レイヴン
「ふぅ」
山風
「暑さのピークは過ぎても暑い」
レイヴン
「残暑でござんしょ」
栞菜
「夏の暑さがここまで長引くとかもうね」
レイヴン
「秋服と春服はもはや死んだようなもんよ」
楓
「確かに秋服と春服は着るタイミングが分からなくなりましたね」
レイヴン
「せやろ」
山風
「それで何か話の種でもあった」
レイヴン
「よく言われる少子化って先進国特有の現象なんだよな」
栞菜
「少子化・ねぇ」
レイヴン
「実際先進国以外は出生率普通に高いだろみたいな話はあるし」
楓
「あれなんでなんですか?」
レイヴン
「要するに価値観よね、人権とか言い出した事が関係してるのは確かでしょ」
山風
「そもそも子供を労働者として扱わなくなったのもあるんじゃない」
レイヴン
「それは確実にあるわな、昔は子供は労働力だったんよ」
栞菜
「確か10歳になったらもう働いてるみたいな話だっけ」
レイヴン
「そう、それと子供にかかるお金も今の半分以下だったりしたし」
楓
「成人するまでにかかるお金ですね」
レイヴン
「今は国にもよるが、平均1000万ぐらいって言われるな」
山風
「しかもそれだけ投資しても望んだ結果にならない事の方が多いしね」
レイヴン
「そりゃ子供を産まなくなるわという話になっちまうしな」
栞菜
「経済的な理由もあるけど、それは国によって変わってくるしね」
レイヴン
「結婚する若者が減ったのは国にもよるが、先進国に見られる光景だしな」
楓
「他人に時間を奪われる事が我慢出来ない的な」
レイヴン
「自分の人生を楽しみたいっていう考えも強くなってそうだしな」
山風
「それに加えて子供は親にとって老後の保険的な側面もあったしね」
レイヴン
「老いてから面倒を見てくれる存在としてね」
栞菜
「なんにしても少子化になってるのは先進国ばかりなんだよね」
レイヴン
「そのくせして先進国に流れてくる移民はポンポン子供を産むしな」
楓
「要するに本国人が子供を産まなくなってるのも大きいんですよね」
レイヴン
「長命な種族と結婚した王様が年月を経て国を乗っ取られるみたいな話になってきてる」
山風
「少子化って結局はその国の人が子供を産まなくなったのも確実に大きいよね」
レイヴン
「大きいだろうなぁ」
栞菜
「少子化は先進国特有の現象か」
レイヴン
「実際人権ガン無視してる国は普通に出生率高いっていうデータもあったりするしな」
楓
「しかもそういう国は今でも子供は労働力だったりしますしね」
レイヴン
「人権意識は大切だが、その人権によって少子化に突き進んだとも言える」
山風
「まさに皮肉の極みみたいな話」
レイヴン
「先進国はそもそも結婚以外にも選択肢が多いからな」
栞菜
「その結果が少子化なのかもね」
レイヴン
「マジで少子化は先進国が行き着く先みたいな話よね」
楓
「子供は労働力、人権ガン無視の国は出生率が高いという皮肉なデータですよ」
レイヴン
「考え方が変わるとこういう事が起きるんかっていう話だわな」
山風
「人権は大切だが、人権のせいで少子化したと」
レイヴン
「なんとも皮肉な話よね」
栞菜
「人権と少子化はリンクしてると」
レイヴン
「実際昔の考え方が今も変わってなかったらどうなってたんだろうな」
楓
「そこはなんとも言いにくいですよね」
レイヴン
「ただ先進国は結婚しなくても生きていけるのもまた強いしな」
山風
「それに結婚しても子供を産む保証もないし」
レイヴン
「少子化って結局は子供を産まなくても困らない国で起きてるからな」
栞菜
「先進国がまさにそれだという」
レイヴン
「だけの話だからな」
楓
「少子化はなるべくしてなっただけですしね」
レイヴン
「まあ回避は出来なかったんだろうって話よね」
山風
「ベビーブームがどこかで起きてればまた別な話だよね」
レイヴン
「だがそれは起きなかったという」
栞菜
「皮肉な話でしかないよね」
レイヴン
「子供への投資額が上がったらそりゃ子供を産まなくなるわな」
楓
「1000万は流石にきついって話ですよね」
レイヴン
「仕事しよう」
その頃
輝星
「ふぅ」
リリス
「少しは涼しくなってお菓子も作りやすくなりましたね」
輝星
「暑さのピークは過ぎたからね」
雨姫
「ですね、でもまだアイスが多いですけど」
輝星
「アイスは割と簡単に作れるのも大きいしね」
ライコネン
「ケーキ屋でもアイスケーキが結構売れてたしね」
輝星
「アイスケーキって暑い日はやっぱり売れるんだね」
リリス
「冷たいアイスは美味しいですからね」
輝星
「それは分かる」
雨姫
「輝星さんもアイス作りがすっかり上手くなりましたよね」
輝星
「夏はアイスばかり作ってた気がするよ」
ライコネン
「まあ痛むのも早いからねぇ」
輝星
「生菓子はそればかりが仕方ないんだよね」
リリス
「痛むのが早いというのは流石にですよね」
輝星
「しかも常温とは一体っていう暑さだったし」
雨姫
「ピークが過ぎたらだいぶ落ち着きましたよね」
輝星
「本当にね」
ライコネン
「でも輝星の作るアイスは美味しいから好きだよ」
輝星
「それはありがとうね」
リリス
「好きなアイスとかあるんですよね」
輝星
「私は言うまでもなくチョコアイスが好きだね」
雨姫
「お菓子作りに目覚めたきっかけがチョコレートですからね」
輝星
「そうそう」
ライコネン
「チョコレートがお菓子作りに目覚めたきっかけなのか」
輝星
「そうだよ、少しお高いチョコレートを食べた事がきっかけかな」
リリス
「輝星さんはチョコレートが本当に好きなんですよね」
輝星
「チョコレートは私の人生だからね」
雨姫
「そこまで言うぐらいお高いチョコレートが美味しかったんでしょうね」
輝星
「あの味は忘れられないよねぇ」
ライコネン
「でもきっかけなんてそういうのでいいと思うよ」
輝星
「そうなんだよね、あまりの美味しさに驚いて自分で作りたくなったし」
リリス
「輝星さんがチョコレートに魅了された女っていうのは伝わりますよね」
輝星
「チョコレートは私の人生とも言えるからね」
雨姫
「そういう気持ちは大切ですよね」
輝星
「でもライコネンのケーキも美味しいと思うよ」
ライコネン
「まあ伊達に天才とか言われてないしね」
輝星
「ライコネンの作るチョコケーキは私にとって至福の味だし」
リリス
「やっぱりチョコケーキなんですね」
輝星
「ライコネンの作るのってザッハトルテとかだよね」
雨姫
「シンプルなチョコケーキも作りますけどね」
輝星
「でも私は好きだよ」
ライコネン
「まあね、ザッハトルテは得意なケーキの一つだし」
輝星
「私もケーキとかも作るけど、ライコネンには敵わないよ」
リリス
「ライコネンさんはケーキ屋ですしね」
輝星
「なんにせよライコネンの作るチョコケーキは私は好きだよ」
雨姫
「でもチョコケーキも最近は高くなってますよね」
輝星
「それは材料が適正価格で取引されるようになったからとも言えるけどね」
ライコネン
「バニラなんかも高くなってるけどね」
輝星
「なんにせよ高くなったのは適正価格で取引されるようになったからなんだよね」
リリス
「カカオ農園とかは子供が働いてたりしますからね」
輝星
「でもそれできちんとお金を得てるならそれは悪くないんじゃないかな」
雨姫
「子供を働かせるのが悪いかどうかですしね」
輝星
「先進国の価値観の押しつけも正しいかは分からないしね」
ライコネン
「なんにせよカカオやバニラの価格が上がったのは確かだよね」
輝星
「それはある」
リリス
「安く買い叩くのは人の悪い癖ですよね」
輝星
「安さこそが正義を貫いた結果がこれだよっていう」
雨姫
「誰も得しなかったですよね」
輝星
「適正価格で取引されるようになったならそれはいいのかな」
ライコネン
「私はそう思うけどね」
輝星
「涼しくなればチョコレートも使いやすくなるしね」
こうして時代と共に変わるものがある
価値観の変化は現実も変える
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