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地域の身近な問題を掘り下げて取材しています

発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
ジャーナリスト浅野詠子

川上村白屋地区、大滝ダムの地滑りで移転、古寺の撤去前全景写真見つかる

国土交通省近畿地方整備局ホームページ「大滝ダム白屋地区地すべり対策の工事写真、アンカー工施行状況(2008年9月24日時点)」から。左上の建物が玉龍寺

国土交通省近畿地方整備局ホームページ「大滝ダム白屋地区地すべり対策の工事写真、アンカー工施行状況(2008年9月24日時点)」から。左上の建物が玉龍寺

玉龍寺観音堂の部分を拡大した写真。往年のたたずまいが伝わってくる

玉龍寺観音堂の部分を拡大した写真。往年のたたずまいが伝わってくる

 奈良県川上村・大滝ダムで14年前、試験湛水中に起きた地滑りのため、集落全37世帯が移転した同村白屋地区の玉龍寺の撤去前の全景が分かる写真が、国土交通省がホームページで公開している同ダム関連の写真の中にあることが分かった。集落の中の13世帯は約10年前に橿原市内に移転し、同寺は昨年12月、同市内で新築再建された。

 撮影は2008年9月。同省が地滑り対策の工事現場の様子を紹介する写真の1枚に偶然、主要な建物の観音堂(1802年再建)などが写っていた。撮影時点では、住民はすでに移転していたが、同寺については国との補償交渉が成立していなかったため、撤去されていなかった。遠景写真だが、寺の往年のたたずまいや、この地区特有の石垣の美観がうかがえる。

 写真の工事現場では当時、滑り面の斜面にアンカーを打ち込む工事が行われており、これらの工事を含む押え盛土工など、白屋地区の地滑り対策は2009年に完了した。

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