2018.03.03
崖っぷち妊活物語 Vol.1―私、もしかして不妊...?ー
結婚相談所に助けられながら、気が遠くなるほど壮絶な婚活を経て、晴れて結婚ゴールインを果たした女・杏子。
一風変わったファットで温和な夫・松本タケシ(マツタケ)と平和な結婚生活を送り、はや2年。
34歳になった彼女は、キャリアも美貌もさらに磨きがかかり、順風満帆な人生を歩む一方、心の隅に一抹の不安を抱え始めていた。
―思い切って、車でも買っちゃおうかしら......♪
口座に振り込まれたボーナスをスマホで確認すると、杏子はついニヤニヤと笑みが溢れた。
慶應大学卒業後、丸の内の某外資系証券会社のセールス職に精力を注ぎ続けた杏子は、今年とうとうディレクターへと昇進した。
それと景気の回復が相まって、もともと高給取りの杏子のボーナスは、かなりの額になっている。
欲しいモノは、その気になればだいたい何でも買えるだろう。ブランド物でも、車でも家でも、ドンと来い状態だ。
ただ、もちろんこの業界にリスクは付き物である。
調子に乗って羽振りの良い生活を送り、急にクビ、なんてこともあり得るから、十分に気をつけなければならない。
何と言っても、松本家の大黒柱は杏子なのだ。
大手自動車メーカーの研究員として働く夫・マツタケの収入は決して悪い訳ではないが、正直、自分とはかなりの差がある。
しかし、これまで散々頑張ってきたのだ。ちょっとイイ新車を買い、運転好きの夫と週末ドライブを趣味にするくらいの贅沢は、許されるだろう。
2年前、婚活を頑張って本当に良かったと思う。
あの時は何度も挫折を味わい、プライドを打ち砕かれ、嫌な思いもたくさんした。
そうして手に入れたマツタケとの平穏な結婚生活は、人に自慢できるほどのモノではないかもしれないが、杏子は文句ナシに満足している。
―どうせ買うなら、ポルシェのマカンかしら。マツタケはきっと喜ぶわ...。
杏子はしばし妄想に暮れ、自分の幸せに酔いしれた。
この時はまだ、これから再び自分に降りかかる困難と、このボーナスの真の使い道など、全く予想もしていなかったのだ。
【崖っぷち妊活物語】の記事一覧
2018.06.09
Vol.16
崖っぷち妊活物語 最終回:運命の悪戯...?妊活に励む女の元に現れた“忘れられない男”の策略
2018.06.08
Vol.15
「産めないかもしれない」という現実に、どう立ち向かう?明日で最終話!「崖っぷち妊活物語」総集編
2018.06.02
Vol.14
「産まない女」と「産めない女」の違い。絶望を知ったエリート美女が、それでも母になりたい理由
2018.05.26
Vol.13
無残にも奪われた“女の幸せ”。「赤ちゃんは、ママを悲しませたくない」の本当の意味
2018.05.19
Vol.12
イタめなほど幸せな「マタニティハイ」。35歳で念願の妊娠を果たした女に忍び寄る、嫌な予感
2018.05.12
Vol.11
「生きた心地がしない...」結婚4年目。“陽性”という一本の線を待ち続けた女の、最終手段の結果
2018.05.05
Vol.10
モテ女が、モテ女たる所以。キャリア女の嫉妬を蹴散らした“ゆるふわ女”の衝撃の一言
2018.04.28
Vol.9
「他人に“弱味”を見せるのは負け」。プライドの高い外銀美女が、初めて会社で涙を見せた理由
2018.04.21
Vol.8
「...本当に、子どもが欲しい?」仕事も夫婦関係も恵まれた女が、“子作り”に立ち止まる瞬間
2018.04.14
Vol.7
「これ以上アンハッピーにならない?」。傷ついた妻の心を癒した、ファットな夫の本音
おすすめ記事
2020.03.20
元カレ・コレクション
元カレ・コレクション:玉の輿まであと一歩…6年かけて結婚を狙った女がプロポーズに躊躇する理由
- PR
2024.09.01
「彼氏がデートのあとにすぐに寝てしまった…」寂しくなった30歳女が、こっそりスマホで見ていたものとは
2019.04.16
ダメな恋の話
「30歳の誕生日までにプロポーズして」切なる願いを無視された女が、それでも彼と別れない理由
2016.11.08
慶應内格差
慶應内格差:慶應法政へ推薦入学の外資コンサル女に恋の予感。それを打ち砕く内部女子
2018.01.25
エビダン!
エビダン!:港区に集まる男は“社会人デビュー組”だけ。生粋のモテ男は恵比寿に集う?
2021.01.02
私、やっぱり結婚がしたい
婚活沼にハマった32歳OLが、突然掴んだチャンス。エリート男と仲を深めた意外なキッカケ
2023.09.13
東京ウェンズデー
専業主婦になって後悔してる…。優雅なセレブ妻が家に帰りたくないワケ
2016.03.13
学歴カレンダー
学歴カレンダー:慶応女子と早稲田男子のファーストデート。チェーン店は正解か!?
2018.12.20
この愛のない世界で
この愛のない世界で:「私、このまま帰りたくない…」金曜24時、寂しさを紛らす男といても虚しいだけ?
2016.12.26
Wakiyaメン
Wakiyaメン:きっかけは、高嶺の花との恋。担々麺さえも恋愛ツールにしてしまう男たち
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"
この記事へのコメント