Willi Williams「Unification: From Channel One To King Tubby's: With Willi Williams & Yabby You」
●今までアップしたRoberto Sánchez (Lone Ark)関連の記事
〇Shanti Yalah 「Creation」
〇Lone Ark Riddim Force 「Baay Faal Dub」
〇Clive Matthews 「Jah Live」
「Glory To The King」です。
Willi Williams(本名:Wilbert Keith
Williams)はルーツ・レゲエの時代から
活躍するレゲエ・シンガーです。
ネットのDiscogsには彼について次のよう
に書かれています。
Jamaican reggae singer, songwriter, musician and producer born in 1953.
His 1979 hit "Armagideon Time" was covered by The Clash.
《1953年生まれのジャマイカのレゲエ・シンガー、ソング・
ライター、ミュージシャン、プロデューサー。
彼の1979年のヒット曲「Armagideon Time」はThe Clashに
よってカバーされた。》
「Real Rock」リディムを使った彼の代表
曲「Armagideon Time」はパンク・バンド
The Clashがカヴァーし、シングル・
リリースされた「London Calling」のB面
としてリリースされた事でよく知られて
います。
Willie Williams - Armagideon Time
Armagideon Time - The Clash - London 79
他に「Messenger Man」などの曲で知られ
るルーツ・シンガーで、現在まで活躍を
続けています。
Willie Williams Messenger Man
ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て14枚ぐらいのアルバムと、89枚
ぐらいのシングル盤を残しています。
アーティスト特集 Willie Williams (ウィリー・ウィリアムス)
Willi Williams - Wikipedia
今回のアルバムは2020年にスペインの
A-Lone Productionsからリリースされた
彼のソロ・アルバムです。
プロデュースはA-Lone Productionsの
Roberto Sanchezで、バックはハウス・
バンドLone Ark Riddim Forceが務めた、
歌とダブが交互に収められたショー
ケース・スタイルのアルバムで、
メロディカなどを織り込んだルーツ色の
強いサウンドに、研鑽を重ねた
Willie Williamsの老獪なヴォーカルが
魅力的なアルバムとなっています。
手に入れたのはA-Lone Productionsから
リリースされたLPの新盤でした。
Side 1が6曲、Side 2が6曲の全12曲。
曲はすべて歌とそのダブが続けて収められ
た、ショーケース・スタイルのアルバムと
なっています。
ミュージシャンについては以下の記述が
あります。
Produced by Roberto Sanchez
Exective Producers: Roberto Sanchez & Santiago Villaverde
Recorded and mixed by Roberto Sanchez at A-Lone Ark Muzik Studio (Cueto, Spain)
Musically arranged and directed by Roberto Sanchez
All lyrics written by Wilbert Keith Williams
Mastered by Ibon Lallucea at Euridia, Bilbao, Spain
Special thanks to Leroy 'Artist' Brown's Studio 21 and to the engineer Carl Topping
Photography by Laia Buira
Artwork and Lettering by Chilo
Lead Vocals: Willi Williams
Players of instruments: Lone Ark Riddim Force
Lone Ark Riddim Force on this album are:
Drums, Bass, Piano, Organ, Guitars, Rhodes and Backing Vocals: Roberto Sanchez
Solina Strings, Elka Clavi, Strings and Melodica: Reuben 'Ras' Telford
Moog and Clavinet: Mathias Liengme
Lead Organ on "Faith": Broker Gee
Trumpet and Trombone: Gorka 'Junior G' Fernàndez
Alto Sax and Flute: Saioa Jorrin
Percussions: ShantiYalah
Percussions and Synare: Pipe Hero
Percussions: Dubby Ambassah
となっています。
プロデュースはRoberto Sanchezで、
エグゼクティヴ・プロデューサーは
Roberto SanchezとSantiago Villaverde
で、レコーディングとミックス、音楽の
アレンジはスペインのクエトにある
A-Lone Ark Muzik Studioで、Roberto
Sanchezが行っています。
酢で手の曲の歌詞はWilbert Keith
Williams(Willi Williams)が行って
います。
マスタリングはスペインのビルバオの
EuridiaのIbon Lalluceaが行っていま
す。
リード・ヴォーカルはWilli Williamsが
担当しています。
バックの演奏はLone Ark Riddim Force
で、今回のアルバムに参加したLone Ark
Riddim Forceのメンバーは、
ドラムとベース、ピアノ、オルガン、
ギター、ローズ・ピアノ、バック・
ヴォーカルはRoberto Sanchez、
Solina Strings(アナログ・シンセサイ
ザー)とElka Clavi、ストリングス、
メロディカはReuben 'Ras' Telford、
もーぐとクラヴィネットはMathias
Liengme、Side 2の4曲目「Faith」の
リード・オルガンはBooker Gee、
トランペットとトロンボーンはGorka
'Junior G' Fernàndez、アルト・サックス
とフルートはSaioa Jorrin、
パーカッションはShantiYalahとDubby
Ambassah、パーカッションとシナーレ
(電子ドラム)はPipe Heroという布陣
です。
オルガンで参加しているBooker Geeは
フランスの音楽ユニットSoul Sugarの
Guillaume Méténierの別名です。
フォトグラフィーはLaia Buira、アート
ワークとレタリングはChiloが担当して
います。
裏ジャケ
さて今回のアルバムですが、Willi
WilliamsがRoberto Sanchezとコラボして
生まれた完全なルーツ・レゲエ作品で、
内容は悪くないと思います。
今のヨーロッパのレゲエで完全にルーツ・
レゲエに特化して作品を作り続けているの
が、Roberto Sanchezが率いるスペインの
A-Lone Productionsなんですね。
個人的な話になりますが、このA-Lone
Productionsを教えてくれたのは、ネット
のレゲエレコード・コムを運営する
Dub Storeの方でした。
「今のヨーロッパのレゲエでおススメの
アーティストやアルバムはありますか?」
とメールで聞いたところ、教えてくれたの
がこのプロダクションでした。
実際にレゲエレコード・コムでこの
プロダクションのアルバムを試聴してみた
ところ、かなりコアで硬派なサウンドを
作っていて、面白かったんですね。
そこで何枚かアルバムを購入したうちの
1枚が、今回のアルバムでした。
このアルバムに惹かれたのはWilli
Williamsのヴォーカルが良いのはもちろん
ですが、メロディカがあのAugustus Pablo
のようなルーツ・レゲエのツボを心得た
使い方で、その部分がすごく気に入った
という事もありました。
メロディカはReuben 'Ras' Telfordや
Bass Leeという人が吹いているようです
が、あのメロディカ奏者Augustus Pabloを
よく研究している人のメロディカの使い方
というか、エモーショナルな間の取り方が
本当にウマい気がしました。
なんかイイ感じでメロディカの音色が耳に
残るんですね。
今回のアルバムではダブ・ヴァージョンの
曲にそうしたメロディカやトロンボーン、
キーボードなどのゲスト・プレイヤーを
招いて、音楽にうまく幅を付けています。
またこのメロディカだけでなく、刻むよう
に奏でるリード・ギターや、ナイヤビンギ
を思わせるようなパーカッションなど、
70年代のルーツ・レゲエを思わせるよう
なサウンドが見事なほどに再現されている
んですね。
このRoberto SanchezとA-Lone Productions
ですが、コアというよりはガチのハード
コアなレーベルで、ルーツ系のレーベルと
してはやはりもっとも注目したいレーベル
だと思います。
そうした強力なルーツ・サウンドをバック
に、Willi Williamsの伸びやかな歌声が
素晴らしいのが今回のアルバムです。
1953年生まれというと、このアルバム
がリリースされた2020年で時点で
77歳ぐらいの年齢ですが、ハリのある
歌声からは年齢を感じさせません。
むしろ楽しんで歌っている感さえあるん
ですね。
歌うフィールドさえ整えばこれだけの仕事
が出来てしまう、彼の衰えない意欲には
素直に拍手を送りたいと思います。
やはりレゲエの根底にはルーツ・レゲエと
いう「魂」がある、そう感じさせる内容の
アルバムだと思います。
ちなみにこのアルバムはレゲエ本
「REGGAE definitive」にも紹介された
アルバムでした。
Side 1の1曲目は「Don't Show Off」
です。
歯切れの良いドラミングに、浮遊感のある
キーボードのメロディ、伸びやかに歌う
Willi Williamsのヴォーカルがイイ感じ。
Willi Williams - Don't Show Off [A-Lone Productions] Release 2020
2曲目はRas Telfordとの共演曲
「The Nansa Heritage」です。
1曲目「Don't Show Off」のダブ・
ヴァージョンです。
こちらではヴォーカルの空いたすき間を
埋めるように、Reuben 'Ras' Telfordの
メロディカが挿入されています。
RAS TELFORD - THE NANSA HERITAGE (A-Lone Productions 2020)
3曲目は「There's a Place」です。
歯切れの良いドラミングに、刻むような
ギターと浮遊感のあるキーボード、ホーン
のメロディ、情感のあるWilli Williamsの
ヴォーカルがイイ感じ。
WILLI WILLIAMS - THERE'S A PLACE (A-Lone Productions 2020)
4曲目はBass Leeとの共演曲
「Deep Within」です。
3曲目「There's a Place」のダブ・
ヴァージョンで、こちらはBass Leeという
人がメロディカを吹いているようです。
Willi Williams feat. Bass Lee "Deep Within" (A-Lone Productions)
5曲目は表題曲の「Glory To The King」
です。
心地良いドラミングに、浮遊感のある
キーボードとピアノを中心とした
メロディ、味わいのあるWilli Williamsの
ヴォーカルがイイ感じ。
WILLI WILLIAMS - GLORY TO THE KING (A-Lone Productions 2020)
6曲目はRas Telfordとの共演曲
「Glory To HIM」です。
5曲目「Glory To The King」のダブ・
ヴァージョンで、こちらはRas Telfordが
メロディカを吹いています。
Willi Williams & Lone Ark Riddim Force - Glory To The King + Glory To HIM
Side 2の1曲目は「See It Deh」です。
華やかなホーンのオープニングから、
心地良いパーカッションのドラミング、
ギターとホーンのメロディ、よく通る
Willi Williamsのヴォーカルがとても
魅力的。
WILLI WILLIAMS - SEE IT DEH (A-Lone Productions 2020)
2曲目はJunior G.との共演曲「Iration」
です。
Side 21曲目は「See It Deh」のダブ・
ヴァージョンで、こちらはトロンボーンの
Gorka 'Junior G' Fernàndezが中心の演奏
となっています。
Willi Williams & Lone Ark Riddim Force - See It Deh + Iration
3曲目は「What's Going On」です。
軽快なドラミングに、少しくぐもった
はモンド・居る感と、刻むようなギターの
明るいメロディ、語るように歌うWilli
Williamsのヴォーカルもイイ感じ。
WILLI WILLIAMS - WHAT'S GOING ON (A-Lone Productions 2020)
4曲目はBooker Geeとの共演曲「Faith」
です。
3曲目「What's Going On」のダブ・
ヴァージョンで、Booker Geeのハモンド・
オルガンの音色が魅力的なダブです。
Willi Williams & Lone Ark Riddim Force - What’s Going On + Faith
5曲目は「Here We Are」です。
軽快なドラミングに、ちょっと哀しげな
オルガンと浮遊感のあるキーボード、
ホーンのメロディ、よく通るWilli
Williams のヴォーカルもイイ感じ。
Willi Williams & Lone Ark Riddim Force - Here We Are + Blow Your Horn
6曲目はJunior G.との共演曲「Blow Your Horn」です。
5曲目「Here We Are」のダブ・
ヴァージョンで、こちらもトロンボーンの
Gorka 'Junior G' Fernàndezが中心の演奏
となっています。
ざっと追いかけて来ましたが、
ショーケース・スタイルのアルバムです
が、ダブ・ヴァージョンの曲にゲストを
招くなどの工夫が見えるアルバムで、それ
がこのアルバムをより重厚なものにして
います。
またWilli Williamsの元気な歌声が聴ける
のも嬉しい限り。
今のルーツ・レゲエの現在地を明確に示し
た、好内容のアルバムだと思います。
現代のヨーロッパのルーツ・レゲエを語る
上で、このスペインのRoberto Sanchezと
A-Lone Productionsは重要なポジションを
占めている事を再認識させられます。
このレーベルはこれからも注目です。
またWilli Williamsには長く活躍して
欲しいものです。
機会があればぜひ聴いてみてください。
WILLI WILLIAMS & THE ROOTS DEFENDER BAND feat Black Steel ( live @ Intifada CSA Roma)
Willi Williams - Armagideon Time - Live In Toronto 2018
○アーティスト: Willi Williams
○アルバム: Glory To The King
○レーベル: A-Lone Productions
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 2020
○Willi Williams「Glory To The King」曲目
Side 1
1. Don't Show Off
2. The Nansa Heritage - feat. Ras Telford
3. There's a Place
4. Deep Within - feat. Bass Lee
5. Glory To The King
6. Glory To HIM - feat. Ras Telford
Side 2
1. See It Deh
2. Iration - feat, Junior G.
3. What's Going On
4. Faith - feat. Booker Gee
5. Here We Are
6. Blow Your Horn - feat. Junior G.
●今までアップしたWilli Williams関連の記事
〇Willi Williams「Messenger Man」
〇Willi Williams「Unification: From Channel One To King Tubby's: With Willi Williams & Yabby You」
●今までアップしたRoberto Sánchez (Lone Ark)関連の記事
〇Shanti Yalah 「Creation」
〇Lone Ark Riddim Force 「Baay Faal Dub」
〇Clive Matthews 「Jah Live」
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