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拠点・奈良県大和郡山市 運営者・浅野善一

奈良・京終 町歩きの地図 店主らが手作り

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2012年11月7日 浅野善一
手書きの絵地図「きょうばて界隈MAP」を発行した「MAPの会」の人たち。左から大八木さん、安西さん、森川さん=2012年11月5日、奈良市北京終町
「きょうばて界隈MAP」(地図をクリックすると拡大できます)

 奈良市のJR京終駅周辺の店主らが地域の店や史跡を取材し、手作りの町歩きの地図「きょうばて界隈MAP(かいわいマップ)」を発行した。地図作りを通して地域の魅力を発掘している。

 京終は奈良時代、平城京東部の外京と呼ばれた地域の南の外れに当たり、現在は歴史的な町並みが残る奈良町の南に隣接している。奈良のかつての主要道、上街道や中街道が南北に通り、玄関口となる京終駅には、1898年の開業当初からあるといわれる木造駅舎が立つ。

 地図を発行したのは、同地域でゲストハウス(素泊まりの宿泊施設)を営む安西俊樹さん(62)が代表を務める「きょうばて界隈MAPの会」(7人)。発行のきっかけは、隣の奈良町の案内地図はいくつもあるのに、京終にはこれまでなかったこと。安西さんをはじめ、会員の多くが同地域で店を構えており、京終駅からの道筋や周辺の見どころが分かる地図が欲しいと考えていた。

 地図は手書きのA3判。駅の北側、東西900メートル、南北700メートルの区域を収めた。歩いて10分で行ける範囲を前提にした。掲載したのは店約70軒のほか、町の歴史や表情を伝える社寺、建物、通り、公園など。店についてはサービス内容などの情報を添えた。地元に詳しい人に話を聞くなどして地域の歴史を掘り起こし、かつてあったため池など記憶だけが残る場所も記した。

 制作はメンバーの1人で、パステル画家の5*SEASON(ファイブ・シーズン)こと大八木恵子さん(49)が受け持った。楽しい絵をたくさんちりばめて、親しみのあるものにした。
 苦労したのは印刷費用などの工面。掲載する店から協賛金を募ることにし、依頼して歩いた。25軒が協力してくれた。

 発行は5000部。うち1000部はわら半紙に謄写版印刷をし、懐古調にした。地図は無料で配布、京終駅のほか、JR奈良駅前の市総合観光案内所や同市上三条町の市観光センターなどに置いている。また、会のブログを開設しており、無料でダウンロードすることもできる。

 事務局の森川ムックさん(29)は「取材を通じた人との出会いが新鮮だった。知らないことの方が多かった」といい、会の人たちにとっても地域の魅力を発見する機会になった。

 安西さんらは「観光客が京終かいわいを楽しく歩ける地図になった。ガイドブックにはないような豆腐屋や魚屋も載っている。来年はさらに情報を充実させた完成版を発行したい」と話している。

13日に完成記念の祝賀交流会

 地図の完成を記念した祝賀交流会が13日午後7時から、同市北京終町の飛鳥神社で開かれる。参加費500円。誰でも参加できる。申し込みは安西さん(町屋ゲストハウスならまち)、電話0742(87)0522。

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