NHK大河ドラマ『光る君へ』コラム
こんばんは!旅行ブロガーにして、歴史地理コラムニストの旅人サイファです。毎週日曜日夜は、NHK大河ドラマ『光る君へ』コラムをお届けします。
筆者紹介
こちらは本業の傍ら全国47都道府県を旅して年間平均40泊!旅行プランナー/ブロガー「旅人サイファ」が執筆運営しております。地理・歴史へも興味が深く、各所で好評を頂いております。
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第33話 式部誕生
いよいよ…正式な中宮女房として働きはじめたまひろ。女の園ならではの環境で…彼女は物語を紡いでいきます。
名は藤式部
正式に中宮・彰子の女房となったまひろ。父親である藤原為時の官職から取って、彼女は「藤式部」…つまり「藤原式部の娘」と呼ばれるようになります。「清原少納言の娘」を略して「清少納言」と呼ばれたのと同じですね。
当時の女子は、通名が伝わらないのがほとんど。今作中の「まひろ」という名も、本当にそういう名前だったのか判然としていません。
ともかく…!後の「紫式部」につながる呼称が…ようやく誕生しました。
役割は「物語」を書くこと
中宮・彰子の女房となったまひろでしたが…慣れない藤壺での暮らしは疲弊を招いたようです。
「私が書くものにまことにそのような力があるのでしょうか」
ええ…!ありますとも!充分ありますとも!まひろさん!
「源氏物語」の続編を所望される帝。しかしまひろは、そんな帝の求めるべき作品になっているのか疑問を感じています。
しかし…!ちゃんとそれだけの力がありますよ。まひろさん。
だって…1000年の時を超えて!今も「源氏物語」は愛読されていますから!1000年語り継がれる物語を…あなたは執筆しているのですよ?
「武力で土地を取り合う世になりつつあります」
藤原道長らが生きていた時代は、まだ貴族たちが力を持っていた時代です。庶民らは、藤原貴族に荘園を寄進することで身の安泰を期し、藤原貴族らは、そんな荘園からの上がりで私服を肥やしていました。
そんな…荘園時代を終わらせるのが、「院政時代」の到来です。強大になりすぎた藤原貴族らを抑えるために皇室が産み出したのが、「上皇」となって裏から政治を操る手法でした。
そして、その院政を影で支えたのが…やがて「武士」と呼ばれる集団です。
藤原道長の時代にはすでに、自らの武力で土地を奪い合う萌芽が見え隠れしていました。道長は…やがてくる「武力で土地を取り合う時代」を予見していたのかもしれません。
そう…平氏と源氏の争いから端を発する…武士の時代、戦乱の世の中です。
共通の話題
帝に「源氏物語」の続編を要請されていたまひろは、ようやくその続編を書き上げ、帝へと提出します。
その際、ふとしたところで…中宮・彰子もまた「源氏物語」に興味を引かれていることを知ります。
あまり感情を表に出そうとしない彰子にも…その裏で微かな我を感じたまひろは、彰子に源氏物語の成り行きをお話します。
今も昔も…男女の仲を最も進展させるのは「共通の話題」です。
この「源氏物語」が、帝と中宮・彰子の「共通の話題」となって、両者を結びつけるきっかけになるのかもしれませんね。