エイリアンに誘拐されUFOで性暴行! 一家全員が…宇宙人を信じすぎた大女優ジャン・ブロバーグの衝撃事件!
※本記事は2020年の記事の再掲です。
家族ぐるみの付き合いだった隣家の家族の父親に何の疑問も抱かずに誘拐され、性的暴行を受けた少女がかつていた。それは今やベテラン女優として名を馳せるジャン・ブロバーグだ。
■“エイリアン”に誘拐された12歳の少女
女優、歌手、ダンサーとして知られるエンターテインメント界の女傑、ジャン・ブロバーグはその輝かしい活躍とは裏腹に、信じがたい少女時代を送っていたことが改めて話題になっている。両親に心配されることなく、また彼女自身も納得したうえで誘拐され、性暴行をされていたのだ。いったいどういうことなのか。
それは1974年10月の奇妙で恐ろしい経験から始まった。当時12歳だったジャンは、まだ眠いまま暗い部屋のベッドで目が覚めた。まったく知らない部屋で、どこにいるのかわからなかった。
まだ眠くて意識がはっきりしないジャンだったが、暗闇の中で奇妙で恐ろしい声が聞こえてきた。
この不気味な声はエイリアンのもので、現在地球はエイリアンが支配していると説明し、今、ジャンはUFOの中にいるのだと言った。
エイリアンに誘拐されていると理解したジャンだったが、次にエイリアンはこうして選ばれたジャンには重要な使命があることを告げた。その使命とは“男性の仲間”と出会い、子どもをもうけることである。男性の仲間との間にできた子どもは地球を救う存在になるというのだ。そしてジャンはそのエイリアンの言葉を信じた。
「私はUFOに捕らえられたと思いました。私は、おそらく私に起こった他の何よりも、その声とその声からのメッセージを恐れました」(ジャン)
“仲間の男性”は身近にいた。家族ぐるみの付き合いをしている隣家の家族の父親、ロバート・ベルヒトルトであった。両親の親友であるベルヒトルトは地域で信仰にあつい宗教家としても知られ、非の打ち所のない人物であった。ジャンも第二の父親だと感じているほどで、安心できる頼もしい存在であったのだ。
しかし、すべてはこのベルヒトルトの巧妙で壮大な策略であった。この日、ベルヒトルトは乗馬に行くといってジャンを連れ出し、キャンピングカーでドライブに出かけたのである。
ベルヒトルトは旅の途中で飲み物に睡眠薬を入れてジャンを眠らせ、車のキャビンの中に寝かせた。この“UFO”は実はキャンピングカーの中だったのだ。場所は地元の街から何千マイルも離れたメキシコに近い砂漠地帯であった。
それにしてもジャンはなぜ“エイリアン”の言葉をすぐに信じてしまったのか。そこにはベルヒトルトの入念な“洗脳”があったのだ。
ベルヒトルトはジャンたちがまだ幼いころからよく映画に連れて行き、特にエイリアンが登場するSF映画を数多く見せていたのである。そして事あるごとにタブロイド紙などで報じられているUFOに関するニュースをジャンに語り聞かせていた。こうした下準備でジャンを“洗脳”していたこともあり、実際にジャンはこの“エイリアン”の話を100%信じたのだ。そしてこの後、“男性の仲間”であるベルヒトルトと性的関係を持つことになる。
「今となっては笑い話ですが、私にはエイリアンにまつわる使命があると思いました。ベルヒトルトと一緒に多くのSF映画に行っていました。UFOの目撃情報が最初のページにある新聞の記事をたくさん見せられました。70年代でしたから。エイリアンに誘拐されたと信じるのに5秒くらいしかかかりませんでした。なぜなら、この2年半の間、ベルヒトルトは新聞を持ってきて『ほら、また別のUFO目撃情報がある』と何度も話していたからです。エイリアンが私に言ったことは何でもしました。なぜなら、私がしなければ妹が連れて行かれると言われたからです。死にゆく惑星のために子どもを産むという使命を果たすと決めました」(ジャン)
■“不適切な”家族ぐるみの付き合いで捜索が遅れる
娘のジャンがいなくなったブロバーグ家であったが、驚いたことに両親はすぐには警察に連絡しなかったのだ。
その理由のひとつにはベルヒトルトの妻がブロバーグ夫妻に当局に電話しないようにと忠告したこともある。だがその最も大きな理由は、ブロバーグ夫妻が2人そろってベルヒトルトと“不適切な関係”にあったことだ。なんと夫人はベルヒトルトと不倫の関係にあり、夫のほうもベルヒトルトと同性愛行為をする間柄にあったのだ。
こうした事情もあり捜索は遅れに遅れ、FBIがベルヒトルトとジャンの居場所を突き止めたのは誘拐の日から5週間がたってのことであった。
誘拐の罪で起訴されたベルヒトルトだが、ブロバーグ夫妻も地元の教会コミュニティの人々もベルヒトルトのことを悪く言わないばかりかむしろ擁護した。こうしたこともあり微罪処分となりベルヒトルトはほんの数日しか服役せず、すぐに釈放されたのだ。
この時になってもまだジャンは“エイリアン”を信じていた。そして“誘拐”された間に起きた性的なことをはじめとする詳細は自分の胸に固くしまい込んでいた。
ジャンが14歳になった時、彼女は再びベルヒトルトに“誘拐”された。この時もまだ彼女はエイリアンの話を信じていて、今度こそ“使命”を果たさなければならないと強く決心していた。
この2度目の“誘拐”は短いものであったため、事件にはならなかったが、その後何年もの間、ベルヒトルトとの不適切な関係は続いていったのだ。
社会常識が身に着くにつれ、ジャンの“洗脳”は徐々に解けていった。2度目の“誘拐”から数年後、ジャンは最終的に母親にベルヒトルトとの間に実際に何が起こったのかを伝えた。
さらにその後、ほかにもいたベルヒトルトの性被害者が声をあげたこともあり、ジャンは自分が体験したことを公表する勇気を持った。2003年10月にはベルヒトルトとの異常な関係を書き綴った『Stolen Innocence: The Jan Broberg Story』を出版。こうしてベルヒトルトの卑劣な悪行の詳細が世に知られるところとなり、2005年にベルヒトルトはジャンの暴行や別の被害者への破廉恥行為で告発されたのだが、最終的にはベルヒトルトの自殺という顛末を迎える。
こうして一連の事件は罪が償われることなく幕を閉じたのだが、この話はスカイ・ボーグマン監督によってドキュメンタリー作品『Abducted in Plain Sight』(邦題『白昼の誘拐劇』)となって好評を博している。
洗脳され、誘拐され、性的暴行を受けた少女の体験談は衝撃的だが、その巧妙な手口にUFOとエイリアンが使われているのは何ともやるせない話だ。子どもたちを守るためにも広く共有されなければならない話題であることは間違いない。
参考:「Mysterious Universe」、ほか
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