本郷奏多、青柳翔、前野朋哉、吉沢悠ら豪華キャスト陣が集結!TEAM NACS 戸次重幸 SOLO PROJECT 第 4 弾 舞台「MONSTER MATES」心に巣食う、逃れられない内なるMONSTER、じわじわと覆い尽くす

TEAM NACS 戸次重幸 SOLO PROJECT 第 4 弾 舞台「MONSTER MATES」が 2 月 8 日(金)より開幕。前 回 2014 年の一人舞台「ONE」では全国 7 カ所 32 公演を行い 12,000 人の動員を記録。5 年ぶりの今回は、4 名の 豪華なキャストを迎え、ワンシチュエーションの五人芝居でサスペンスコメディ「MONSTER MATES」の作・演 出・出演に挑戦。イラスト版メインビジュアルを「うしおととら」「からくりサーカス」など多数の 代表作を世に送り出している漫画家・藤田和日郎氏が制作するなどすでに多方面から注目を集めている話題作。 共演は映画「GANTZ」で鮮烈な印象を残し、主演ドラマ「アカギ」シリーズや映画「いぬやしき」など数々の話 題作に出演する本郷奏多。戸次と同じく北海道出身で、映画「たたら侍」に主演し世界中から高い評価を得た 青柳翔。映画「桐島、部活やめるってよ」や連続テレビ小説「わろてんか」などの作品で確かな演技力を魅 せ、監督業でもその手腕を存分に発揮している前野朋哉。映画「アイアムアヒーロー」での怪演や、戸次と共 演した主演映画「エキストランド」での好演が記憶に新しい吉沢悠。
東京・福岡・札幌・大阪の全国 4 都市にて全 20 公演を行い、すでに前売りは完売 17,000 人の動員を予定。

物語の場所はマンションの一室、小綺麗で景色も抜群、三波秀和(本郷奏多)が掃除機で部屋を掃除している。特に変わった光景でもない、日常。そこへ今野正志(前野朋哉)が意気揚々と入ってくる、手には大きな箱、新鮮なぶりを持ってきたのだった。「俺が捌くから」「鍋にしよう」と腕を振おうとする。そう言いながら秀和に「そろそろ、ちゃんとした方がいいんじゃない?」と言う。精神科医の坂上寛人(青柳翔)が帰ってくる、ここは彼のマンション。秀和はバイトを転々としていたのだった。

そこへ、いかにもガラの悪そうな男がやってくる。ヤクザの桐谷憲次(戸次重幸)は今野の借金の取り立てにやってきたのだった。マンションの一室に4人の男、職業も生い立ちもバラバラな彼ら。そこへ謎めいた男が入ってくる。帽子をかぶり、紳士っぽい風貌だが・・・・・彼の名前はQ(吉沢悠)、三波秀和に言う「あなたは不老不死になりました」と・・・・・・。不老不死???非現実的なことを言われる三波秀和、当然、すんなり信じられるわけがない。居合わせた他の3人も同じこと。この「不老不死」を巡って彼らは・・・・・・。

シュールな設定、この5人が腹の探り合いをしながら同じ部屋で丁々発止、5人揃って鍋をつつく光景は日常っぽい景色なのに非現実を帯びている。三波秀和は5年前の交通事故で足を悪くしている。育ちの良さそうな坂上寛人は家が病院、外科医だったが今は精神科医、今野正志には家族がいる、3人の子宝に恵まれている。桐谷憲次は表向きは消費者金融のサラリーマンだが実はヤクザ、でもどこかやさぐれている。Qと名乗る男はどこか冷徹で、達観しているところもある。Qは三波秀和がなぜ、不老不死の体になったのかを説明するもにわかには信じられない。しかし、それがもしも本当なら・・・・・・?

不老不死とは死なないこと、どんなことがあっても、だ。Qは自分のことを語り始める。その内容は確かに不老不死でないと体験しえないものであった。Q以外の4人、ふつふつとそれぞれの中に熱い感情が沸き起こってくる。死なない、歳をとらない、それは何を意味するのか、どういうことなのかということよりも、それにとらわれていく4人の4通りの行動と言動。どんでん返しに意外な展開、ありふれたマンションの一室が異常な空間となっていく。なりふり構わない、ドロドロとした感情、行動、言葉の数々、誰だって生きていたいし、死ぬのは怖い、殺すことも怖い。サスペンス的でありながらも彼らはどこか滑稽さもあり、真剣に『生きる』ことに向き合っている。そして彼らの人間関係やパワーバランスも浮き彫りになっていく。生まれた時から恵まれていた者、そうでない者、二進も三進も行かなくなっている者、日常では決して見えてこなかった『もの』が舞台に出現、それがモンスターのごとくに部屋全体を覆うようになる。逃れられない『モンスター』、実はずっと各々の心に巣食っていたのだが、Qの出現により鮮明に表面化する。『モンスター』は誰の中にもあるもの、ホラータッチでちょっと哀れでちょっとミステリー。登場人物はたったの5人、長いセリフ、皆、ほぼ舞台上にずっといる状況、上演時間は2時間弱、キリキリと、ドキドキと、ドロドロがごちゃまぜ、ちょっとくせになりそうな秀作であった。タイトルになっている「MONSTER MATES」の「MATES」、『仲間になる』『対になる』などの意味がある。

なおゲネプロ前に囲み会見があった。登壇したのは本郷奏多 、青柳翔、 前野朋哉、 戸次重幸 、吉沢悠。

作・演出の戸次重幸は「マンションの一室に男5人が集まって繰り広げられるサスペンスコメディーで、おどろおどろしい・・・・ところどころ笑える内容です」と語る。そして「本番より若干稽古が好き。稽古51%、本番49%。でも頑張って楽しんでいただければ」と笑う。芝居ができていく過程が楽しい様子。吉沢悠は「通しの回数が多かったので早い段階からこの状況、かなり楽しい」とコメントし、本郷奏多も「たくさん稽古してきたので初日が嬉しい、先輩方はみんな優しいので楽しくできたら」と笑顔。青柳翔は「僕自身としては久々の舞台。精一杯できたら」と語り、前野朋哉も「楽しみたいなと。稽古も楽しかったので本番もそれ以上に」と意気込む。

このキャスティングになった理由を聞かれて戸次重幸は「笑顔が信用できない、腹黒さを感じる、役者としてのいい闇がある」と言い、他の4人はこのコメントを聞いて大きく頷いた。そして戸次重幸は青柳翔に向かって「笑いながら目が泳いでいる時がある」と指摘(笑)。また不老不死になったらやってみたいことについては、前野朋哉は「危険な仕事、やってみたい、多分、ギャラもいいし」と笑わせ、青柳翔は「遊んで暮せる」、吉沢悠は「ライオンを倒したいですね」、それを受けて戸次重幸は「僕は象を」とウケ狙いで。さらに「一生、エンタメで食っていきたい、サーカスとかも絶対に盛り上がること、間違いなしじゃないですか」とコメント。でも「飽きられる?」との指摘に「国変えてやりますか、エンタメの力を借りて富を築く」と回答。

またイラストについては前野朋哉は「悪役っぽくってかっこよかった」本郷奏多は「すごく素敵。台本を読んで描いてくださった」、吉沢悠は「センターにいるのが嬉しくって」と皆、喜びを口にした。

戸次重幸は「以前から親交があってお願いに。単行本の表紙のイメージでってお願いしました、光栄です」と語る。

また稽古のエピソードでは戸次重幸から「とにかく吉沢悠さんのセリフ量がすごくて、ここは見所の一つ。年末からセリフを入れてて、それで他の4人が『やべーぞ』みたいに(笑)」、吉沢悠の長セリフシーンは確かに見所!吉沢悠は「ご褒美の食事会が楽しかった」とコメント。また稽古が楽しいということに関しては戸次重幸は「頭の中にしかなかったものができていく、ものを作るのが好き、達成感もありますが、もちろん本番も好きですよ」と言いメンバーの観劇については「早い段階でみに来てくれます」と語る。稽古中のエピソードについては前野朋哉は「すごく褒めてくれるから嬉しい、いつも『最高です!』って」と言い本郷奏多も「『ストレスあったら右手あげてください』っていって『ノーストレスの稽古場作ります』って言ってくれた」と手放しでの賛辞。戸次重幸は恐縮しつつも「皆さん、早かった、アイディアも!おんぶに抱っこです!」とコメント。

最後に「この芝居のキャラクターは皆さん以下です!優越感に浸っていただきたい、おどろおどろしいですが、笑えるところもありますので、ぜひ、劇場へ!」と締めて会見は終了した。

なお、札幌以外は当日券も出るそうである。

<ものがたり>精神科医の坂上寛人(青柳翔)。居候である三波秀和(本郷奏多)。同じマンションに住む、坂上の元患者でもあ る鮮魚店店主の今野正志(前野朋哉)。今野の借金の取り立てに現れたヤクザの桐谷憲次(戸次重幸)。様々な事情で4人が坂上宅 に会した時、謎の男・Q(吉沢悠)が突然現れる。そして Q は三波に告げる。【あなたは不老不死になりました】……。その一言で、 彼らの正常な日常は崩れ始めた。果たして、Q は何者なのか?三波は不老不死になってしまったのか?不老不死をめぐる男たちの 醜い争いの結末は…?
【公演概要】
タイトル:TEAM NACS SOLO PROJECT 戸次重幸「MONSTER MATES」
日程:2019 年 2 月 8 日(金)~3 月 3 日(日)まで 東京・福岡・札幌・大阪 全 20 公演
作・演出:戸次重幸
出演:本郷奏多 青柳翔 前野朋哉 戸次重幸 吉沢悠

取材・文:Hiromi Koh