県域水道一体化反対の請願 大和郡山市民が市議会に 委員会審査経て22日に採決
奈良県が中心となって進めている県域水道一体化に大和郡山市が参加しないことを求めて、市民9人が4日、地方自治法に基づく請願書を、同日開会した市議会3月定例会に提出した。11日に開かれる建設水道委員会に審査が付託され、議会最終日の22日、採択・不採択の採決が行なわれる。
請願書を提出したのは同市筒井町の元大日本印刷役員栂野行男さん(75)や農業従事者、市民団体メンバーら。紹介議員は元議長、遊田直秋氏(無所属)ら3人。
一体化の基本方針によると、市町村の地下水浄水場はすべて廃止し、県営浄水場のダム(大滝ダム、室生ダムなど)が主水源となる。
請願書は、同市の上水道は豊かな地下水源を活用して県内でトップクラスの経営成績と低廉な料金を誇るとして、渇水、防災に強い水道の存続と充実を求めている。
さらに、本年1月、県内27市町村と県が交わした一体化の覚書は、自治体の水道事業の資産等を持ち寄ると定めたことから、多額な内部留保資金を誇る大和郡山市水道が今後、経営が悪化した市町村の水道と併合されることは不合理であり、併合は強制的ではないかとして「ルールなき一体化」に参加しないことを求めている。
大和郡山市が昨年6月、一体化の参加を念頭に、82億円に上る水道会計の内部留保資金のうち約28億円を一般会計に移したところ、荒井正吾知事は9月の定例会見において「隠した」と非難した。市は広報紙で移転の正当性を主張。上田清市長は1月の覚書締結に参加しなかった。
一方、資産と負債を持ち寄るルールが見直されれば、市が一体化に参加する可能性は高まる。今回の請願が、一体化そのものへの不参加を求めていることから市議会の対応が注目される。 続報へ